
アトピーが仕事のストレスで悪化してかゆみが止まらない!って人。なんて自分はストレスに弱いんだと嘆く前に、改善に向けてできることがあります。仕事を上手に続けたかったら、ストレスアトピーを克服し、是非根本から心身を整えていきたいところです。私もこの知識があったからこそ、働きながらアトピーを治せたと思います。
もくじ
アトピーが仕事のストレスで悪化する・・・。
アトピーは普通にしていてもかゆい。
仕事をしていると、そのストレスで、悪化してしまうことは多いです。
ご多分にもれず私もその通りでした。
会社でも四六時中体が痒くて気が狂いそうな、というか狂ってたと思いますけどね。(笑)一時期はひどかった。
そうはいっても、ストレスのない仕事なんてないわけです。ストレスがあるからという理由で転職ばかりするわけにもいかない。もちろん明らかブラックだったらとっとと逃げ出すのが賢い選択ですけど、気にいっている会社に入れたのに、ストレスでどんどんアトピーが悪化するってことだと、悲しいじゃないですか。
同じストレスを受けていても、耐えられる人と耐えられない人もいる。
そういう他人を自分を比べてしまうと、ああ、なんて自分は弱いんだろうと自己嫌悪に陥ることもしばしば。
けど、こういうの、あなたの性格や人格が悪いわけではないのです。
実は単純に、体の仕組みというか、体質の問題だと私は思っています。
心身の仕組みが分かれば、、ちょっと気持ちが楽になりますし、具体的な対策も見えてくるってもんです。
もちろん、精神論ではないですよ。
アトピーで仕事が辛い。なにがつらい?
ストレスと言ってもいろいろありますよね。
良く言われるのは精神的なストレスですが、その他にもあります。
物理的なもの 寒冷、騒音、放射線等
化学的なもの 酸素、薬物等
生物的なもの 炎症、感染
心理的なもの 怒り、不安等
ウィキペディアからそのまま引用してきました。心理的なもの以外にもストレスになるものっていろいろあります。
ストレス=アレルゲンという場合も多いですね。物理的なものは。
私はタバコの副流炎でしたねー。頭痛と吐き気とアトピーの炎症が悪化するんです。タバコの灰に触るとじんましんが出ます。
という具合に、人によってストレスは違う。まずは何がストレスなのかを知って、避けれるものは極力避けることです。
物理的なものや科学的なものは、とにかく避けるしかないです。とっとと逃げます。戦略的退避です。
それが仕事の大半をしめるなら、転職は前向きに考えたほうがいいですね。
避けられないものであっても、例えば対人関係とかだったとしても、愚痴を他の人と話すとか、イライラした気持ちをバッティングセンターで発散するなど、別の形で発散することができれば、どうにかなったりします。
ところが、不快なストレスが自分で対処できる以上にかかってくると、体や心に大きな影響を与えますね。
仕事の悩みは大半が人間関係によるものだと言われています。心理的なストレスです。
これが一番悩ましいのではないかな・・・。
ストレスを受けやすい体質
実はアトピーの人の場合は、ストレスを受けやすい体質であるともいえるんです。
これは免疫学で有名な安保徹先生の本が詳しいです。安保先生の治療法には賛否があるのですが、理論はストレスとアトピーを理解するのにとてもわかり安くなるし役立つと思ったので私は採用しました。
安保先生は、自律神経と白血球が連携していることを発見して、それをもとにいろいろな病気と免疫の話をされています。
人は大きく分けて、体質によって交感神経優位タイプ(活動型)と副交感神経優位タイプ(ゆったり型)に分けることができるそうです。
そして、
・交感神経優位の人は顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球の3つを総じて言う)
・副交感神経優位の人はリンパ球
が多くなっています。
自律神経のレベルは日内リズムを持って変化しているし、ストレスや活動で揺れ動くので、時々で変わってはいますが、ベースの自律神経レベルは血中の白血球分画を調べることでわかってきます。
皮膚科の血液検査で白血球の数と分類が出ていると思うのでみてみるといいですよ。会社の健康診断でも出てると思います。
アトピーの状態でも変動します。
以下、一般的な傾向を書きます。
白血球の基準値は、検査結果表だと3000~9000ぐらいとものすごく幅が広く設定されていると思いますが、安保先生の著書によれば、健康な状態では白血球が6000ぐらいだそうです。
そして、白血球の内訳ですが、
現存の日本人の中間ラインは顆粒球60%、リンパ球36%ぐらい。
もし、顆粒球が70%以上、リンパ球が28%以下になると、交感神経刺激症状で悩まされるようになるそうです。
(代表的症状は倦怠感、不眠、不安感、便秘、食欲不振、肩こり、腰痛など)いわゆる免疫低下の状態です。
これらを引き起こすのは、精神的ストレス、長時間労働、不規則な生活、解熱鎮痛剤の常用などでも起こります。
アトピー性皮膚炎を含むアレルギー体質の人は、基本的に副交感神経優位の体質で、リンパ球が多いのですが、ステロイド依存に陥っている人は、顆粒球が優位になるそうです。
安保先生の本にステロイドリバウンドについても触れられていましたが、
「自律神経と免疫の法則」と言う本の中で、実際にステロイド依存になって入院している患者さんの白血球数を調べた表がありました。全身性の顆粒球の炎症と激しい血流障害で交感神経緊張症状なのだそうです。下の図はステロイド依存で入院した人の白血球の推移。たしかにリンパ球は治療前と治療後2週間目は低い。
(引用元:自律神経と免疫の法則 安保徹著)
結論、大人のアトピーの場合は副交感神経優位と交感神経優位の場合が存在します。
さらに注意点があって、リンパ球の割合が優位だから=副交感神経優位だからといっても、白血球の総数が少なければ、それはそれで問題なのです。
白血球の総数は、その人の代謝力と比例しています。
活発な人は白血球の総数が多く、覇気のない無気力な人は白血球の総数が少なくなります。
自律神経系で言えば、交感神経も副交感神経も低下した状態です。
(引用元:http://hari-okyu.net/backnumber/column_130705.html)
④の状態の場合ですね。
無気力な人は白血球数が3000ぐらいにまで下がっているそうです。これは慢性的なストレスにさらされて、全身の代謝が落ちている場合にでもなります。私も白血球数が3000を切っていたことがありましたが、やっぱり朝起きづらいし、できれば一生ゴロゴロしていたい気分でした。代謝が低いので傷の治りも悪い。あれもやらなきゃーと頭をよぎるけれど、動くのが億劫でねー。でも動けないわけじゃないので、自分が怠け者なんじゃないかと自己嫌悪に陥ってましたが、これみて、ああそうなんだーと理解。
逆に白血球数が多い原因は、感染症、ストレス、喫煙などが挙げられます。
ストレスは主に1か月未満の短期間で感じるストレスに対する抵抗反応だそうです。
長期化、慢性化すると白血球総数は減っていきます。
あなたの状況が、今、どんな状況なのか、一度、血液検査の白血球数で自分の今の状況をみてみるといいですよ。
他に病気がある場合もあるだろうから一概には言えないだろうけれど、ストレスの状態も見えてくるかもしれないですね。
アトピーさんがストレスに弱い理由と悪循環サイクルの例
で、やっとメインにに入ります。
アトピーを発症する体質と言うのは、もともと副交感神経が過剰に優位の体質です。
副交感神経が優位だったら、免疫力も高くていいのでは?と思うのですが、過剰に優位だと、身の回りの物質に過剰に反応してしまう体質なのです。
ほら、他の人が何でもないものにかぶれやすいとか、アレルギーになりやすいとかね。
そして、これはアレルゲンも含めて、ストレス全般に言えることなのです。
副交感神経が過度に優位になると、ストレスに対する耐性も弱くなり、小さなことでも心と体が反応するのです。
心理面でも、些細なことにも気持ちが傷ついたり、取り越し苦労をしたり、いろいろなことが不安に思えてきたりします。
自律神経なので、頭で考えるよりも、心と体の反応が先に来るわけです。
(ここ重要)
嫌な上司に朝会うときも、頭で「これは仕事、割り切る」と理性で制御する前に、心と体で「ああ、嫌な奴・・・」と敏感に反応してしまうのです。
怒鳴り声をあげる顧客にも、「ああ、怒っているな、まずは話を聞いて相手を落ち着かせないと」と柔軟な対策を考える暇もなく、「うわぁ怒ってる」と緊張状態に陥り、心臓バクバク反応を引き起こしたりします。
これはね、一般的な性格の問題ではない。
もともと副交感神経過剰に優位な体質で理性で制する前にこうなっちゃうんです。
無意識にでもストレスを感じると、心と体は敏感に反応し、都度、交感神経優位になり、アドレナリンが放出され、血行障害・虚血状態となりっていきます。すると、皮膚組織に老廃物がたまったままになり、活性酸素が発生して皮膚の炎症がひどくなります。体全体の排泄機能(便通)も低下したり、消化酵素の分泌が悪くなったりします。
すると炎症は慢性化し、皮膚がなかなか回復しません。
こうして、ずるずる長引くストレス型大人のアトピーが完成します。
そして、ホッとした瞬間に、過剰に振れた交感神経が副交感神経に切り替わると、血管拡張し、急激に炎症だらけの皮膚に血流が戻ります。すると、猛烈なかゆみに襲われてしまいます。
これは我慢がきかないかゆみなので、どうしても皮膚を掻いてしまいます。
今度はかゆみ自体がストレスになります。
もともとストレスに敏感な体質なので、ちょっと痒くてもストレスです。掻かずにはいられない・・・。
アトピーの皮膚は皮膚表面までかゆみの神経が発達してきていることもあり、そもそもかゆみの感受性は大きくなっていることもあり、相当なストレスになります。
次第に時を選ばずかゆい、かゆいでボリボリ掻くようになります。
気を抜くと(副交感神経が優位になると)かゆみがひどくなるので、体が構えて過剰に緊張してくるようになります。呼吸も四六時中浅くなる。
もしかしたら常に無意識に、手が体を掻いて刺激を与えているのかもしれない。
仕事中はずっと交感神経優位が続きます。
ここまで来ると、とにかく掻くことがやめられないです。
家に帰り、夕方のリラックスタイムになると、日内変動で副交感神経優位になり、発作的にがーっと痒くなります。
で、我慢できずに掻いてしまうので、皮膚は破壊され続けてなかなか治らず、炎症も引かず、慢性化していきます。
夜は眠ろうとすると副交感神経優位になり体が温まり、かゆみが出ます。
かゆみがストレスになって眠れないから体を掻く。
本来眠って肌を回復させるべきなのに、明け方まで皮膚を傷つけ続け、明け方にようやく交感神経優位になって来るころに眠れる・・・。
文章書いていて嫌になってきた。(笑)
大人のストレスアトピーの重症化って、こうやって進むんじゃないかと思います。(経験談)
さて、あなたは今、どの段階でしょうか・・・。
アトピーが痒いので仕事がはかどらない
ここまで重症化してくると、仕事に集中しようとしても、かゆみが勝ってしまいますから、効率も悪いし、仕事がはかどらないです。
しょうもないミスをしたりして、また落ち込んでしまったり、イライラしたり。
ストレスが大きくなってくると、注意力が落ちてくるので、ケアレスミスが増えてくることが多いです。
頭がぼんやりしたり、考えがまとまらなくなってきたら、相当ストレスが来ています。
人によっては、仕事をしているときにはアトピーのかゆみが気にならない、という方もいます。集中して何かに没頭し、集中している間は、かゆみを忘れられる。そして集中力が途切れて少しリラックスした時に、かゆみが出てくると言うパターンです。
そういう人は、まだアトピーが軽傷で、自律神経を狂わせるレベルにまでひどくなっていない状態です。
また、仕事のストレスがその人にとって「適度」であるということ。
是非このまま治癒に向かっていただきたいところです。
アトピー抱えて働いている場合は、できれば仕事中くらいはかゆみを忘れていられるレベルにならないと、会社勤めだとまともに仕事ができなくて、自分が役に立っていないんじゃないかと気を使うこともしばしばです。
とにかく、どうにか仕事のストレスでアトピーが悪化するのを食い止めたい!仕事に集中できるようになりたーいって人は、自律神経を整えるのが正解なのです。
アトピーで仕事に集中できない!をなんとかする方法
では、どうやってこのストレスアトピーから抜け出すかです。
残念なことに、かゆみそのものにアプローチをして消し去ることはできないんですよね。
アトピーは末梢性のかゆみと中枢性のかゆみの両方が組み合わさっている疾患です。末梢性のかゆみだけなら概ね抗ヒスタミン剤が効くのだけれど、中枢性のかゆみには抗ヒスタミン剤は効かないです。副作用で日中に眠くなるのも大変だしね。薬を使うならどうしてもステロイドやプロトピックになっちゃいます。
ステロイドで炎症がおさまってくれるならいいのですが、ステロイド依存になってしまったり、すでにステロイドリバウンドをしている場合は塗っても炎症がとれないので、薬では手の打ちようがないです。
ステロイド塗っても、根本的に解決しないと、どうせまたでてくるし。
そこで、本質的にこのストレスアトピーの悪循環を断ち切る方法、私が実践したことをシェアしておきたいと思います。
ジワジワと、ストレスフルな出来事を一歩引いて見られるようになるので、仕事の心理的ストレス度が低くなります!
長い目で見ても自分の成長にもつながりますので、現在の治療と並行してやってみるといいです。
自律神経を整えてストレスに強くなり、アトピーまで治してしまう5つの方法
いきなりカウンセリングだの心理療法系に進むよりは、体をなんとかしましょう。
自分の頭で判断をするよりも、自律神経(体)が先に反応してしまうのを、自分の意思で調節するのは至難の業です。
しかし、逆に体のほうからアプローチをするほうが簡単に自律神経を整えることができます。
その方法は意外にも簡単、かつシンプルです。
単純ゆえに、軽視してやらない人が多いのですが、意識的に行えば、ちゃんと効果が出てきます。
■日常で深い呼吸を意識する
こちらの記事でも書いたのだけれど、⇒アトピーは夕方や夜がかゆい!発作的かゆみを楽にする超簡単な対処法
自律神経の支配下にあり、なおかつ人間が自分の意思でコントロールできること唯一のポイントが「呼吸」です。
呼吸には自律神経を整える効果があります。
日中ストレスを感じている時って、呼吸が浅くなっていることが多いので、背筋を伸ばして深い呼吸をすること。定期的に深呼吸するのもいいです。日中の緊張をこまめにほぐすこと。
■姿勢を正す
正しい姿勢をしておかないと、深い呼吸ができないです。姿勢が猫背の人は要注意。肺が圧迫されて空気が入らないと、いやがうえにも浅い呼吸になってしまいます。⇒アトピーが治らない原因は姿勢に!効果抜群猫背改善法
■ウォーキング
ゆっくりと深い呼吸を行いながらするウォーキングが自律神経のバランスを整える効果があります。
最近のアメリカの研究(カールスルーエ効果大学の実験)により、未来のストレスに強い脳が養われることがわかりました。
1回30~60分のウォーキングを週2回行った人と何もしない人に5か月後にテストを課してモニタを装着させて36時間の記録を行ったところ、明確にウォーキングした人のほうがストレス反応が低いという結果が出たとのこと。歩くという運動により自律神経が整い、精神的なストレスに過剰反応しなくなるそうです。
できれば毎日やれればいいけど、最低週に2回から始めれば敷居は低いよね。その時間は、ウォーキングだけの時間として確保することが大事。何も考えないで胸を張ることだけは意識して、たっぷり歩いてください。歩くと姿勢も改善しやすいし、代謝も上がるので、一番これがいい気がする。
■副交感神経過剰になる生活習慣を断ち切る
副交感神経を過剰にしてしまう、つまり過剰に体を緩めてしまう生活習慣がありますので、止めてしまいましょう。
・甘いもの
・炭酸飲料(炭酸ガスが問題)
・常に何かを食べている、また、お腹一杯になるまで食べる
・一日中ダラダラ寝て過ごす(仕事休みの日注意!)
これ、地味にハードル高いって思うアトピーの人、多いと思うけどね・・・。ま、ちょっとでも意識したらいいです。何もしないよりはできることをやったほうがいいですよ。
■爪もみ
安保先生が自律神経免疫療法としてされているのは、手足のつめの生え際を針で刺して血液を出す「井穴刺絡」です。
これはランセット(糖尿病の人が血液を指から出すときに使う針)などで爪の生え際を刺して数滴血液を絞り出す方法です。
これは専門家に指導してもらわないと難しいですね。
で、「井穴刺絡」の家庭版が「爪もみ療法」です。
手の薬指の爪の生え際の両側には自律神経を刺激するポイントがあります。そのつぼを指圧して刺激することで交感神経が活性化されます。左右どちらの手でも効果があります。
薬指は交感神経が活性化します。
薬指以外は、副交感神経が活性化されます。
なので、仕事でストレスがひどいのを和らげたい場合は親指・人差し指・中指・小指を刺激。
リラックスしすぎでかゆみに襲われたら薬指を刺激。
よくわからん場合は全部やっておけばいいです。マニアックに分けていくと手足の指それぞれに対応する臓器や症例がありますが、あくまでそれは血液を出して治療する場合ですし、深追いするよりは、全体の底上げとバランスを重視するといいのではと思います。
慣れてきたら、体を掻こうと手が動くときに、患部を掻くのではなく爪をもむ!と癖づけるといい感じです。人間の体は痛みをかゆみより優先的に感じるので、痛いくらい爪もみ刺激してあげると、かゆみも瞬間忘れられていい感じです。
おわりに・まとめ
過敏なストレス反応を和らげるには、実は体から整えたほうがスムーズなんですよね。
体が整ってくると、少し心に余裕が出ます。
余裕が出たら、具体的な対策を考えたり、間違いに気がついたり、解決策を思いついたりしやすくなるんです。人の話も冷静に聞けるようになるしね。
変なメンタル系健康食品やサプリメントに頼るより安全確実だし、根本からストレス耐性をつけるベースにもなるので、今の治療と並行して生活に取り入れてみるといいですよ。