
アトピーに歯の詰め物のアマルガムが悪化因子になっていることがあります。水銀のような重金属もアトピー悪化の原因になり得るので、心当たりがある方は注意が必要です。
もくじ
アトピーの要因になるアマルガム
虫歯の治療をされていた方で、過去に口の中にアマルガムの詰め物をされている場合、それが原因でアトピーが悪化している場合があります。
アマルガムは健康保険適用の歯の詰め物として、一般的に使用されてきた歴史があります。
アマルガムは食べ物を噛むときに、摩擦熱で水銀を含んだ蒸気を発生させます。
すると水銀が体内に入り、なんの自覚もなく吸収され、脳や肝臓、腎臓などの臓器に蓄積される可能性があります。
体内に吸収された水銀は、細胞膜を通って拡散してしまいます。水銀は神経毒性の強い物質で、全身に様々な症状を出します。
不眠・神経的なイライラ・頭痛・めまい・極端にまぶしさを感じる、感覚異常、倦怠感、アレルギー、そしてアトピーの原因になっていることもあります。
また、分子栄養学的な見解では、カンジダ菌との関連が指摘されており、腸内でカンジダ菌が水銀を取り込んで繁殖しているケースがあるそうです。
カンジダ菌のチェック方法はこちらで詳しく触れています。
そのアトピーの原因本当に腸内カンジダ?検査法は?治療はどうする?
分かれる見解
アマルガムに使用されているのは、「無機水銀」。
「有機水銀」は100%吸収されて体内に蓄積されるが、「無機水銀」は10%程度しか体に吸収されず、体外に排出される、毒性は少ないという歯科の見解があります。
有機水銀は、あの水俣湾の魚介類に含まれていたメチル水銀なんかですね。マグロなどの大型魚に蓄積している、環境汚染物質として名高い水銀ですね。厚生労働省でもメチル水銀の摂取について、妊婦さん限定で魚介類の摂取目安量を定めています。明確に毒性があります。
アマルガムを安全という歯科医師は、無機水銀だから安全と言います。
アマルガムが有毒という歯科医師は、無機水銀がバクテリアなどの働きにより、有機水銀となって有毒化すると説明され、アマルガムを除去して、アトピーをはじめとする体の不調が改善された実際の事例を挙げています。
もう一つの情報として、アマルガムに用いられる無機水銀には、有機水銀ほどの毒性はありませんが、アレルギーをおこしやすいとも言われています。
なんでもそうですが、諸説あるのが実際ですね。
公的医療で使える歯科材料であれば、いきなり厚生労働省が全否定すれば、アマルガムをこれまで使っていた患者が歯医者に殺到するでしょうし、害のあるものを使ったことに対しての責任を問われかねないので、国も慎重になるのかもしれません。
代謝が良い人であれば、便や尿、髪の毛や爪、汗から重金属は排泄されていきます。入ってくる量を代謝が上回れば、害が出ないとも言われており、量と体質により、症状が出るかが決まりそうです。
しかし、いずれにせよ、水銀は有毒な金属であることには変わりがありません。
あまり体内に入れておきたくはないものですね。
銀歯があってアトピーなら、アマルガムを探してみて
広く普及していたアマルガムは、1970年代をピークに、1980年代までは一般的に虫歯の治療あとの詰め物として使用されていました。
現在でも日本の一部の歯科医院では使用されています。
しかし、昨今では、水銀の害が取りざたされることも多く、使用しない傾向にあります。金銀パラジウム合金など別の金属や、白いプラスチック素材のレジンの使用が普及してきたこともありますし、水銀の健康への影響も社会的話題になってきたこともあるでしょうね。
歯科医師の中でも、アマルガム禁止の運動をしている団体もあります。
アマルガムってどんなもの
歯に穴をあけて詰めるタイプの金属で見られます。歯の形を作ってかぶせるクラウンと言われるものでは使用されていません。強度の問題でできないんです。
アマルガムは固まりやすく溶けやすい点が歯科材料として重宝されていました。処置が簡単だったんですね。
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ただ、溶けやすい点はデメリットでもあり、口の中のアマルガムは、熱いお茶や果物や酢などの酸などを口にすると、ちょっとずつ溶けてしまいます。
どんなに上手に歯医者さんが治療していても、縁から形が変わってしまうのです。
そして、その隙間から虫歯が再発してしまうことも・・・。これを歯科用語で「二次カリエス」というのですが、アマルガムの二次カリエスは曲者。
水銀は痛みを抑えてしまうため(感覚異常)虫歯がアマルガムの周囲で進行していても、本人が気が付かず、虫歯が進行していることも多いのだそうです。
アマルガムを詰めた部位は、黒ずんだ銀色をしていますので、パッと見てもわかります。
きらりの口の中にもアマルガムが・・・
私の口の中にもアマルガムがありました。
奥歯の詰め物1本、十代のころに治療した歯でした。私が中学生頃に詰めた歯だと思うので、1990年代に入ってからのものです。
しかし、幸いなのかどうなのか、食事中に勝手に取れてしまいました。ご飯を食べていたら、ゴリっという鈍い音と嫌な予感。口の中を調べたら、アマルガムの詰め物が取れて、歯に大きな穴が開いていました。
溶けやすい素材なので、劣化して外れてしまったのだと思います。
ってことは、体のなかに溶けた水銀が入っていたってことですよね・・・。その当時はアマルガムの体への影響については詳しくなく、とりあえず歯医者さんに行って、再治療してもらいました。
虫歯は進行していたらしく、合金のクラウンが施されました・・・。
アトピーは水銀などの重金属でも起こるアレルギーかも
アマルガムの中の水銀は、50%程度含まれていると言います。
口の中のアマルガムの水銀が、唾液や食事によりイオン化し、体内に入ってタンパク質と結合します。
それが腸で吸収される際に、アレルゲンとなり、アレルギー症状が引き起こされます。
首や顎に症状が出れるなら推測しやすいのですが、これが厄介なことに、口とは遠く離れた手足の皮膚でも症状が出ます。
ピアスやネックレスが当たった部分だけが炎症を起こす、局所性の金属アレルギーとは異なります。
体内にはいった金属で引き起こされるのは、全身性の症状です。
難治性のアトピーや、手のひらや足の裏などに掌蹠膿疱症という水泡状の湿疹が繰り返し出る場合もあります。
症状がでる部位が、口から離れているため、よもや口の中が原因とは思わず、放置されていることも多いです。
アレルギーがあるとわかったら、口の中の金属をすべて取り除き、重金属のデトックスを行うことでアトピー改善につながります。
おわりに・まとめ
今、30代以上の年齢の方は、口の中にアマルガムがある場合があるので、一度チェックしてみるといいです。
金属アレルギーのお話とも被りますが、アトピーは水銀だけでなく、ニッケルやパラジウム・クロムといった、歯科金属でもおこります。
無機水銀に金属アレルギーを起こしている場合は特に、除去することでアトピー改善につながるかもしれません。手間はかかりますが、皮膚科で金属アレルギーのパッチテストは受けてみると良いかと思います。