
アトピー肌にとってお風呂問題は大問題です。お風呂には入らないほうがいいという情報もあったり、ゆっくり入れと言われたり。風呂上がりの乾燥やかゆみがひどいので入るのが嫌になったりしますが、治療の一環として風呂断ちするのはどうなんでしょうね。経験を交えてお話してみたいと思います。
もくじ
アトピーの時のお風呂の頻度はどのくらい?
まずは一般論です。
アトピーの場合は1日1回はお風呂に入った方が良い。
これは湯船につかるかどうかは別にして、シャワーでもいいので、1日1回髪や体に付着した埃や汚れを水やお湯で流したほうがいいということです。
屋内でも屋外でも埃や化学物質が舞っていて、一日すれば体に付着します。それを落とすことは必要です。ワセリンやステロイドなど保湿をすればそこに埃が付きます。これは同様に天然の皮脂にも付着します。
アトピーも症状によってかなり取るべき対策が異なるので、まずは自分の状態を良く知った上でどうするか決めるのがいいのですが、手洗いうがいと同じで、お風呂も基本的には入ったほうがいいと思います。
アトピーの風呂の回数は毎日どのくらい?2回以上もいい?
だからと言って、頻度を上げればいいかと言えばそうではないですね。
アトピーの人は一日に何度も入浴すると、皮脂を洗い流し過ぎて、肌の乾燥を招き、肌の治りを遅くしてしまうことになりかねません。
昔、全身アトピーで皮膚表面が地割れのように固くなっていた時には、お風呂に入って肌をお湯につけている間はかゆみがおさまるという時期があり、その当時朝と夜の2回シャワーを浴びて(しかもわりと長時間)いたことがありますが、余計に肌が乾燥して堅くゴワ付いて、風呂上がりのかゆみも増した経験があります。
その時の心境としては、肌が潤っているほうが楽だと言うのもありましたし、肌表面の鱗のような地割れのような肌を手で擦って剥いてしまいたい衝動に駆られていたのですが、これは本当に治癒を遅くしていただけでした。止めたほうがいいです・・・。
アトピーの風呂は時間はどのくらい?
お風呂に入る時間というのもあちこちで話題になるようですが、結論先に言うと、湯船に入るのは最長で20~30分くらいでいいです。
半身浴でじっくり温まるといいと美容雑誌や健康雑誌には載ってたりします。ネット上でもそういう情報があります。
確かに湯船にゆっくりつかると、血流改善されて良いというのは正論です。
でも、アトピーの患部は、皮膚の表面が壊れているので、水やお湯に浸かると皮膚の潤いを保っている保湿因子が流れ出てしまいます。
また、患部の乾燥がひどい方、分厚い角質で鱗や地割れのようになっているアトピーさんの場合は、湯船に大量に垢(角質)が浮いてくると思います。これをこすって落としてしまう癖のある方もいるでしょう(昔の私だ)
垢が落ちた後、その下のまだ正常になっていない皮膚がお湯にさらされて、保湿因子が流れ出てしまう。
そうすると余計に乾燥肌が進む。悪循環です。
一般的には、肌や髪が長時間水にさらされると、肌の表面にある皮脂のコーティングが流されて表皮がさらけ出されることになります。
アトピーは皮脂が少ないので、皮脂が全部流れるのも早いです。角質がふやけて落ちてしまえば余計に肌の潤いが流出します。
余り長時間、手足がふやけてシワシワになるほど湯船につかるのは、肌の潤いを奪うことになるので、お勧めできません。これはどんなに保湿効果のある入浴剤を入れても、肌の中からの保湿成分流出には太刀打ちできるものではないので、やはり入浴時間でコントロールするしかない、というのが私の出した結論です。
アトピーは風呂に入らないほうが良い?
アトピーはお風呂に入らないほうがいいと言う話があります。
いわゆる、脱風呂ですね。
お風呂に入らないことを選択する理由はいろいろあって、
・お湯で皮脂が奪われるので治癒が遅くなるから
・医師の方針で
・入浴中・風呂上がりのかゆみがストレスになるから
といった理由から、風呂断ちをされるようです。
たしかに、入浴はアトピーに対してストレスになることが多いです。
体が温まるとかゆい。
塩素の刺激
石けん・シャンプー・タオルの使用による刺激
風呂上がりの保湿をどうするか
などなど考えることがいっぱいです。
確かに皮脂を洗い流さずに済むのでメリットがあるように感じますが・・・。
アトピーだと肌のphも安定しておらず、常在菌から黄色ブドウ球菌が繁殖して感染症引き起こすこともあるので、入浴しないのはリスクもあります。
私は自分からお風呂に入らない方法を実践したことはありません。
しかし、アトピーが全身に出ているときに、ひどく風邪をこじらせ、3日ほど風呂に入れなかったことがありました。
その時、どうなったか。
腕の関節部分のアトピーに、肌のかさぶたの下に、膿がたまった箇所ができました。
爪の間に膿がたまり、指が腫れました。
この経験から、やっぱりお風呂入ったほうがいいなーと感じ、清潔一番でお風呂に入っています。
逆にアトピーではなく、皮膚が正常でしっかりした人だったら、お風呂に入らなくても問題ないんじゃないかと思います。よく引き合いに出される、ホームレスの人はお風呂に入っていないからアトピーにならない、みたいな議論がありますが、肌の状態の前提が違うものを、現役アトピー肌と同列で考えて適用しても意味ない気がするんですよね。
とびひとか、感染とか、傷が化膿するとかいろいろリスクありますから、お風呂入ったほうが無難だと個人的には思っています。
ただ、皮脂を流しすぎないよう、あまりに長時間の入浴は避け、お風呂に入る方法はいろいろ工夫をしています。
アトピーの風呂断ち方法
風呂断ち・保湿剤断ちを推奨しているお医者さんの情報は、ネット上でも探すことができます。私はあまりお勧めしていないので、ここでは具体的な名前を上げません。
ご自身で検索してみてください。「アトピー 入浴しない 医師」とか「脱風呂」とか「風呂断ち」などのキーワードでネットで調べていくと引っかかってきます。
菌感染のリスクは伴いますので、医師や専門家の力を借りて、経過を観察しながら行うのが必須でしょう。
特に、ステロイドリバウンドを起こしている時、患部面積が広い(全身症状)時、肌の表面の破壊や傷がひどい時は絶対に一人でやらないこと。
風呂断ちの基本は、とにかくお風呂に入らないだけです。
そこへ、場合によっては菌感染の対策(肌のph調整)を加えるケースがあります。
場合によってはシャワーを使用するのかや、保湿剤についても併せて考える必要がありますので、専門家の方針をしっかり聞いて行いましょう。
軽度の部分的なアトピーで、症状が「乾燥」だけであまりえぐれたような傷もないなら、ご自宅でやってみてもいいかもしれませんが、自己責任で。
それよりは、お風呂に入りながら、皮脂を流し過ぎない工夫をするほうがリスクは少ないと思います。
おわりに・まとめ
お風呂の頻度は、一日1回が適当、汚れを落とし、感染を防ぐ意味でも、風呂に入らないよりは、ちゃんと入ったほうがいいですね。お風呂の入り過ぎは逆に乾燥を招くので注意してください。