
汗はアトピーの大敵!とスキンケアでは言われますが、反面汗をかくことがアトピー改善に役立つとも言われています。なかなか汗が出ない方もいますし、汗かくとかゆくなるので出来れば避けたいと感じる人も多いはず。でも汗が改善に必要だとしたら・・・?汗の機能からどうしたらいいのか考えてみたいと思います。
もくじ
汗をかくとアトピーが良くなるのは本当?
汗かくとかゆくなるタイプの人は多いです。私も夏が嫌いでクーラーの効いた部屋にこもることが多かったですけどね。
となると、汗をかくことが良くないことだとも思われがちですが、汗をかくこと自体が悪いわけではありません。
脱ステロイド中や浸出液が大量に出ている時は大汗をかくのは止めたほうがいいです。
でもそれ以外は、適当な運動はアトピーの治療効果を高めます。
アトピー改善に押さえておきたい汗の種類
まず、汗には2種類あります。汗を出す「汗腺」が2種類あり、それぞれ異なった場所から、それぞれ違う機能の汗が出ています。
・エクリン線
体温調整のための汗を出す。全身に平均して350万。少ない人で200万くらい。通常は塩分が少し含まれたさらっとした汗。通常は塩分を含むため肌を弱酸性に保つ。ただし、エクリン腺がうまく機能していない人はミネラル分も一緒に排出され、肌をアルカリ性にすることがあります。(いい汗か悪い汗かはリトマス試験紙を使うと見分けらます)
・アポクリン腺
脇の下・耳の中・肛門・陰部・乳輪など限られた部位に存在する汗腺。単独で存在しないで、毛穴と共にあるので、毛穴から汗を出す。タンパク質・脂質・糖質・アンモニア・鉄分などが含まれた白っぽい汗であり、出ると肌はアルカリ性に傾ける。栄養成分が多く雑菌が繁殖しやすく、一般的にはワキガの原因で有名。人間に残ったフェロモンを出すための機能をつかさどる汗腺です。
・皮脂線
そしてもう一つ、これは汗ではありませんが、毛穴にある皮脂を出す腺があります。全身の皮膚の毛穴にある皮脂を分泌する皮脂線です。詰まるとニキビができるやつです。
皮膚の表面で汗と皮脂が混ざり合うことで、天然のクリームとなり、肌を守っています。
体の代謝が落ちてしまうと、汗も、皮脂も分泌できない状態で、当然肌はかっさかさです。
アトピーさんは汗がかけない人が多い
まず、汗がかけないというのは、体温調節するエクリン腺が衰えている状態です。
汗をかかない状態が続くと、エクリン腺の機能は衰えます。実際に汗を分泌して働いてくれている汗腺を「能動汗腺」といい、汗を分泌出来ないお休みしている汗腺を「不能汗腺」と言います。
不能汗腺が多いと、炎天下に出ても汗がスッと出てこないので、肌に熱がこもります。熱をもつと、炎症部分のかゆみが増しやすくなります。すくない能動汗腺でから汗を出して体温調整しようとするので濃度が高い汗が出やすく、汗腺のつまりを誘発します。
アトピーの人も、汗がかけない人が多いといいます。
空調のきいた環境で生活し、運動もあまりしないため、汗をかく機能が衰えてしまっている場合。
新陳代謝がわるいので、そもそも汗が出るまで体温が上がらない方。。
または、アトピーの汗のかゆみが嫌で、汗をかく機会を減らす努力をしてしまっている人もどんどん汗がかけなくなってしまいます。
そして、汗腺が退化してると運動始めに痒み出るんですよね
アトピーと汗疹(あせも)
ちなみに、エクリン腺の出口が詰まると、汗疹(あせも)になります。
エクリン腺の管の先端が詰まると、内部で汗が溜まり、皮膚の内部に漏れ出て皮膚がダメージを受け、赤く盛り上がってぼこぼこと汗疹ができてしまいます。
熱くなってもさっとスムーズに汗が出てくれれば、汗疹はできないのです。
アトピーと思ったら、単に汗疹だったということはあり得ます。
汗はかかずに水分蒸発が多いアトピーの症状も
アトピー性皮膚炎の人は、新陳代謝がわるくて汗が出にくい体質が出来上がっている人もいますが、症状が重い場合、は四六時中汗のように水分が出ていく場合があります。
肌の炎症があまりにひどいので、皮膚の汗をつくる細胞自体がボロボロに破壊され、壊れた皮膚から水分が直接蒸発していく場合です。
不感蒸泄(皮膚からの水分の自然蒸発)といいます。
これは汗ではなくて、皮膚が壊れて水分がダダ漏れしている状態です。
余りに炎症が強いと、水分蒸発で服がなんとなく湿っぽい・・・なんてこともありますね。この状態は本当に重症です。(私はステロイドリバウンドしてるときに見舞われました)
アトピーは汗をかけるようになると改善する
さて、汗はアトピーにかゆみを引き起こしますが、汗をかくとアトピーの改善になるとよく言われます。汗で狙えるアトピー改善効果は次の通りです。
サラサラ・スムース汗でお肌を弱酸性に保つ
・エクリン線からの体温調整の汗をスムーズに出せるようにしておくこと。
正常にミネラル再吸収ができる能動汗腺を増やし、サラサラの良質の汗をスムーズに出せる状態にし、肌のphを弱酸性に保皮脂線ちます。その結果黄色ブドウ球菌やカビの繁殖を防ぎます。
実際、スポーツで汗をかき慣れた人は、汗腺のミネラル再吸収能力が高いので、アルカリ成分の重炭酸イオンが汗中に少ないそうです。
また汗腺のつまり(あせも)によるアトピーの悪化を防ぐことです。
皮脂線からの汗がアトピーを良くする
・皮脂線を活発に動かすことによるデトックス効果
人間の体内の貴金属や化学物質などの有害物質は脂肪と結合して蓄積されています。これを体外に排出するには、皮脂線からの皮脂分泌を促進することが有効です。
・皮脂と汗による天然の肌保護効果
皮脂腺は脂汗とともに体内の有害金属類や有害ミネラル類を排出しながら皮膚の乾燥や各腺から排出された有害物の再吸収を防ぐ働きと雑菌や異物の侵入を阻止しています。
エクリン線の汗と皮脂が混ざることで、肌の保護効果が高まり、乾燥しにくい肌になります。
どうやってさらさらの汗と皮脂線からの汗を出すか
エクリン線からの汗を出し活動する能動汗腺を増やすのは比較的簡単です。とにかく体を動かしたり、お風呂に入って汗をかく習慣をつければいいです。回を重ねるごとにどんどん汗をかけるようになります。
お風呂で半身浴が一番手軽でしょう。
では、皮脂線からの汗はどうでしょうか。
デトックス目的で、皮脂線から意図的に皮脂を分泌する(いわゆる脂汗をかく)には、通常はマラソンで30km、有酸素運動で2時間は必要とされています。
なかなかの運動量です。
運動をするのが理想的ではありますが、難しいのであれば、岩盤浴で同じような効果が得られます。
岩盤浴は、遠赤外線の温熱効果により体の奥からあたため、ハードな運動をした時と同じように皮脂腺からの汗を効果的に出せます。
岩盤浴に通うのが難しいのであれば、自宅用に遠赤外線のサウナを買うことでも実現できます。
体力に自信がない場合は検討するといいですね。
おわりに
汗による体温調節、皮脂線からの汗による老廃物の排出とバリア機能回復。
こうして皮膚を鍛えることで、アトピーの改善につながっていくわけですね。汗をかくのはアトピーにとってプラスの作用があるってことです。
私もなかなか汗が出ない体質でした。もちろん夏はすぐのぼせあがる。汗がスッとでてこないの、体に熱がこもってしまう。汗の出始めは体が猛烈にかゆくなる。
かゆくなるから汗をかくシチュエーションを避ける⇒余計に汗をかくのが苦手になる (以下エンドレス)
でも意識的に汗を出すようにしたことで、肌の回復に役立ったと思います。
肌の状態に合わせて、是非取り入れてください。