
アトピー肌の保湿に刺激が少ない化粧水として、温泉水を使う方法があります。
温泉水100%で皮膚に良いと根拠のあるものをご紹介します。私もいろいろ使ってますが、手に入れやすくて良いものをあえて絞ると以下の3つになります。何をつけてもかゆい、炎症がある人向けです。
偶然ですが、どれもフランスの温泉水になりました。
もくじ
アトピー肌にアベンヌ
ドラッグストアに必ずある温泉水といえば、言わずと知れたアベンヌウォーターです。
南フランスにあるアベンヌ温泉水100%で作られているスプレータイプの化粧水です。
お値段も手ごろで、大きめボトルなんか特に安売りしてますよね。
アベンヌの温泉水は、成分水質が常に一定で安定しているとのこと。
販売元の、ピエールファーブル社はテルマリズムセンターを作って、温泉療法によるお肌の回復を施設でサポートされてます。
皮膚科学研究を独自に行っております。
アトピーに対するアベンヌの効果
アベンヌの水は、ミネラル含有量の少ない軟水です。
pHが中性に近く、刺激がとにかく少ない点がアトピー肌に優しいという意味です。
軟水ではありますが、ケイ酸塩、銅、亜鉛、フッ素、カルシウム、マグネシウムといった、微量ミネラルが含まれています。
保湿効果を持っているのは、「ケイ酸塩」
これが肌に保護膜を作ってくれると言われてます。
ケイ酸塩ってシリカ、つまりケイ素のことですね。
また、アベンヌ温泉水が湧き出てくる際に通る岩盤に、古い石灰岩層にしか生息できない独自の微生物相がありまして。
微生物が作るペプチド・アミノ酸・糖類などによる複合体が、またお肌に良い影響をもたらしているという研究も進んできているとのことです。
(参考:アベンヌ公式サイトより)
アトピーをアベンヌで保湿できるか
で、保湿効果なんですが、私の使用した感想&使用方法です。
正直、水なので普通にスプレーして使うだけだと、保湿された感じは全くないに等しいです。
特にアトピーでカサカサの粉を吹いている状態や、大きめの落屑がある状態の場合、それらを落ち着けられるほどの保湿効果は期待できません。
むしろアベンヌが得意なのは鎮静効果です。
日焼けの後のほてりを鎮めるとかですね。
なので、どちらかというと炎症で赤くなっちゃってるアトピーで、かつカサカサ、みたいなときに重宝します。
保湿力を出させようとしたら、とにかく量を使うこと。
例えばお風呂上りに、タオルドライした肌に、びしゃびしゃになるくらい吹きかけます。
そのあと軽くパッティングです。
パッティングが終わったらまたアベンヌウォーターを吹きかけます。
で、またパッティング。
3~5回くらい繰り返すといいです。
肌表面がひんやりして鎮静したら、ホホバオイルとかワセリンとか馬油で上から蓋をするかのようにがっつり保湿です。
逆にメイクの上からシュッとか、美容雑誌に載っているやり方すると、乾燥アトピーが人い時には余計に乾燥を招きます。
温泉水が蒸発する過程で肌が突っ張るからです。
温泉水の保湿はとにかく回数と量を重ねるのが大切ですね。
アトピーにユリアージュウォーター温泉水
ユリアージュウォーターもドラッグストアで販売されてますが、アベンヌほどメジャーではないですね。
見たことありますか?
日本では、製薬会社のSATOが販売しています。
フランス東部の、ベルドンヌ山脈のふもとにあるユリアージュ地方に湧き出る温泉水です。
この地方温泉療法の発祥地として有名で、2000年以上も前から湯治場となってます。
フランス政府公認の治療施設「ユリアージュスパステーション」というのがあって、温泉水による皮膚治療措定ます。
ローマ帝国時代の浴場遺跡が歴史を物語っているそうです。
ユリアージュウォーターの特徴
ユリアージュウォーターは天然のアイソトニックウォーターといわれています。
良くスポーツドリンクで聞きません?この言葉。
つまり、人の体液と同じ浸透圧なんですね。
だから、乾燥した角質層になじみやすいのが特徴なのです。
また、角質層の天然保湿因子と、ユリアージュウォーターのミネラル組成バランスがそっくりなので、
保湿が持続しやすいといわれております。
含まれているミネラルは、
ナトリウム・カリウム・カルシウム・銅・マンガン・ケイ素・亜鉛・マグネシウム・塩化物・サルフェート
フランスの温泉水の中でもミネラル含有量はNo1。先ほどのアベンヌよりも多いです。
PH6.8と、若干アルカリよりです。
ユリアージュウォーターの効果
ユリアージュウォーター温泉水がすごいのは、研究成果ですね。
肌のバリア機能強化に関して研究されておりまして、培養細胞を使った研究で、肌のバリア機能を高めるフィラグリンが高まるのが確認されたそうです。
しかも濃度が高い温泉水であるほどフィラグリン量が増加したとのこと。
フィラグリンは、表皮の有棘層で作られ、肌の保湿を高める働きがあります。
アトピー性皮膚炎の人は、フィラグリンの発現が低下しているとという研究がありまして、ひどい肌乾燥の原因の一つとされてます。
さらに、ユリアージュウォーターは、皮膚の肥満細胞(マスト細胞)から出るアレルギーの原因、ヒスタミンの分泌量を抑える研究結果が出ていると。
ヒスタミンはかゆみや痛みの原因となる炎症物質なので、これらを抑制できるというのはかゆみ対策にもなるってことですね。
(参考:ユリアージュ公式サイト)
ユリアージュウォーターのアトピーへの使用感
私の使用感をお伝えします。
アベンヌよりも、皮膚につけた瞬間、わーずかにヌルリとします。
そこから肌になじませるごとにしっとりしてきます。
使い方は、同じく素肌にスプレーしてパッティング。3~5回を繰り返していきましょう。
しっとりといっても、ヒアルロン酸やセラミド配合の化粧水のようなしっとり感ではなく、時間を経るごとに肌に入っていき、表面がちょっとペタつくというと伝わりますかね?
今回紹介する3つの中では、保湿力はダントツです。
ユリアージュウォーターって、塩化物やナトリウムが多め。
つまり、しょっぱいんです。
舐めたら明確にしょっぱいです。海水よりはマイルドですが、確実に塩味を感じます。
しょっぱいということは・・・。
傷には染みます!!! ピリピリします。
ひっかき傷、すり傷があるアトピーさんは、使用時にちょっと心の準備しておくといいです。
海水浴で良くなるアトピーさんにはお勧めですね。
アトピー肌にラロッシュポゼ
さて、トリを飾るのは、ラロッシュポゼ ターマルウォーターです。
フランスの中西部にある、ラロッシュポゼ村の湧き水です。
特別な地層から1700年かけて湧き出ている水で、有用なミネラルを多く含んでいます。
ラロッシュポゼ村には、ヨーロッパ最大の患者数を受け入れる水治療センターがあり、外国からも肌トラブルを持った人が訪れるとのこと。
アトピー性皮膚炎、湿疹、乾癬、火傷跡、がん治療後のケアなどに取り組んでいるそうです。
ラロッシュポゼ ターマルウォーターはアトピーにどう?
ラロッシュポゼの含有ミネラルは
重炭酸塩、カルシウム、ケイ酸塩、セレン、亜鉛、銅、
ph7の中性です。
ラロッシュポゼの大きな特徴は、セレンが含まれていることです。
セレンは肌への有用性について研究がおこなわれてまして、肌をやわらげ、バリア機能(角層)を健やかに保つのだとか。
抗酸化作用や活性酸素阻害、抗炎症作用が期待されています。
ラロッシュポゼのアトピーへの使用感
水の使用感より先に、ラロッシュポゼはスプレーのきめ細かさが素晴らしいです。
細かいミストがまんべんなく、肌になじんで、めちゃくちゃ気持ちいい!
使い方はやはり患部にたっぷりつけてパッティングです。3~5回繰り返します。
使った感じは、アベンヌと同じように感じますが、パッティングを同じようにして実験したところ、ややラロッシュポゼのほうに分売が上がります。
私の主観ですけれどね。
傷があってもユリアージュのように染みることはありません。
保湿効果はアベンヌより感じられますが、単独だとガサガサのアトピー肌には物足りなくなる使用感です。
しっかり角質層にパッティングして、すぐにホホバ、ワセリン、馬油で蓋をするといいですね。
炎症系のアトピー肌には、鎮静効果を感じますのでよろしいかと。
アベンヌとはミネラル組成が異なるので、アベンヌでチリチリ感を感じるとか微妙だった人は試す価値ありです。
おわりに
3つ挙げてみましたが、私は皮膚に傷も多かったのと、使用感が良かったことからラロッシュポゼをよく使ってました。
ユリアージュも治ってから考えたら肌に良かったんだと思いますが、染みるのだけ難点です。
アベンヌも、内容を見る限り良いのですが、個人的に保湿力がアベンヌより良かったです。(といっても微力な保湿差ですけどね)
傷がなくて乾燥がつらい人は、ユリアージュも試してみてください。
アトピー肌は、乾燥、炎症、傷、の状態が人によって異なるので、選ぶものもみんな違うはずです。
肌状態によってご自身で使い分けていただくといいと思いますよ。