アトピーの名医はステロイド使用でだけで判断するな!良い医者の条件とは?

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アトピーの名医とはどんな人でしょうか?治療を速やかに進めるために、医者選びはとても大切です。なのに医者不信を煽る情報とステロイド使うかどうかだけの議論が多すぎます。ちゃんとアトピーを治療したいなら何科を受診したらいいのか?本当に味方になってくれるお医者さんとはどんな人か?まとめます。

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アトピーの名医とは?最初に医師を探すべき理由

アトピーを治す近道は、ちゃんとしたお医者さんにかかるのが近道です。
なのに、世間では、ステロイドを使う医者か使わない医者か、という判断基準や、民間療法や素人によるヤブ医者を批判するだけの情報が多いのではないかと思います。

 

確かに、安易なステロイド処方があり、それでは治らない患者がたくさんいることは事実です。
しかし、その一方、お医者さんのもとでアトピーが治せている人もいるわけですよね。

適切な薬の使用とアドバイスがあり、患者も努力をすれば、アトピーは治せる病気であると言う皮膚科の先生はいらっしゃいます。

そういった良いお医者さんは、どんな治療をしているのか?という情報のシェアが少ないのはとても残念です。

私の調べた範囲で、良いお医者さんの条件を挙げてみたいと思います。

 

理想のお医者さんの条件

1.悪化因子の特定に力を入れている

血液検査やパッチテスト、問診、触診、視診を通じて、何がアトピーの元になっているか、悪化因子の特定をしっかりと行ってくれるお医者さんはいいお医者さんです。

 

アトピーの悪化因子とは、決して、家族歴や遺伝など、動かせない条件を探し出すことではありません。
アレルギーの原因物質の特定、皮膚刺激になっている物質の特定、患者の掻き癖、これまでの薬の使用歴、精神的・肉体的ストレスなど、アトピーが悪化する原因となるものです。

これらを避けながら、皮膚の状態を正常に戻し、予防を心掛ければ、アトピーはきれいになるものです。

 

そして、アトピーの悪化因子は複数あることがほとんどです。

 

それらを一つ一つ特定して避けながら、炎症を起こして弱っている皮膚が正常にもどるまでは対処療法の薬を正しく使う、という考え方です。

悪化因子がある限り、アトピーは出続けます。アトピーが出続けるからステロイドを塗り続けるというのが最悪の状況なわけです。悪化因子を知らなければ、アトピー再燃のリスクは当然あります。

この悪化因子の特定に、時間をかけて付き合ってくれるお医者さんは、いいお医者さんです。

 

2.アトピー以外の皮膚炎・感染症への専門性

アトピーは、治療中にほかの皮膚感染症を併発することがあります。
また、アトピーだと思っていたら、実は別の病気だったということもあり得ます。
脂漏性皮膚炎、カンジダ皮膚炎、あせも、とびひ、毛のう炎、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、汗疱、湿疹、じんましん・・・と数えきれないほどあります。
ステロイドを塗っても効かない場合、それでもステロイドを出し続けるのか、検査や所見に基づいて菌感染や皮膚炎の種類を見極めてくれるかって、重要ですよね。

 

皮膚科の先生が書いた本や、実際に皮膚科医から聞いた話でもあるのですが、皮膚炎は同じように見えて原因がまったく違うこともあるため、皮膚をみる医者の経験というのがとても大切だそうです。

 

しかも、皮膚炎は見た目だけで判断できるものではないため、いつからどんなふうに症状が出て、どのくらい続くか、かゆみのレベル、など、見て触って、多くの情報を元に診察をしないと正しい薬の処方にたどり着けないものです。

また、きちんと診断するために、顕微鏡検査をおこなってくれる医師がいます。
皮膚の表面の菌をセロファンテープで採取したり、ほんの数ミリ皮膚表面を切り取って、顕微鏡検査をし、真菌の有無を確認します。一旦皮膚を培養する場合や、シャーレの培地(寒天みたいなやつ)を皮膚に押し付けて、皮膚の菌を検査する場合もあります。

 

決してこれが全てではないですが、顕微鏡検査も診断に取り入れている先生は、一つ信頼のポイントが高いと思います。
「皮膚科+地名+顕微鏡」で検索したらお近くの医療機関探せますよ。自己判断やネット上の情報での判断は危険なので、ステロイドで治りが悪いと感じたら必ず皮膚科へ行ってください。

間違った市販薬を塗って皮膚炎をこじらせると、治りが悪くなります。

 

3.生活習慣へのアドバイス

アトピーは食生活や住環境、使用してる洗剤やスキンケア製品など、日常生活の改善がどうしても必要になります。
その場合のアドバイスがあるかどうかも、治療において重要になります。

 

ただし、この生活習慣へのアドバイスは、1の悪化因子の特定とセットで行われるべきです。
「アトピーに悪いと思われるもの」はたくさんあります。
ダニやハウスダスト、ペットの毛、カビ、洗剤、薬剤、食べ物・・・。
怪しいと思われそうなものすべてを避けるようなアドバイスは、制限が多くなるだけで患者にとって大きな負担になります。
検査で怪しいものを特定し、生活の中で改善すべきことの優先順位をつけるのが、無理なく速やかに治るための近道です。

 

4.薬・保湿剤の的確な使用と患者への説明

1.2.3.により、治療の方針が決まってから、外用薬、内服薬、保湿剤選びをするのが、本来の治療であるはずです。
治療方針が明確であれば、薬をなんの目的に使うのかも明確ですから、ちゃんと説明をしてくれるでしょう。

 

⇒ このシャンプーとプラスチックに被れている可能性が大きいから、使用中止した上で一時的にステロイドで炎症を叩く。
⇒ IgEがダニに陽性なので、ダニの多いクッションを捨て、掃除徹底しながら、かゆみを止める抗ヒスタミン剤を飲む。
⇒ アトピーでも脂漏性湿疹でもなく、頭皮にカンジダ真菌がいるので、抗真菌薬を使った治療をする
⇒ 詳しい血液検査結果が出るまで、生活の質を上げるためにステロイドを使うか、肌の治りをよくする保湿剤を使う。

などなど、具体的な話ができるはずです。

 

薬の使用方法や使用量についても、指示が明確にあるほうがいいですよね。
ただし、詳しい説明は薬剤師さんにバトンタッチする場合もあります。

 

 

これだけの条件があれば、良い先生といえるのではないでしょうか。

診察にかけてくれる時間が長ければよい、というものでもありませんが、上記の診察内容を行うと、絶対に3分程度の診療では収まらないはずです。

 

そして、「名医」というのは、患者さんとの問診や皮膚の見た目から、最初にするべき検査や考えられる悪化因子の見極めが上手で、そこへどのくらいの薬をどう使うかを的確に判断できるお医者さん、ということになるのではないでしょうか。

そう考えると、「名医」を探し当てるのは住んでいる地域で運もあるかもしれないけれど、少なくともハズレの医師にかかり続けることは避けられそうな気がしてきませんでしょうか。

 

また、残念ながら過去にひどいお医者さんにかかってばかりであったとしても、医療不信だけを理由に選択肢を民間療法だけにする必要もないのではないでしょうか。

 

アトピーは何科を受診すればいい?

先ほどの、良いお医者さんの条件から考えると、やはりベストは皮膚科専門医ということになります。

 

大人のアトピーの場合は、選択肢として、皮膚科・アレルギー科があると思います。(子供の場合はこれに小児科が加わるので悩みやすいですね)

アレルギー科とは、定義上、アレルギーを専門にしている医師がいる科ということになります。
ただ、アレルギー科だけだと、喘息・アトピー・結膜炎・など、部位や症状の多くが該当してしまいます。もしかしたら得意分野があるかもしれず、それがアトピーでない場合も考えられます。
アレルギー科と皮膚科が両方標榜されていれば、アトピーへの専門性が高いと考えられます。

アレルギー性の疾患に特化していると、合併症や感染症の発見や治療はどうしているのかが気になります。

 

また、お医者さんの看板は、いくつかの科目がある場合は、一番目に表示されているのが専門科である場合が多いです。
内科や胃腸科などが並んだ最後に皮膚科が出ている場合で、医師が一人だけの場合は、皮膚科の知識と経験が少ない可能性が高いと考えられます。
そうすると、アトピーにはステロイド、で話が終わってしまう可能性も高くなってしまいます。

 

ただ、100%そうとも言い切れないので、ホームページ見たり、問い合わせして確認するのが一番ですね。

 

あと、病院の規模ですが、これは特に関係はないと思います。

 

ただし、大学病院のように、担当医がコロコロ変わるとことは避けたほうがいいです。
アトピーの治療には、しばらくお医者さんのところに通う必要が出てきます。
前回の治療からの経過を見てもらう都度、担当のお医者さんが変わってしまうところだと、先生も患者の状況を把握していません。結局ステロイドを出されて終わりになる可能性が高いです。

 

一人の先生に、初診から治るまでお付き合いしてもらえる病院やクリニックを選ぶことが大切です。

 

アトピーを治せる医者はステロイド使用で選ばない

ここまで話して来たら、お分かりだと思いますが、お医者さん選びは、「ステロイドを使うか、使わないか」で選ぶのはナンセンスだと思いませんでしょうか。

「皮膚科の標準治療」にこだわるのもちょっとずれている気がします。皮膚科の標準治療の内容は、ステロイドの使用方法が内容として圧倒的に多いと感じます。

良いお医者さんの条件を、先ほど述べたような
・悪化因子特定
・アトピー以外の皮膚炎・感染症への専門性
・生活改善のためのアドバイス
・薬・保湿剤の的確な使用と患者への説明

で選べば、結果的に、ステロイドやプロトピックは、治りもしないのにダラダラと連用されることはありません。
悪化因子を特定して、生活改善を行う間に、炎症を急速に沈め、肌のターンオーバーを正常化し、生活の質を維持するのがステロイドの役割とわかって使うからです。

 

その上で、もしステロイドを使用したくないと患者が申し出れば、メリットとデメリットを説明したうえで応じてくれるのが理想です。もちろん使わないと体に重大な影響が及ぼされるなら医師の指示にしたがうべきでしょう。インフォームドコンセントがしっかりしていれば、納得のいく治療ができるはずです。

 

アトピー患者の医者不信

逆に言うと、これだけのことをやってくれる医師にしか、「ステロイドは一時的な火消し役ですよ!怖くないですよ」なんて言わないでほしい!(←本音) 

 

お医者さんも中には本当にヤブ医者もいるのは事実です。皮膚に炎症があるからステロイド、どうせ再燃はするからひたすらステロイドを塗り続けて、悪化因子がなくなるのは運とか患者任せで説明もしないっていうお医者さんに当たってしまったら、そりゃ不安と不信感が出てしまいます。ゴールも見えないのに対処療法を続けていくんだもの。

 

きっちり原因特定してくれた上で、春の花粉症の時期だけは、どうしても顔のアトピーが悪化するから、生活スタイルを考えたうえで、抗ヒスタミン剤とステロイドで凌ぐっていうくらいなら許容範囲かもしれない。

でも、何でアトピーが出るのかわからず、原因が毎日接している何かで、炎症が出続けているなら・・・。ステロイドを塗り続ける羽目になってしまうのではないでしょうか。

 

その結果、ステロイドが効かなくなって、どうしようもないまま、ステロイド依存、リバウンド症状に苦しむ患者が出てきたわけです。

見えない敵と戦いながら、医者もゴールが見えないままステロイドを出し続ける。

そしたら、医者不信にもなりますよね。

 

そこへ、「ステロイドは怖い薬!使っちゃダメ!」「アトピーは体質改善!原因がなんであれ○○を使っていればOK!」みたいな民間療法や健康食品会社の情報があふれてしまい・・・。

医師vs反ステロイドという構図ができてしまっているのがちょっと前までの図式だったんですね。

 

アトピーの医者で評判がいい人って?何を信じれば?

口コミ情報で、あの人はアトピーの名医!評判がいいよ!って情報があった場合、まずどういった治療法で治しているのかをきちんと確認する必要があります。

いいお医者さん、と一口に言っても、いろんな要素が含まれます。

 

・よく患者の話を聞いてくれる
・やさしい

といった人柄で、良いお医者さんと言われている場合もあります。

 

・クリニックがいつも人でいっぱい!!

だから近所で評判が高いという場合もあります。

 

でもそれが治療効果に直結しているわけではないですよね。

 

そのうえで、

漢方を使うかとか、紫外線療法だとか、温泉療法だとか・・・。○○療法という治療名で選ぶのではなく、患者の体に何が起きているかを軸に考えてくれるお医者さんが適切といえると思います。

 

もし、口コミや評判などが高いお医者さんの場合、聞けるなら、なぜ評判が良いのかを一歩踏み込んで聞いてみるようにしたいものです。

 

アトピーは完治できるというお医者さんはいるの?

よく、皮膚科でお医者さんに、「アトピーは治らない、一生付き合う病気。ステロイドやプロトピックで症状をコントロールするしかない」という人がいます。

確かに、今の日本の皮膚科学会のスタンダードでは、アトピーは完治しないものと定義されています。

で、それをそのまま患者に伝えられることがあります。

患者としては、ショックですよね。一生私はきれいな肌にはならないのかと。

 

治ると言ってくれるお医者さんは実はたくさんいる

かたや、アトピーは治ると言ってくれる医師もたくさんいます。
もちろん、程度や状況によるのかもしれませんが、一緒になって、なんで皮膚がこんなことになるのかを真剣に考えてくれるお医者さんがちゃんと存在します。

 

 

患者の努力範囲と医者の領分

良いお医者さんにかかるのも大切ですが、その後の治療においても、患者側の努力は必要です。

アトピー治療は患部を切り取って終わりの病気ではなく、日常生活で悪化因子の排除やスキンケアがとても大切になります。皮膚を作る元となる栄養の摂取、血流改善のための運動も大事です。

お医者さんの仕事は、

・悪化因子特定
・正確な皮膚炎の診断
・生活改善のためのアドバイス
・適切な薬の処方

となります。
検査や薬の処方は、多くの症例を見てきたお医者さんにしかできないことです。

 

患者側は、

・悪化因子の排除
・生活改善
・適切な薬の使用

に関しては、自分で行動を起こさなくてはいけません。

 

例えば、食生活において、
オメガ6系の不飽和脂肪酸(サラダ油とか)を取らないようにとか、お酒を飲まないようにとか先生が指導してくれたとしても、患者側が実行しなければ、治るものも治らないことになります。サラダ油を食事から抜く工夫は、患者自身が努力しなくてはいけません。

悪化因子が髪の毛のカラーリングだったら、髪を切ってカラーもやめないと、皮膚はきれいにならないです。

ステロイド塗って、スキンケア徹底しても、またぶり返すでしょう。

 

ちゃんと検査で悪いものを特定しながら、怪しいものを避けて、肌を正常化する過程において、我慢しなくてはいけないこと、生活や仕事を調整しなくてはならない場合、が出てきます。

好きなものをやめる必要も出てくるかもしれません。それってつらいこともある。

 

だからこそ、ちゃんと医療機関で検査したり、積極的に勉強・相談して、アトピーを治すために必要と裏を取ってやめるのが大切です。

アトピーだったら、これはダメ、あれはダメ、と、自分の体に害にならないものまでテンプレのようにやめさせられるとストレスにしかなりません。場合によっては治療のストレスで逆に悪化することだってあります。

ぜひ、良いお医者さんを味方につけて、アトピーを乗り切っていきたいものです。

 

おわりに・まとめ

良いお医者さんの条件は
・悪化因子特定に力を入れている(検査・診察)
・アトピー以外の皮膚炎・感染症への専門性
・生活改善のためのアドバイスがある
・薬・保湿剤の的確な使用と患者への説明

また、
・通える距離で、一人の医師がずっと担当してくれる
ことも大切になります。

よさそうなお医者さんがいたら、最初に電話やHPで上記の条件を満たしているかどうかを確認してからお世話になると確実ですね。

ステロイドが効かず、皮膚感染が気になる人は、「皮膚科+地名+顕微鏡」で検索してみると、やっているお医者さんがヒットします。ご参考までに。

 

もちろん、こうしたアトピーの治療姿勢に加え、医師の人柄(人格)や、コミュニケーション能力もあるので、条件を満たしていても、付き合いたくないお医者さんもいるかもしれません。そればっかりは実際に診察してもらわないとわからないですが・・・。

 

とはいえ、ステロイド批判、医者批判だけでは何も前に進みません。世の中には誠意と知識と経験をもった良い皮膚科のお医者さんもいらっしゃいます。一度頑張って探してみてください。

 

この記事を読まれた方が、良いお医者さんに巡り合えることをお祈りしております。

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このサイトについて

tきらり

きらり です。

小さい頃からずっとアトピー。大人になっても悪化の一途。

いわゆる全身ステロイドリバウンドも経験しましたが、働きながら完治させました。もう長らく、ステロイドは使っていません。


その実体験を元に、良かったこと、悪かったことを、知っておくとよいことを、みなさんにシェアしたいと思います。


ちなみに、ステロイド完全否定派ではありません。ステロイド治療も代替医療も両方の良いとこどりで、いかに私生活と治療を両立させるかがモットー。人生の中心は病気の治療じゃないよね。やりたいこと楽しむためのものだよね。

こうして公開することは想定していなかったので、全身ボロボロの時の写真は残っていないけど、ラストスパートの時はこんな感じ。


ダラダラとステロイド付けていた部分は頑固だったなぁ・・・
アトピー完治


今日も仕事から帰って、せっせとブログ更新してます。ときどき見に来てください。


【お願い】 運営者きらりは元患者の立場であり、アトピーを職業にする気持ちはありません。アトピーに関する執筆・講演等やお仕事コラボのご依頼は申し訳ありませんが全てお断りしています。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。