
資生堂から発売されているIHADA(イハダ)。顔湿疹用のお薬ですが、アトピーに使えるか、目やまぶたのアトピー、顔のアトピーに使っていいのか、薬局で薬剤師さんに聴いたお話を元に調べたことを、シェアします。クリームやローションなど3タイプ出ています。有効成分のウフェナマートについても触れてみます。
もくじ
資生堂ihada(イハダ)について
資生堂のIHADAは、顔湿疹用の治療薬で、ドラッグストアで購入できます。一時期サンプル配布やテレビCMもやってたので、認知度はある程度あるのかなぁと思います。
湿疹の治療薬として販売されているのは3種類。
(以下の内容は資生堂の公式サイトから引用しました)
http://medical.shiseido.co.jp/ihada/index.html
イハダ プリスクリードi 6g
参考価格(900円) 第2類医薬品
[成分 分量](1g中)
ウフェナマート 50mg (炎症を鎮める)
ジフェンヒドラミン 10mg (かゆみ抑制)
グリチルレチン酸 3mg (炎症を鎮める)
目元のかゆみに特化したクリームタイプの製品。
イハダ プリスクリードD 14ml
参考価格(1800円) 第2類医薬品
[成分 分量](1g中)
ウフェナマート 50mg (炎症を鎮める)
トコフェロール酢酸エステル 5mg (血行促進)
エッセンスタイプの治療薬。目元口元にも使用しやすい。
顔全体で2プッシュ使用。
イハダ プリスクリードAA 30g
参考価格(4500円) 第2類医薬品
[成分 分量](1g中)
ウフェナマート 50mg (炎症を鎮める)
ビタミンA油 2mg (皮膚代謝促進)
トコフェロール酢酸エステル 5mg (炎症を鎮める)
クリームタイプの治療薬
ガサガサ皮膚が剥けている場合に適してます。代謝促進・保湿成分のビタミンA油が入ってます。
(価格はオープン価格)
他にもシリーズで、ローションや花粉ブロックミストなども販売されています。
炎症の成分としてキーになるのが、「ウフェナマート」です。
医療現場で使用されてきた成分を、一般向けに販売しています。
ウフェナマートって効果があるの?副作用は?
ここからの内容は参考文献「医者からもらった薬がわかる本 第29版」(法研)
あと、薬剤師さんから聞いたお話からまとめます。
ウフェナマートは、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)です。
皮膚の赤み、腫れ、痛み、かゆみを緩和する対処療法の薬です。
ウフェナマートは副作用が少なく、子供にも比較的安心して使用できる成分とされています。
炎症の原因となるプロスタグランジンの産生を抑える作用については必ずしも明らかにされてないそうで、炎症を生じた組織に働いて、細胞膜を強くして安定化させ、活性酸素の生成抑制などの作用が出て、炎症を鎮める効果につながっているのだとか。
主な副作用は、刺激感(ヒリヒリ感)、熱感、乾燥感が現れることです。
注意すべき情報として、以前、別の非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)で「ブフェキサマク」という成分が、塗り続けると接触性皮膚炎の副作用が出るということで販売中止になっています。
ウフェナマートはブフェキサマクと同じカテゴリの薬なので、やはり長期間だらだら使用し続けると、接触性皮膚炎や光線過敏症を引き起こす可能性は覚えておいたほうがよさそうです。
ウフェナマートはなぜまぶたや目の周りや顔に使える?
ウフェナマートはステロイドと比べて、毛細血管収縮や皮膚が薄くなるような副作用が少ないためです。
皮膚や薄いまぶたや顔、首にも使用しやすいと言えます。
ウフェナマートは資生堂から出てるけど薬でしょ?
化粧品メーカーの資生堂から出ていますが、れっきとしたお薬です。
この成分は、資生堂のihada以外の製品でも使用されています。特有のものでもなく、目新しいものでもないです。
イハダに含まれる有効成分の量が多いわけでもありません。
ウフェナマートは
・コンベック(田辺三菱)
・フエナゾール(アボット)
・ロバックU(ロバックU)
という名別の製薬会社から出ている薬にも配合されています。
資生堂の場合は、パッケージでも顔湿疹専用となっていて、わかりやすい。資生堂だけあってコスメ寄りのパッケージデザインで、気軽に手にしやすい印象になっています。
しかし、この戦略が、医療関係者から
「医薬品をまるで化粧品のように販売している!」
と批判されているようです。
確かに、以前は@コスメでも美容液カテゴリで紹介されていたことがありました・・・。薬なのに。
他にも、
「一時的な対処の薬をこんな大容量で売るなんて!長期連用になって医者に行く機会を奪うのでは?」
「薬としては高額なんじゃないの?」
という意見もあるようです。
ウフェナマート入りのihadaはアトピーに使っても良い?
資生堂の販売戦略はさておき、問題は我々の顔やまぶたのアトピー改善にどのくらい貢献してくれるかです。
私も一度だけ、エッセンスタイプのイハダプリスクリードDを買ってみたことがあります。
モノは試しということで。
ウフェナマートはアトピーに対しても処方されるお薬です。
でも、アトピーに大して医師が処方することはあまりないみたいですね。
皮膚科だと顔にはプロトピック出す先生が多いです。なにせ抗炎症効果のレベルが違います。
当たり前ですが、ステロイド外用剤(副腎皮質ホルモン)と比べても、ウフェナマートは炎症や赤みを抑える作用は弱いです。
なので、イハダを塗ったらいきなり肌がツルンとなるわけじゃありませんね。
医者に行くのが面倒だし、どうせステロイドは顔に塗るのはダメだし、ちょっと買ってアトピーが治まればラッキーぐらいの感覚を持っていないでしょうか。
ステロイド使いたくないから、市販薬で乗り切れないかなぁ・・・、という考えになっている人もいるかもしれません。
(私はそういう考えで買いましたよ 笑)
成分自体は、アトピー性皮膚炎にも処方されるものですから、適用範囲に入ります。
しかし、基本的にドラッグストアで購入できる薬というのは、
「原因がはっきりしている皮膚炎で対処の薬が決まっている」ことを想定しています。
短期間の使用しか想定しておりません。
長期使用や慢性症状の治療は想定していないのです。
イハダの有効成分が想定しているのは、
例えば
特定の化粧品や花粉などの刺激物にかぶれたのがわかっていて、かゆみや炎症を緩和したい場合や、一時的なストレスで肌が敏感になって荒れてしまった場合です。
いずれも原因の刺激が明確な場合で、刺激を避ければ問題が解決するようなケースです。
アトピーであれば、キレイな肌に一時的に症状がぶり返してしまい、しかもその症状が軽い赤み程度であれば、使用できると思います。ひどい炎症、浸出液がでる状況を改善できるほどのパワーはないです。
慢性的なアトピー症状には、期待はできないですね。
資生堂ihaedaについての薬剤師さんの対応【経験談】
IHADAの製品情報をきちんと見てみると、1週間ぐらい使って効果がなかった場合や、症状の悪化が見られる場合には、すぐに使用を中止し医師などに相談するようにと記載されています。
実際に、近くのドラッグストアで購入使用とすると、薬剤師さんに
「これは一週間も二週間もずっと使うものじゃないんですけど、大丈夫ですか?」
「塗った上からお化粧もできます。でも下地として使わないでください」
「3~4日使ってダメだったらお医者さんへいってくださいね」
と言われました。
使用目的を聞かれて、アトピー体質であることも申し添えると、
「アトピーだったらお医者さんに行った方が良い薬がありますよ。非ステロイド系でももっと良い炎症を押さえる薬がこの成分より後に出てますし。これは本当に軽いかぶれや肌荒れ用のお薬ですけど」
と言われました。
そこで、いや、一時的にアイシャドウにかぶれたので、ちょっと塗っておきたくて、と言ったところで、私以外のお客さんがレジに行列し始めたこともあり会話が途切れてしまいました。
商売っ気がない人に当たって、いろいろ話が聞けて良かったのかもしれません。
おわりに
出始めや再発の軽いアトピーだったら数日短期使用してもいいけど、そんなに強い効果も期待できないし、ダラダラ使用も避けたほうがいいですね。
お値段も保険適用の薬を使用するのに比べて高くつきます。
あと補足として添加物には気を付けてくださいね。市販薬すべてに言えますが・・・。例えばイハダのエッセンスにはパラベン入ってます。
薬だからと油断しないで、成分表示は各自チェックして、自分に合わない成分や添加物がないか、確認しておきたいところですね。
私はもう買わないかな。