
アトピーを治すため、完治のため!と冷え取り健康法を実践されている方も多いと思いますが、めんげんと称してアトピーが悪化してつらい思いをされている人も多いようです。どうしたらいいのか迷っている人へのお話。ちなみに私は冷えとりやりましたが、結局冷えとり健康法なしでアトピー治っていますのでその辺りも含めて、こういう意見もあるんだなーぐらいの感じで見てもらえたらと思います。
もくじ
冷え取り健康法でアトピーを治す
冷えとり健康法、やってますか?
私も一時期やってみたことがあります。
きっかけは、親戚のお姉さんが子宮筋腫と卵巣嚢腫で悩んでいて、一生懸命、足湯や半身浴や靴下重ね履きをされていたんです。専業主婦のお姉さんはすごい熱心に実践されていました。
私も足の冷えは常々感じていたこともあり、ちょっと真似してやってみようと思って、まず本を買って読みました。
これが一番最近の本ですね。
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そしてこれ。実践者ならわかる、この重ね履き靴下。「正活絹」の靴下も買って持ってます。
ゆるゆるの靴下。基本4枚重ね。ふんわりと空気を含むので、柔らかく温かい履き心地です。冬に履くとふかふかで幸せを感じます。
難点は、外出時の靴のサイズ・・・。靴下がかさ張るので通常の靴のサイズでは入りません。
無論、パンプスなんて絶対無理。
そのため、ドレスコードでスニーカーもNGな会社勤めの私は、日中靴下生活はできませんでした。
そうこうしているうちに、この靴下も履かなくなってしまいました。
でも、冷え取り健康法の創始者の進藤先生は、靴下重ね履きよりも半身浴での冷え取りが大事とおっしゃっているし、あまり気にしませんでした。
とまぁ、中途半端なレベルの実践だったので、アトピーが悪くなることもなく、良くなることもなかったですし、自然消滅的にやめてしまいました。
靴下はまだ持っているので、冬に思い出したように履いてみることはあります。
あ、靴下に穴は開きましたね。
シルクの靴下の親指とかかとにぽっかりと穴ができました。
一度買い替えたけど、同じ場所に穴が開くので、一度白の絹糸でかがり縫いをして補強してみました。そしたら破れなくなりました。シルクの靴下って薄いんですよね、生地が。
そもそも冷え取り健康法とは
ではまずは、冷え取り健康法の正しい方法のおさらいから始めてみたいと思います。
冷え取り健康法の書籍をちゃんと読んだことがある人はスルーして結構ですが、もし、靴下重ね履きと半身浴でひたすら体を温める方法だと思っているレベルなら、一度本を読んでから実践されたほうがいいと思います。
冷え取り健康法とは、元耳鼻科の医師の進藤義晴先生が提唱している健康法です。
「冷え」こそがすべての病気の原因であると考えるのが基本です。
「冷え」の定義は、下半身と上半身の温度の差。
上半身の体温はだいたい36℃。下半身は31℃と言われ、この差が「冷え」となります。
健康な状態というのは、「頭寒足熱」で、そこを目指します。
下半身を積極的に温める方法をとるわけですね。半身浴が推奨されています。
そこからさらに、
衣・食・住・息・動・想(心)の生活・環境すべてにわたって冷えを取る、という考え方をします。
【衣類】
足首から先は年中真冬並みに包んでおく。(靴下重ね履き)
「頭寒足熱」にする
「天然素材」の風通しの良い衣類を着て、「服と体はつかず離れず」にしておく。
体の周りにいつも風が吹いて、肌から出る病毒を抜けるようにする
【食事】
「腹八分」を基本とする。体を温める食品を食べても、食べすぎたら冷えに変わるため。
よく噛んで食べる。
【住環境】
冷暖房は極力弱めにすること。室温も「頭寒足熱」。天然の風が一番いいのですが、風通しを良くしておく。
半身浴で下半身を温める。手は上半身なので湯につけない。
寝るときは足元に湯たんぽを入れる。(夏でも入れる)
【 息 】
人は呼吸で炭酸ガスなどの毒をはきだし、酸素を吸いこむ。
これを繰り返し、肺の内部の換気をし、冷やす毒を出して、温める酸素を取りいれている。息が浅いと、冷えがたまって、心が落ち着かなくなる。
腹式呼吸で深い息をする。
【想 (心)の状態】
ストレスを感じると頭に血が上ります。考えすぎると頭に熱が行って足が冷えてしまいます。心はストレスなく穏やかにしておくことが冷え取りでも大切にされています。また、心の冷えは身体の冷えの4900倍も強いとされている。
と、冷え取り健康法は、生活全体を見直して、「冷え」=「万病のもと」として冷えを排除する方法ですね。また、できるだけ「毒」の排泄を促し、ためないようにする生活方法になっております。
冷え取りの靴下重ね履き
冷え取り健康法といえば、靴下重ね履き。
冷え取り健康法にはたくさんの側面がありますが、この靴下重ね履きは一番楽にできるからなのか、タレントのベッキーさんが実践しているということもあってか、流行りを見せています。ファッション的な面からも支持されているのかなと。
靴下の重ね履きだけを日常に取り入れている人も多いかも知れないですね。
常に靴下を履くことで、頭寒足熱の状態を作り出すわけです。
内側から、絹五本指 → 綿五本指 → 絹先丸 → 綿先丸 ・・・
と最低4枚重ね履きし、その先は先丸のソックスを、絹、綿、絹・・・と重ねて何枚も履く方法ですね。
綿ソックスはウールでもいいですが、重ねれば重ねるほど、冷え取り効果が高まるとされています。
そして・・・、靴下に穴が開く場所によって、体の悪いところがわかる!というのが冷え取りの面白いところですね。
足の部分が臓器に対応しているって、リフレクソロジーや足つぼにもつながるところがあります。
靴下に穴が開くと、毒が出ている!といって喜ぶことになっている?んです。
シルク靴下が毒を出してくれるって本当?
この絹が毒を出してくれるというのが、本当なのか?というのが気になったので、私なりにいろいろ調べたことがあります。
別にシルクが毒を吸い出すとか、とんでも科学でもなく、シルクの性質である程度説明がつきます。
もともと絹の成分組成は人間の肌の成分にとてもよく似ています。化粧品の成分に使われたり、細胞の再生を促すため、皮膚の再生医療への応用なども期待されています。
顕微鏡で絹の断面を見てみると、三角おにぎりを2つ重ねたような構造で角を持っています。そして小さな穴も空いています。
小さな穴に空気を含むので、さらりフワッと軽い手触りになります。
そして絹の三角形の角が、皮膚に触れた時にひっかかり衣擦れします。
この衣擦れで皮膚表面の角質がわずかにめくれます。この衣擦れを繰り返すことで、あたかも目の細かいやすりで肌を磨くかのごとく、肌の表面がつるつるになります。
その際に、肌表面から皮脂や汗や垢が出て、絹に付着します。
皮脂や汗のなかには化学物質や重金属も排泄されていますから、一緒に出ていくことになりますね。絹の小さな穴(多孔質の繊維)は、油脂や不純物を吸着する働きがあるので、効果的に汚れを吸着します。これがシルクの毒だしのメカニズムといえそうです。
だから、ゆるゆるで、肌と衣擦れを起こすぐらいの余裕をもった靴下がいい、というかマストです。
シルクの下着やパジャマも同様です。風通しの良い、ゆったりしたサイズでの着用が毒出しに最適なのです。
そして、シルクの靴下の穴あき。
多くのかたが、一枚目のシルクの5本指か、三枚目のシルクの先丸ソックスに穴ができます。2枚目の綿を飛び越して3枚目やら5枚目やら、シルクを狙ったように穴が開くので、シルクの毒だしすごい!となります。
このメカニズムは、どうやらシルクが蚕の繭からできている、タンパク質繊維であることにありそうです。
タンパク質は、熱や酸やアルカリによって溶けてしまう性質があります。
足裏には汗腺がたくさんあり、汗汚れは酸性の汚れなので、シルクと酸の化学反応で穴が開きやすくなります。
冷えとり靴下の穴は、溶けたように穴が開くので、あたかも毒に溶かされた!という表現をされるかたが多いのですが、シルク繊維が酸性汚れで分解が進むと考えられます。
合わせて、シルクはもともと摩擦に弱く破れやすい生地ですし、シルクの靴下自体、それほど目の詰まった生地ではありません。正活絹などわざと空気を含ませ、摩擦が起きやすい目の粗い生地ですから、尚更穴が開きやすいんです。
皮脂汚れの酸プラス、摩擦の起きやすい箇所が穴が開きやすいと言えます。
お風呂上がりに靴下を重ね履きして、保温状態がよければ、足からの汗も多くでるし、歩き回ればその人の歩き方の癖により摩擦の大きい箇所が出てきます。
そこに穴が開く。
穴の場所と臓器(からだの悪い所)の関係性は東洋医学とかリフレクソロジーとかで説明できそうですが、私は正直よくわかりません。
ただ、体は繋がっていろんな所に影響を出しています。
例えば、靴下のかかとに穴が開くのは、子宮と泌尿器のめんげんだそうですが、それを聞いて思い出したのはシューフィッターさんから聞いた話。
かかとに重心がかかりやすい人は、靴下のかかと部分に穴が開きやすいそうです。
そして、かかと重心だと、姿勢が崩れてお尻が垂れ、猫背にもなり、骨盤が開くそうです。
骨盤の歪みは胃下垂の原因となり、胃下垂は子宮を圧迫するので子宮後屈症状となり、それが原因で婦人科系統の不調に繋がるのだとか。
こうして考えると靴下のかかとの穴と子宮の状態が悪いというのも繋がって来る気がします。
とまぁ、これは私の知ってる知識を勝手に繋げてみただけなので、なんの根拠もないですが(笑)
冷え取り靴下の穴も、いろんな角度からメカニズムが解明できたら面白いと勝手に思っています。詳しい人がいたら教えてください。
冷え取りのめんげんとアトピー
さて、次は「めんげん」です。
病気が治る過程で一時的に悪い症状が出てくることを、「好転反応」「めんげん」と言います。
冷えとり健康法では、冷えとりを始めた後に出てきた症状は、怪我も含めて、全て「めんげん」と言います。
または、「毒だし」といって、薬で抑えこまずに出しきると病気が治るといいます。症状が出てきても動じない、出るに任せるというスタンスをとります。
瞑眩は、出るだけ出ると、ピタッと止まるともいわれています。
湿疹や膿が出るなど、皮膚から排毒症状が出たり、鼻水や目やに、頭痛、イライラなどの感情など、様々な症状が出てきます。
面白いのは、症状が出る部位によって、何の毒が出ているかがわかるということ。
例えば足首に湿疹が出たら消化器のめんげんで、食べすぎとか。
これは冷えとり的に言えば、内蔵が引き受けて大病になるような「毒」を、不快な症状で出しているため、良いことだととらえます。
毒を小出しにしてる感覚とでもいいましょうか。ちょこちょこいろんな症状を出して、からだの中に毒をためないのが良しという話。
でてくるめんげんで体の悪い部分がわかるので、それをもとに生活を見直し、毒をためないようにするんですね。
で、このめんげんの信憑性はさておき、めんげん症状があまりにも辛すぎてビックリする人も多いようです。
このサイトはアトピーについて語っていますので言いますと、アトピーを治そう、良くしようと思って冷え取りを始めたものの、逆に皮膚にめんげんが出たのか、アトピーがひどくなってしまう場合です。
めんげんは出しきった方が良いというので、薬も使わず、ひどいかゆみで毎日辛くなってしまいます。
そうしたら冷えとりではどうするかというと、「できるかぎり半身浴」「可能な限り靴下重ね履き」なのです。
寝るときには、夏でも足元に湯タンポをいれて、徹底的に頭寒足熱をするのだそうな。
「毒」を出しきるまで・・・。下半身の温めで対応します。
心の毒とめんげん
心の冷え=ストレスも「めんげん」
そして、心の冷え=ストレスがあると、病気が治らない。
しかも心の毒は体の4900倍と、すさまじい破壊力をお持ちのようです。
東洋医学の五行論と同じなのかな?。感情と臓器が対応しています。
例えば肝臓が悪いと怒ったり卑屈になったりします。腎臓が悪いと恐怖におびえたり、臆病になったりストレスに弱くなったりします。
逆に、心にストレスを抱えていると、毒を生成しているわけで、一向にめんげんも病気も治らないという状態に陥ります。
例えば、アトピーを治そうとして冷え取りを始めた結果、アトピーが悪化しても、そこで「治るのか?どうなのか?」と心配したり、かゆみでイライラしていると、悪循環が起きます。
ここで、「アトピーもそのうち治るわ!出るに任せておこう」と思えたらいいのですが、そもそもが皮膚のアトピーを消そうという動機で始めた冷え取りで悪化しているので、気持ちがついていかない場合も出てくることがありそうです。
これは正直つらいと思います。皮膚病を治そうとして皮膚から毒を出して悪化する、この矛盾。
私が思うに、かなりの根性と精神力と心の平静がなければ、対処できないのではないかと思います。
皮膚以外の場所にめんげんが出ることもあると思いますが、いろいろと冷え取りブログを閲覧していると、皮膚に出している人が多い気がするのは私だけでしょうか?
冷え取りでアトピーは完治できるの?
もう一度、冷え取りのルールを思い出してみます。
・天然素材の服で風通しを良くする、服で締め付けない。
・頭寒足熱 靴下重ね履きと半身浴
・腹八分目の食事
・深い呼吸
・ストレスを溜めない
こうした冷え取り健康法の手法は、アトピーの生活にもよいものばかりです。
食生活の乱れで血液がドロドロになり、運動不足で手足が冷えて、冷えのぼせを感じているアトピーの人は多いです。
ストレスがアトピーを悪化因子となるのも明らかです。深い呼吸で自律神経を整えるのはアトピー改善にも有効です。体を温めて、食事を軽くするのはアトピー改善のために明らかに有効です。
しかし、冷え取りの手法でめんげんが乗り切れる人はできるけど、めんげんがきつ過ぎると、心が折れてしまうのではないでしょうか。
肌をきれいにしたいのに、症状がきつくなり、かゆみで気が狂いそうになる。
脱ステロイド治療のキツさと同じようなものがあります。
しかも、これをやらなければ不健康になる!と強迫観念にかられて健康法をして、めんげんでアトピーが悪化しストレスになるなら、どこまで行っても治らないことになりかねません。
そんなところで治療に苦労するなら、やめてしまってもいいのではないかと思います。
楽しんで取り組める程度ならいいですが、度を越してつらいなら考え物です。
ちなみに創始者の進藤先生だって、あまりにつらいなら冷え取り健康法にこだわる必要はないとおっしゃっているそうな。
ゴールがアトピーを治すことなら、冷え取り健康法はただの手段です。
単に手足が冷えるのを改善したいのであれば、靴下を何枚も履くより、運動して下半身を動かし、筋肉をつけ、姿勢を良くしてあげるほうが、よっぽど早く確実に冷えは取れます。自分の筋肉を動かさないと、熱を発生させることはできないですからね。
アトピーのかゆみのつらさがあったり、睡眠不足になっていたりで、動く気分じゃない人もいるかもしれないですが、そんなにガツガツしなくても、家の中でも運動はできます。おすすめは、ふくらはぎを動かす運動。立ってつま先立ちを繰り返す運動は効果的。
しんどい時は、そういう小さなことから始めるといいんじゃないかなと思います。
何時間も半身浴で家のなかに籠るよりは、しっかりウォーキングをするほうが、呼吸も深く、下半身も温まり、体の毒が出やすくなると私は実感しております。
冷え取り健康法では、3時間も5時間も半身浴し、お湯の中で患部を掻いたりシルクの布で擦って毒を出す方法を推奨していますが、お風呂も長湯しすぎると、肌の保湿因子がお湯に出て行ってしまい、乾燥と炎症を長引かせることにもなりかねないです。その傷が治るにもまた時間がかかります。
もし、めんげんがつらいなら、一度冷え取り健康法をお休みし、きっちりアトピーの悪化因子を突き止め、運動と食生活の改善、ストレス発散をして、適切な薬やスキンケア製品の力を借りてあげるほうが早く治るのではないでしょうか。
アトピーという肌疾患を治すために、肌から老廃物を出す健康法をわざわざする必要はないのでは?と思います。
内臓の状態を良くしてあげて、肌から老廃物を捨てずに、かつ内臓にも毒をためない生活を目指すのがいいと私は思っております。
具体的には、腸内環境をよくすることで、デトックスの効率は格段に上がります。
老廃物の75%は便から出ます。その次は尿から20%。汗や爪や髪の毛からのデトックスは少量です。(大切ですけれどね)
靴下履いて、爪がはがれて喜んでいるよりは、便通をよくするほうがよっぽど楽だと思います。これだったら別に症状を抑えつけているわけでも何でもないでしょう。毒の出口を肌から大腸というルートに戻してあげるだけです。
アトピーが落ち着いてから、それでもやりたければ、冷え取りに戻ってみてはいかがでしょう?
きっと、めんげんも楽になり、冷え取りも楽しめるんじゃないかと思いますがどうでしょうかね~。
おわりに・まとめ
冷え取り健康法でアトピーがきれいになる人もいるようです。
でもめんげんがつらいなら無理に続けなくても、別の方法でアトピー完治することは可能です。私は冷え取りやっていませんがアトピー治りました。
続けるかどうかは個人の考え方によるのかもしれませんが、
「健康法をやっていて調子が悪くなったら全てめんげんだから毒出しできてありがたく思う」という行為が、心の底からできなくなったら、長引く可能性があるので、無理はしないほうがいいと私は思います。
本気でアトピーを治す以外に、冷え取りでめんげんが出る場所から、心の動きや身体の変化を自分で感じとれるようになり、自分自身のことがよくわかるメリットはあるし、靴下をファッションとして楽しむのもありだとは思います。
後は、生き方の哲学かな。
ナチュラル志向や、西洋医学的な考え方を好まない人で、冷え取りを生活の中心に据えることができるならいいのかもしれません。
納得して楽しんでできるなら、一番でしょうね。