アトピーを抱えて仕事をするのは正直かなり過酷です。私は働きながらアトピーを完治させましたが、休めたらどんなに楽だっただろうかといつも思います。働きながらアトピーを治そうとしている人も多いと思いますが、大変ですよね。私なりに働きながらアトピーを治す心構えや方法についてお伝えしたいと思います。
もくじ
アトピーだと仕事にならない!仕事できない!って思う
アトピーで仕事しているって、本当につらい。アトピーを持っていない人にはなかなか理解しがたいでしょうが、年中無休で肌がかゆいというのは、とてつもなく不快です。
健康な人から見たら、かゆいのなんて我慢すればいい、甘えだ、なんて言われることがありますが、我慢できるかゆみではないのですよ。アトピーのかゆみは。
体の内部から湧いてくるかゆみは、皮膚をちぎって肌表面の奥に手を突っ込んでむしり取ってやりたいくらいのかゆみです。
そんなかゆみが24時間365日なのです。神経すり減らんばかりの毎日です。いや、すり減ってます。
アトピーで仕事中に掻きむしる。止まらない
仕事中にどうしてもアトピー患部をかきむしってしまいます。人によっては勝手に手が動いて掻いています。無意識に。
私もそうでした。
我慢しているつもりでも、手が体を探ってます。
もちろんそんな状態なので、集中力なんて削がれまくっています。アトピーも程度が軽ければ集中力が克つのですが、ひどい場合は集中しようと思ってもかゆみが圧勝します。
かゆいのに目の前の仕事に集中出来ない、この状態がさらに自分をイライラさせるんです。
イライラすると、またかゆくなってきます。
かきむしっていると、デスクの上、書類の上が皮膚の粉だらけになりますよね。人の机より汚れやすいんです。
服も粉っぽい。カバンの中にも、知らないうちにはがれた皮膚がいっぱい入っていてげんなりします。
仕事中、かゆみに耐えかねて、思い切り爪でひっかいて傷つけてしまうこともあります。
おかげでブラウスに血が付いてしまい・・・。
どうやって隠そうかと、また要らぬ神経を使ってしまうのです。
アトピー真っ最中の人の、あるあるですよね・・・。
仕事のストレスがアトピーを悪化させ続ける
仕事をしているときは、緊張していることが多いでしょ。
失敗しないように、とか。
あと1時間で終わらせなきゃと締め切りに追われてたりとか。
電話が鳴りまくって、対応に追われるとか。
上司が怒りまくるとか
周りのスタッフと人間関係が良くなくて気が張っているとか。
そうすると、メンタル面で緊張が多いと交感神経優位になってしまいます。
そこへアトピーの痒み、痛みなどの症状によるストレスも常にあることで、余計に交感神経が過剰に働きすぎてしまうんです。
この時、神経伝達物質であるアドレナリンが交感神経から放出され、血管を収縮させる働きをします。抹消の血管が縮まってしまい、皮膚の回復が遅くなります。
それを抑えるには、低下している副交感神経を、リラックスして活発に働かせ、交感神経とのバランスをとる必要があるのですが・・・。
これがリラックスすると、一気に末梢に血流が流れ、血行が良くなるとかゆみ物質が過剰に分泌され、余計に激しいかゆみに襲われます。反動で副交感神経優位に振れ過ぎるのです。そこでかきむしるので、また皮膚の治りが悪くなります。
ホッとしたらまたかゆくなり、かゆみがまた交感神経を過剰に働かせ、またリラックスする時間がなくなり・・・と悪循環。
仕事による過剰緊張は、自律神経バランスを崩し、明らかにアトピーを悪化させるスパイラルへと導いていくんですね・・・。
制約が多いサラリーマンのアトピー治療
そして、会社員の生活には制約が多いです。そのため、アトピーの治療法のルールが守れないケースが出てきます。
まず、時間。
どんなにかゆみで眠りが浅くても、寝つきが悪く明け方にならないと寝れなくても、出勤時間は決まってることが多い。
これは朝起きる時間が守れる場合においては規則正しい生活習慣につながるので良い面もあります。
ただ、せっかく寝れたら気が済むまで寝ていたい・・・時もあるでしょう。慢性的な寝不足は当然皮膚の回復を遅くします。
残業がひどければ、帰宅も遅くなり、夕食も遅くなりがち。仕事に加えて家事もしないといけないし・・・。10時には寝ましょう!なんてアトピー健康情報があっても実践が難しいこともあります。
実践のしにくさで言えば、食事。
昼食は会社の上司と食べないといけないとか、営業に出ているからどうしても外食になるとか。
同僚のお土産やら上司の差し入れでスイーツが回ってきたり(しかもその場で食べないといけないような生菓子)、営業先でコーヒーばっかりいただくことになったり。
私も、夏の暑い日、取引先の事務員さんが気を利かせて、冷たい氷入りのカルピスをごちそうしてくださって、その時の雰囲気でご厚意を断り切れないことがありました。ちょうど甘いもの制限をしているときで、しかも冷たいものも飲まないよう気をつけ始めて2日めのことで・・・。(苦笑)
昼食はお弁当をもっていける余裕があればいいですが、かゆい眠いでお弁当を作る余裕がないとか、ありがちです。それでコンビニのお弁当やパンに頼るとか。
体がだるくて、夕食を自炊する気力もなく、どうしても会社帰りに外食して、ついでに一杯飲んでしまうとかも、ありがちです。
付き合いで断りにくい飲み会があったりもします。
(といいつつ、飲むのが好きな人もいます 笑)
世の中に出ているナチュラル志向の健康法や治療法が、会社勤めの生活と並行してやりにくいんですよね。
アトピーで仕事を休むことはできる?休む方法は?
アトピーの程度によりますが、特に全身症状で辛いとか、脱ステを希望しているとか、夜も眠れず精神的にもボロボロだとか言う場合は、脱ステロイドや全身重症アトピーであれば、仕事は休まざるを得ないです。重傷だったら、間違いなく仕事にも支障が出ますし、なにより自分が辛いはずです。
アトピーがひどかったら、仕事は休まなくてはいけないんです。体がそんなに悲鳴を上げているのですから、体調が一番です。無理するとどんどんこじれてしまうことも考えられます。
会社を休めばお給料がなくなってしまうことを心配されている方もいるのではないでしょうか。
経済的な面を考えるのであれば、傷病休暇を使わせてもらうのが一番良いです。
病院で、診断書を書いてもらいます。
そして、直属の上司に相談をしましょう。
会社によってはアトピーへの理解がなく、皮膚炎ごときで仕事を休むな、という雰囲気がある場合もあるかもしれません。気が狂わんばかりの辛さをわかってもらえないことってありますからね。
でも、それに折れてしまうのではなく、
・具体的にどれほど仕事に支障があるのか
・今の仕事に対してどれだけ意欲を持っているか
・医師の診断により、休みが適切であること
を伝えるようにします。
アトピーのかゆみによる睡眠不足は、特に併せて申し出ておきたいところです。
不眠は精神疾患につながることが分かっているので、会社としても慎重になる傾向がありますので、休みを取る理解も得られやすいと言えます。
理解が得られる、得られないはともかく、とれる休みはいただくのが一番です。
重症であれば、お休みをいただいて、しっかり休養を取れるよう行動することをお勧めしたいです。
休んでアトピーが回復したら、物事をしっかり考える余裕も出てきます。
それでもダメなら退職や転職を考えればいいですが、それは後のことです。まずは今の治療に注力しましょう。
働きながらアトピーを治すには
働きながらアトピーを治す方法を選ぶのであれば、心構えが必要です。
当然、休んで一日中家にいる人よりは、状況は不利です。
アメリカでの栄養学の権威、サプリメント治療の第一人者である、ジョナサン・ライト氏は、ステロイドなしでアトピーをほぼ100%近く治せるという医師です。
ジョナサン・ライト氏は、アトピーを治すのにかかる期間は約3か月と言っています。
しかし、著書を読んでみればわかるのですが、3か月でアトピーを完治させている人は、最初からステロイドを使っていません。ステロイド皮膚炎を併発している場合は、3か月で治癒しない可能性はあります。
また、3か月で完治する場合とは、あくまで「治療に専念している」場合なんです。
アトピーを治すためだけの生活を送っているんです。毎日医師の指示通りに10時には寝て、毎食無農薬の野菜中心の理想的な食事を摂って、サプリメントを飲み、デトックスに励み、毎日リラックスして生活して、3か月で治しているのです。
会社で働きながら、常にストレスにさらされている場合は状況が異なります。
もし、仕事が合わないとか、人間関係とか、職場環境が化学物質に汚染されているとか、常にストレスにさらされる環境で治療をするのであれば、もっと時間がかかるんです。
大抵のネットの体験談を見ても同じ傾向が見て取れます。
短期間でアトピーが治りました!と豪語する人も、その短期間の前にものすごい長い期間アトピーに悩まされていたりします。
アトピーを3か月で克服したマクロビの先生なんかは、毎日おうちで大好きなお料理に専念して治しているわけです。クレーム客や、鳴りやまない電話や、そりの合わない上司や、ミスできない書類と闘いながら治しているのではありませんよね・・・。
諦めつつ、諦めない、つまり
だからと言って、アトピーが完治しないわけではありません。別に人を絶望させようとして話しているわけではないんです。
働きながら、アトピーを治すのは、時間がかかることがある、と心づもりをしておくということです。
どんなに健康食品会社が3か月で治るようなことを言っても、広告がそうきれい事を言っていても、働きながら制約のある生活のなかでの治療は、それなりに時間を要することがあると知っておくことです。
3か月で治ると思ったものが、治らなくて期待が外れた時、病気を治そうとする気持ちが折れてしまうことがあります。
誰だって早くアトピーから脱出したい。こんなかゆみ、肌ごと脱ぎ棄ててしまいたいと思っています。
○か月プログラム的なものは、その期間が過ぎて結果が出なかったら、心の底で絶望することが往々にしてあります。
働きながらのアトピー完治は、人によって、かかる時間が異なります。
でも、治らないわけではありません。治ります。もちろん短期で治ることだってあります。
出来る限りの努力と工夫で、良い方向へ確実に向かっていきます。
(私は治りました)
この際、罪悪感は捨てる
・職場で周囲に仕事のパフォーマンスで迷惑をかけている
・自分のアトピーの症状で人に不快感を与えている
と感じて、過剰に周囲に対して申し訳ない思いを抱き、苦しんでいる方がいます。
その気持ちは私もありました。でも、私より強く感じている人もいるかも。
周りはバリバリ仕事している人がいて、
でも、自分はかゆい・痛い・ねむい・だるいで思うように動けなくて、
頑張りたいのに、自分が怠けているんじゃないかと思ったり、
周囲に迷惑掛けているって自分を責めていることがあるかもしれません。
ツライと思います。
でもね、仕方ないんです。
だって、アトピーは心身を蝕みます。
気力も体力も奪われます。
そんなツライもの抱えて、ハンデ背負って、働いているんです。
人より動けなくても、ダメなことがあっても、仕方ない。
人と比べてダメな自分でも受け入れましょう。しょうがないって。
アトピーが治ってきたら、前向きに物事も考えられるようになるし、今の何倍もすっきりした状態で仕事もできます。
今は、周囲に助けを求めて、フォローしてもらったら「ありがとうございます」としっかり感謝して、
自分の心身を立て直すことに注力していきましょう。
まずは自分を第一に。
元気になったら暁には、周りに恩返しをすればいいんです。
無理のない治療法と出来る限りの精神
働きながらだと、いわゆるアトピーの体質改善方法が、会社員生活にそぐわないことはたくさん起こります。
そこで、
・完璧を求めない
・出来るだけのことをする
という姿勢はとても大切です。本当に。
例えばアトピー改善のために食生活の改善に取り組もうとしたとしても、
忙しくていつも外食ばかりになってしまったとしても、
「あー、だめだ」
と思って何もしないのではなく、部分的に取り入れられることを見つけて実践を重ねてくことです。
ひとまずコンビニとファーストフードは週に1回までにして、定食屋さんで煮魚定食を食べるようにするとか。
そのレベルでもできることを続ける。
完全にやめられないものも、頻度を減らすとか。
せめて良く噛んで食べるとか。
食生活は変えられなくても、寝る時間は変えるとか。
寝る時間は遅くても、ストレッチや呼吸で体の自律神経を整えて、眠りを深くする努力するとか。
お酒飲むの止めて、そのお金で本当に質の高いサプリや酵素を飲むとか。
なにか出来ることから積み上げていくようにしましょう。
どうしても理想通り出来ないなら、その代わりの方法を探すことは必要になります。
そういうことはお医者さんは面倒を見てくれません。
日常生活、生活習慣と治療をマッチングさせるのは、自分しかいないんです。
そのためには、アトピーという病気について良く理解を深めることも大切です。
全体像を把握して、何が治癒を妨げているのか、分析することも必要になります。
出来る方法を見つけ、出来ることを、出来るだけ、無理のない範囲で
そういう精神で、続けていきましょう。
おわりに・まとめ
私も何度も心が折れました。でも仕事を止めることはできませんでした。それは働けなくなる自分を許せなかったという気持ちもあるし、仕事やめても養ってくれる人はいないし、という自分の負けず嫌い精神と環境によるものでした。
本当は休みたかったし、休んでいればもっと早く治ったであろうことは確実でした。
でも、働きながらでも工夫と気長な努力を続けていれば、アトピーは治らない病気ではないと思います。
このサイトでも、私が働きながら、アトピー完治に向けてやってきた工夫や失敗談も含めてお伝えしていければと思っています。