
アトピーを治すのに漢方薬を使う場合、ステロイドでの治療と併用はしてもいいのか、ステロイドはあくまで使わないで治療するほうがいいのか、悩んでいる人のために私の経験談と、併用治療するときの注意点を少し。
ステロイド軟膏と漢方薬の飲み合わせは問題ない?
ステロイド軟膏の使用の場合は、基本的には問題ない場合がほとんどですが、医師や薬剤師に相談しながらがら使ってください。
ステロイド軟膏は、皮膚の炎症を局所的に抑える作用があるだけですが、漢方薬は、皮膚の熱をとったり、ジュクジュクとした浸出液を止めたり、膿を排出しやすくしたりと、症状ごとに処方を変えて、体の中から働きかけるようになります。
生薬によって代謝が良くなったり、弱った胃腸や肝臓、腎臓の機能を高めて、老廃物の排泄を盛んにすることも行われます。
ステロイドと漢方では着眼点が全く違います。
内服ステロイド薬を使っている場合は、慎重になる必要があります。他の病気と併用で、例えば喘息の薬や甲状腺ホルモン薬を使っている場合も注意が必要です。便秘薬を使っている場合なども、漢方薬の効き目と拮抗したり、作用が強まることがあります。この場合は必ずステロイドを処方している医師と漢方を処方している医師・薬剤師の両方に相談をするようにしてください。
自己判断は禁物ですが、ステロイド軟膏やプロトピック軟膏であれば積極的に併用する医師もいますので活用しても良いとされています。
上手な活用法は、ステロイドで炎症をガツンと押さえている間に、漢方で皮膚の奥の炎症を鎮め、根本部分の立て直しを測る方法です。場合によってはかゆみのコントロールに抗ヒスタミン剤を使用したり、抗ヒスタミンを似たような効果を出す漢方を併用することもあります。
漢方にステロイドは逆効果?
たまに、漢方薬とステロイド軟膏は逆効果だと言う漢方薬局などの販売員の話には注意をしたほうがいいです。
今使っているステロイドは害があるので、すぐに止めるように言うのは十中八九アトピービジネス業者です。ステロイド軟膏は減薬をする際のペースにも気配りが必要で、いきなり止めることで抑えていた症状が再燃することが考えられます。
薬の知識がきちんとある薬剤師であれば、ステロイドの使用を徐々に止められるように、皮膚科の治療を継続しながら漢方を併用するように言ってくるはずです。
漢方を使いながらも、ステロイドを止めていけるように、根本的に皮膚のや体の状態を導けるのが良い漢方医と言えます。
また、患者さん個人のブログなどで、漢方とステロイド併用は効き目なしという話がたまに出てきますが、その場合の原因がいくつか考えられます。
・患者自体が漢方薬治療に積極的でない場合(苦い・まずい・続かない)
・漢方医の診断、処方が下手
・減薬ペースが早すぎて症状が再燃した
この3点が主なものだと思います。
苦い、まずいは当たり前なので、これが我慢できないなら、そもそも漢方は使わないほうがいいですよね。こういう人が漢方のせいで治らないと言うのはお門違いなんだけどな・・・。でも治療自体がストレスになるとういのも考えものですしね。
もうひとつの漢方医の処方の問題のほうが大きいと思います。
漢方は、処方する医師、薬剤師が的確に患者の状態を読み取って薬の処方を組み立てなくては効き目が出ません。処方の組み立て方さえ上手であればかなり効き目が見込めます。
医師、薬剤師選びはしっかりやってくださいね。漢方医を変えたら効果があるってことも考えられます。
あと、早まって自分からステロイドを止めるペースを速めてしまい、却ってステロイドで抑えていた症状がぶり返したのを悪化と言う人もいます。皮膚科医との連携は重要なので、この辺りも上手くやりたいところです。
漢方薬の場合は、食事の改善も同時に行うことが多いので、食事が不摂生だったら悪化することもあるので、何が良くなかったのかは分析したほうがいいです。一概に漢方が逆効果と言えないこともあります。
ステロイドと漢方を併用するメリット
私もステロイドと漢方を併用していた時期がありました。
全身の浸出液がダラダラ出ている症状に、マイザー軟膏を使用し、顔にはマイザーをワセリンで薄めた物。引っかき傷の多いところにはリンデロンVG。かゆみ止めにアタラックス錠を寝る前に服用。併せてアレロックも飲んでいました。
それと煎じ薬の漢方薬を1~2週間に一度の通院で生薬の配合を変えながら飲みました。
飲み始めると、明らかに濁った尿がたくさん出て、炎症が引いていくとともに、ステロイドの効き目が良くなりました。2~3日に1回ステロイドを塗れば、皮膚がバリバリと向けて綺麗な肌が出ます。でも3日すれば皮膚から赤みが出てきますので、また塗って押さえます。ステロイドが効きすぎて皮膚が突っ張ることもありました。そんなのを何回か繰り返して、ステロイドの使用する日の間隔と量を減らしていくことができました。
漢方薬がフィットしていると、ステロイドの効き目も良く感じますし、薬の量を減らすのもスムーズに行く感じがしました。
あと、ステロイドの副作用である感染症に弱くなる点も、漢方薬で免疫を高めることで防げる点もメリットです。
私の場合は漢方で完治までには至らなかったのですが、効き目はあったと感じています。
皮膚科でステロイドと漢方を併用するときの注意点
ステロイドのコントロールを考えて、皮膚科の先生に漢方薬を処方してもらえたら・・・、と思う方もいると思います。
全国の皮膚科、アレルギー科で漢方薬を使用しているところがありますが、必ず、東洋医学の診断方法に従って処方してくれるお医者さんに相談するようにしてください。
皮膚科の先生の中には、東洋医学の知識がないにもかかわらず、漢方薬のエキス剤(粉薬)を出される場合があります。漢方薬メーカーの適用症状の資料をもとに、出してくれるケースがあるのですが、漢方薬は脈や舌の状態から体質をきちんと見極めて、体に合ったものをもらわないと、たいした効き目が期待できないんです。
あくまで、東洋医学の専門医に相談するようにしたほうがいいと思います。
おわりに・まとめ
漢方薬とステロイド治療は、上手く行けば治療効果を高めることができます。ただし、医師の腕によるところが大きいので、医者選び、薬剤師選びですべて決まると思います。