
元アトピー患者が栄養療法の効果や取り入れ方を詳しく紹介します。アトピーの食事やサプリ選びに悩む人は、栄養療法(分子整合医学・オーソモレキュラー)を利用すると体質にあった栄養を摂取できます。自分でできること、実際の検査方法や治療についても紹介するので、参考にしてください。
もくじ
アトピーへの栄養療法の効果
栄養療法と一般的な意味では、「栄養低下の患者に十分な栄養管理を行うこと」です。入院中に栄養士さんが栄養管理するのも、広い意味での栄養療法になってきます。
でもこの記事を読んでいる人の場合は、その栄養療法を期待しているわけじゃないですよね。
きっと、食事の改善とサプリメントを併用して治療を行う栄養療法、「分子栄養療法」「分子栄養学」「オーソモレキュラー」のことだと思います。
アトピーの体質改善、食事療法、サプリメント選びに、栄養療法はとっても役に立ちます。
私も、自分の栄養管理に栄養療法・オーソモレキュラーを取り入れています。
なぜかというと、血液検査から、必要な栄養や、食事の方法、内容が客観的にわかるからです。
アトピーに関しては、例えばビオチン療法だとか、亜鉛がいいとか、やれオメガ3だとか、いろんな栄養素が不足していると言われますよね。
でも、結局「何が自分に不足しているのか」がわからないと、むやみに飲んでも効かないでしょう?
よくサプリメント業者やアトピー経験者が、こんなサプリを飲めばアトピーに良いっていうけれど、それがあなたの体に必要なものかどうかはまた別の話。
また、食事療法も、
マクロビの理論や、西式甲田療法や、ベジタリアンや、ローフードや薬膳・・・といろいろあるのですが、結局あなたにフィットすれば効くのですが、体質に合わなければ逆にアトピーを悪化させるわけで、結局民間療法の域を出ないのです。
漢方も同じで、治療者の経験と腕にめちゃめちゃ左右されるのが弱点です。
誰が見てもある程度きちんと血液検査でわかるようにしてくれているのが、分子栄養療法・オーソモレキュラー。
今のところ、私が知る限りでは、最も客観性のある方法だと思います。
健康診断の血液検査でもある程度の体質傾向を見ることができます。(後でその方法も公開します)
もちろん、同じ分子栄養学の医師でも良し悪しはあります。
血液検査の読み取り方と、そこからのサプリ処方が医師の腕の見せ所でもあります。
・自分に必要なサプリメントを特定したい
・皮膚科の検査で異常が出ないのにアトピーが出る
・アトピーに加え不調が複数ある
・自分の体の状態をしっかり把握したい
・なるべく薬に頼りたくない
・サプリメントの副作用を被りたくない
そんな人に、分子栄養療法(オーソモレキュラー)は利用できると思います。
栄養療法とは?そもそも何?
オーソモレキュラー(栄養療法)は、アメリカのライナス・ポーリング博士によって提唱された方法です。
一言でいうと
「遺伝子レベルでの栄養素の働き」を説明できるようにしたんですね。
分子栄養学の基本的な考え方は、
病気=「細胞の異常」と考えます。
現代の健康診断や各種検査で異常なしでも、体に不調を感じることがありますね。
その時、細胞の働きや代謝には乱れが出ているわけです。
その乱れを栄養素を与えることによって正常化するのが大きな治療方針です。
食事の見直しを中心に、サプリメントを必要十分な量用いて治療を行います。
人は食事から摂る栄養で生きています。栄養状態を整えることは健康維持の基本です。なので、病名を問わず、栄養状態が悪い場合は、分子栄養療法のアプローチで良くなる可能性があります。
日本にこの考え方と治療法を最初に持ってきた人を紹介しておきます。今後分子栄養療法(オーソモレキュラー)を提供している医療機関選びにも役立つと思います。
・三石巌さん
・金子雅俊さん
お二人は、別々に日本に持ち込んだようですが、それぞれ独自の理論や研究を交えながら発展させ、一般に広めていった、という流れです。オーソモレキュラーの日本でも呼び方が違うのもここに原因がありそうです。
三石巌さんは物理学の教授で、退職後にオーソモレキュラー医学に出会い、日本で「分子栄養学」を発展させるべく、たくさんの著書を出されています。今現役のオーソモレキュラーの医師は、三石巌さんの著書で学んでいる人が多いとか。
著書はものすごく勉強になりますが、当然専門性も高いです。
メグビーという栄養食品の会社も作られています。
金子雅俊さんは、もともとは製薬会社で薬の開発をしていた方。
オーソモレキュラーを日本に普及させた人で、「分子整合栄養医学」という呼び方を使ってます。
この方は、栄養の過不足状態を血液検査によって読み取る方法を編み出しました。
現在も法人でシステマティックなサービスを提供されています。
提携クリニックで血液検査を行い、検査結果から必要な栄養素を読み取り、サプリを処方し、その後も病状の経過をフォローする医療サービスです。また、医療関係者向けに分子栄養医学の研修も行っています。
サプリメント販売者がケンビファミリー、
開発元が分子栄養学研究所という名前です。
このサービスを使っているオーソモレキュラーのお医者さんが、溝口徹先生です。
今は溝口クリニックは精神科の診療でメジャーになっていますが、溝口先生自身は子どものころからアトピーで、分子整合医学でアトピー体質を克服されています。アトピー治療もされています。
同じサービスの系列で、溝口先生が栄養解析したレポートを提供しているクリニックが全国にあります。
日本にオーソモレキュラーを持ち込んだ人によって微妙に呼称が異なります。日本ではいろんな呼び方があるので、ここでは「分子栄養学」と呼ぶことにします。
分子栄養学とアトピー
食事やストレス(身体的・精神的・化学的・感染などあらゆる種類のストレス)
で、栄養が極端に不足すると、病気になってしまいます。
アトピーも何かの栄養素が不足して起こると考えます。
それも、いわゆる栄養失調ではなく、「質的栄養失調」です。
カロリー不足ではなく、体の機能を保つためのビタミンやミネラルの不足です。
栄養素の不足を埋めるためにサプリメントを摂取します。
また、食事も不足した栄養素を補うために調整します。
分子栄養学では一般的に、アトピー性皮膚炎の治療に必要不可欠な栄養素として、
亜鉛、ビタミンA。
が選択されます。
特にビタミンAなんかは、過剰に摂取すると副作用がある栄養成分ですが、血液検査で詳細に体の状態を分析して、最適な量を決めていきます。
他にも不足がある栄養素を、積極的にサプリメントで補います。
食事で本来すべてを摂取するべきですが、特定の栄養素の必要量に合わせて食事を食べると、カロリーオーバーになることがほとんどです。そこでサプリメントを「効率化の道具」として使用します。
健康状態や病気の症状には、個人差があります。
しかし、個体差をその人の弱点にしないように、栄養条件を求めることが、分子栄養学の目的です。
アトピーはアレルギーの側面も大きいため、アレルギー疾患のアプローチも重要です。
分子栄養療法とアレルギー
例えば、溝口徹先生のアドバイスする分子栄養療法では、アレルギーは糖質過多と考えています。
糖質+食物繊維=炭水化物です。
いわゆるお砂糖類だけではなく、お米やパン、イモ類も糖質が多い食品となります。
・糖質の過剰摂取をする
↓
・血糖値が急激に大きく上昇
↓
・インスリンの大量分泌で血糖値が大きく低下
↓
・副腎ホルモンの分泌で下がった血糖の調整
↓
・結果、副腎への負担増、他のホルモン分泌減
↓
・アレルギーに対するホルモン分泌不足となり、症状の悪化
という経緯をたどります。
これまで民間療法や一部の医師からも、経験的に砂糖の摂りすぎがアレルギーになるという説はよく言われていましたよね。
特に溝口先生のクリニック、および提携しているクリニック群では、高タンパク、低糖質の「糖質制限」を食事指導されます。(糖質制限をしないクリニックもあります)
また、アレルギー改善のアプローチとして、「腸管免疫を鍛える」事も重要視されます。
IgE, IgG, IgAといった抗体は、小腸の粘膜レベルで引き起こされます。
小腸の粘膜が弱ってアレルギー抗原を体内に取り入れてしまうと、アレルギーになってしまいます。
腸内環境を整える方法としてプロバイオティクス、プレバイオティクス、食物繊維、母乳成分などの摂取が推奨されます。
・善玉菌を増殖、定着させるために乳酸菌サプリ
・粘膜強化のためのアミノ酸
が処方されます。
他にも、血液検査によって不足している栄養素を見極め、サプリメントを処方していきます。
分子栄養学がアトピーに効かない場合もある?
・栄養でカバーできない悪化因子
が絡むと、分子栄養療学=サプリメントと食事だけでは難しいです。
あくまで、私きらりの、アトピー経験者の見地からの一意見ですが、
分子栄養学は、アトピー改善の一つの側面と考えるのがよいと思います。
「すべて」ではありません。
分子栄養学でアトピーが改善されたという人は、「分子栄養学が最高だ!」「これで全てが治る!」ぐらいの勢いで話すことがあります。
ですが、例えば、アトピーの悪化因子が姿勢にある場合なんかは、栄養摂取だけでは頭打ちになる場合もあります。。
(私も経験あります)
精神的ストレスが絡んでいる場合は、ストレスの根本に対処しないと、やたらに時間がかかります。
なぜかと言えば、ストレスで栄養を大量消費しながら、サプリで栄養を補っているため、健康維持ができるほどの栄養のストックが体内にできないから。
栄養のインとアウトのバランスが取れないと、「改善」までの効果を得るのに時間かかるんですね。
栄養以外にも規則正しい生活や運動、ストレス発散が必要だということは言うまでもありません。
実際には、筋肉量が少なければ、摂取したエネルギーの消費や、筋肉での糖代謝に影響が出て、それがホルモンのバランスに影響が出ている・・・なんてことが血液検査で分かることもあります。
アトピーに対する分子栄養学のさらなる治療法
食事やサプリメントが効かない場合、血液から分かる栄養状態以外に体内に原因がありそうな場合、追加の検査を行って、原因特定、治療アプローチを決定することがあります。
・IgGやIgAアレルギー検査
・唾液コルチゾール検査
・糖負荷検査
・有機酸尿測定検査
・便検査
なども併せて行われる場合があります。
最先端の栄養療法の治療アプローチとして
・遺伝子検査
・メチレーション検査
を行う医療機関もあります。
今やメジャーになりつつある、アトピーの原因の一つ、
・カンジダの除菌治療
もあります。
・ゾヌリン検査(リーキーガット症候群検査)
は、血液中に循環しているゾヌリンを測定することで腸管漏出症候群(リーキーガット)の程度を知ることができる検査です。
重金属が体内に蓄積しているかを、
・毛髪ミネラル検査や、
・オリゴスキャン
という機械での検査で特定し、有害な重金属(水銀・ニッケル・ヒ素)などを排出する「キレーション治療」が取り入れられることもあります。
・赤血球中グルタチオン濃度
はデトックス機能の測定に役立ちます。
分子栄養療法を標榜していても、こうした検査、アプローチを行っているかどうかは、医療機関によって異なりますので、事前に問い合わせが必要になります。
併発している病気にもよるので、一概には言えませんが、
アトピーの場合は、
IgGやIgAのアレルギー検査や、カンジダ除菌が選択肢として出てきやすいと思います。
他にも重金属のキレーションも検討の余地があるかもしれません。
ですが、こうした検査は必要であれば行えばいいので、必須ではありません。持っている症状によって医師から提案があるかもしれません。
気になるものは受けてみてもいいかもしれませんが、自費診療でお金もかかるので、良く考慮してください。
分子栄養学の問題点
さて、分子栄養療法は、アトピー治療にも役立つものですが、
一番の問題点は治療費が高いことです。
現在の日本の医療では、健康保険の適用にならない、自費診療です。
日本の医師の教育カリキュラムには、分子栄養療法は全く入っていません。
日本の医師の資格を持っているだけでは、変な話、ビタミンが体内でどう使われて代謝されるのか?すら説明できない先生がほとんどです。
いち早く、食事や栄養素の重要性や必要性に気付いた医師が、自分で勉強し、治療を行っているのが現状です。
二番目の問題点は、時間がかかるということです。
分子栄養療法は、「効いた」「効かない」の判定にある程度の時間がかかります。
分子栄養療法は検査に基づき、じっくり根本から治します。
食事も変える必要がありますし、ある程度の時間を要します。
最初の検査から食事とサプリの指導を受け、実践し、3~6ヶ月経過したら、再度検診を受け栄養状態を評価します。
最低最短でも3か月。
これはサプリメントと食事を指示通りきっちり行った場合で、変化が表れ始める時期のことを指します。症状にもよりますが、アトピーがきれいになったと感じるには、通常はそれ以上かかります。
どのくらい時間がかかるのかも、かなり個人差があります。
治療に疑問が残る場合によっては、血液検査結果をしっかり深読みしてくれる医師にかかりなおすことも検討してください。
分子栄養学は健康保険が効かない高額治療
現段階では、分子栄養療法の血液・尿検査、栄養解析についてはすべて自費になります。
先ほど紹介した、溝口徹先生が行っている
オーソモレキュラー「分子整合栄養医学」の系列クリニックの場合ですと、
基本的に、血液・尿検査がパッケージで、溝口先生が監修した栄養解析レポートがもらえます。
血液検査の項目は約60項目です。私が知っている金額は24000円でした。
+別途カウンセリングを自費で行う場合もあります。
溝口先生系列ではなく、分子栄養療法を行うクリニックもたくさんあります。
この場合、血液検査の項目は、同じかどうかわかりません。
必要な項目だけを検査するケースもあります。
明確に疾患が伴う場合は、保険適用できる検査項目は、保険で対応してくれる先生もいます。
金額や検査と診察の流れは、クリニックによって異なりますので、問い合わせが必要です。
自由診療なので、金額も内容もお医者様が自由に決められますから・・・。
その後のサプリメントも、すべて自費となります。
栄養素の不足を埋めるためには、健康な時に必要な量より、かなり多くの栄養が必要になります。
「量」は重要なポイントです。
分子栄養学は、メガビタミン主義と言われることがあります。
栄養の分量が少なすぎても効かないので、吸収力の高い専用サプリメントを、かなりの量、処方されることになります。
30000~50000円/月が相場かもしれません。良いものを使用し、プロテインとか別の食品も取り入れたらもっとかかる場合もあります。8万とかありえます。
サプリメントだけ自分で海外輸入してコストを抑える方法を提案してくれる医師もいます。
整腸剤や消化酵素、鉄剤やビタミンB、Cなどを保険適用のビタミンで出してくれる医師もいます。
患者側から、ひと月の予算を明確に伝えることも大切です。
尚、病気の治療(予防や美容目的ではない)であれば、医師に処方されたサプリメント代金は確定申告で医療費控除の対象にできます。個人輸入だとならないです。
自分でもできる?!アトピー治療に分子栄養学を取り入れる簡単な方法
本気で分子栄養療学を取り入れるなら、お医者さんで検査を受けることをお勧めします。
サプリメントについても、量や頻度、何を優先的に摂取するのか、アドバイスをもらうのが一番です。
ですが、高額でもありますし、最初にお試しで自分の体を分析してみたい!という場合、
会社や市区町村で行われている健康診断の血液検査でも、わかる項目があります。
ちょっとご紹介してみますね。
栄養療法の血液検査の基準値一覧。健康診断でもわかる!?
精神科医で、分子養医学を専門とする姫野友美先生の著書です。
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この書籍の巻末に、とても分かりやすい健康診断結果の検査データの読み取り方がついています。(そのほかにも低血糖予防の食事のレシピなど具体的で初心者向けの内容。アトピーに加えてメンタルの不調もある人は読んでみるといいかも)
その情報と私が実際に分子栄養学のクリニックでいただいた情報を合わせて編集し、紹介してみます。
ここで言う分子栄養学の「理想値」は、健康診断のいわゆる「基準値」とは全く異なりますので注意してください。
項目 | 分子栄養学の理想値 | 何がわかる? |
総蛋白 | 7.0g/dl以上 | 血中たんぱくの量。理想値以上必要。 |
アルブミン
(Alb) |
4.5g/dl以上 | 肝臓で合成するたんぱく質の量を反映。理想値より不足でタンパク質とビタミンB群不足。むくみ、だるさ、薬の副作用が出やすい。 |
GOT
(AST) GPT (ALT) |
各20~25U/l | ビタミンB6不足、特にGOT>GPTではビタミンB6不足が激しい。 |
LD(
LDH) |
200U/l以上 | 低いとナイアシン(ビタミンB3)不足。神経過敏になりやすい。ただしアレルギーの人はナイアシン欠乏があってもこの値は高めになる。 |
総コレステロール
(T-cho) |
180mg/dl以上 | コレステロールは副腎皮質ホルモンの材料なので不足するとストレス耐性の低下になる。女性ホルモン不足にもなる。気分変調も出る。低いとタンパク質不足。 |
中性脂肪(TG) | 50~100mg/dl | 中性脂肪は脂肪そのものではなくリポタンパクといって脂質運搬体の量を測っているので、タンパク質の指標となる。高いと肥満と血管疾患のリスクだが、理想地より低いとたんぱく質不足で心身の機能低下。 |
尿素窒素(BUN) | 15~20mg/dl | タンパク質の代謝の指標。理想値より低ければタンパク質不足。理想値より高い場合は体のタンパク質が壊れて高くなっている。 |
尿酸
(UA) |
4~6mg/dl | 高いと痛風になりやすい。数値が低いのは核酸不足。核酸は細胞の若返りに必須。また、尿酸は活性酸素除去の働きもあるためビタミンEやCが必要。 |
MCV | 95~98fl | 赤血球の大きさを反映。理想値より低いと鉄不足の疑い。高いとビタミンB12と葉酸の代謝異常。 |
MCHC | 32%以上 | 赤血球の密度を反映。理想値より低いと鉄不足の疑い。高いとビタミンB12と葉酸の代謝異常。 |
ALP | 150IU/l | 肝臓や腎臓などで作られる酵素。基準値より高いと肝臓と骨の異常。酵素合成に亜鉛が使われるため、ALPが低いと亜鉛不足。 |
血清
フェリチン |
女性50ng/ml
男性120ml以上 |
肝臓に蓄えられている貯蔵鉄の事で、枯渇すると鉄欠乏性貧血になる。女性は年齢が高くなるほど左記の理想値もより高くなる。肝機能が悪いと数値が高くなる。 |
最後の項目、「血清フェリチン」は、健康診断などでは普通は調べません。ですが、実施機関によっては追加料金払ってオプションで調べてくれることもあります。
最近テレビでも「隠れ貧血」として特集されたことがあり、ちょっとメジャーになってきた感のある数値です。
ヘモグロビンが正常でもフェリチンが低いと隠れ貧血で、不調や代謝障害がでてきます。
数値が高いと健康診断でも指摘がされますが、低いと指摘されません。
ところが、数値が低い場合でも、慢性的な不調、アトピーの場合は皮膚の代謝阻害や疲労感や慢性的な炎症に悩まされることも多いです。
こうした数値から、
BUNが低くて、GOTやGPTも低いと、タンパク不足で酵素合成が滞っているなーとか。
ビタミンB群、ミネラルが不足して、代謝障害を来してるなーとか。
鉄とタンパク不足では、食事の糖質過多になってるんじゃないかーとか。
解釈ができ、食事やサプリメントを選ぶ手掛かりになるわけですね。
コレステロール値が高くて尿酸値も高い傾向のアトピーさんの場合は、抗酸化アプローチや、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)やビタミンE・Cが優先。
コレステロール値が低いアトピーさんは、たんぱく質不足なので、食事のタンパク質を増やし、消化力を高めるアプローチが大切。
同時に消化酵素を作る亜鉛不足があったら亜鉛が優先。
みたいに、同じアトピーでも必要なものが異なるわけですね。
(あくまで例です。実際は数値やほかの項目との絡みで指導内容が異なります)
数値が軒並み低いのに、マクロビや断食にはまるとアトピーこじらせてしまうこともあります。
逆に数値が高くて生活習慣病に傾いている人なら効果的でしょうしね。
毎日の生活習慣を決めるにあたっても役に立ちますね。
分子栄養医学で使う他の数値もまた詳しく書いてみたいと思いますが、健康診断結果でも、こんな感じで、大まかな体の傾向はつかめるでしょう。
栄養療法クリニックで血液検査を
ということで、念のため注意です。
実際の健康維持改善については、医師の診察を受けてください。
今回の数値はあくまで傾向、ざっくりです。
実際は、もっと多くの項目を見ますし、項目の数値の状況から、根本的な体の問題は何なのか?を、医師が深読みしてアドバイスをくれます。
人によっては、血液の栄養解析以外の検査が必要になる場合もあります。
分子栄養学を自分でも勉強しよう
より深く体で何が起きているかを知りたい場合は、ご自身でも勉強するといいでしょう。
勉強するときには、自称アドバイザーや素人などではなく、専門家の著書やサイトで勉強することをお勧めします。
一般向けに分かりやすく解説、啓蒙をしているサイトを挙げておきます。
【三石巌 先生の著書やサイト】
https://www.megv.co.jp/kouza3/kouza3_1.php
【分子栄養療法の医師の著書・サイト・ブログ】
溝口徹医師
宮澤賢史医師 (カンジダ・副腎疲労系はこの先生が詳しい)
https://www.orthomolecularmedicine.net/
【栄養療法の専門カウンセラー(渡米し専門に学んだ方)の著書・サイト・ブログ】
栄養医学研究所 佐藤章夫先生
私も利用させていただいております。
分子栄養学は医学としてすごく奥が深いですし、数時間の勉強で自分のサプリを決められるほど簡単なものではありません。でも、自分で何をしているかを正しく知っておくことは大切。ステロイドの使い方と同じようにね。
何度も言っていますが、人によって必要な栄養素、栄養素の量、アトピーの悪化因子も異なります。
同じアトピーでも、ある程度の傾向はあるにせよ、個々人によって異なるものです。
素人やアトピー経験者の経験談(私のサイト含む!!)「だけ」で判断しないことが鉄則です。
私はできるだけわかりやすく、それぞれの方のアトピー改善に役立つ「切り口」紹介できればと思っています。
あなたの体に必要なものを、正しい情報を元に選び取ってください。
おわりに・まとめ
分子栄養療法は、アトピー改善のための栄養摂取について、客観的に判断できる方法として有用だと思います。
私も実際に2つのタイプの異なるクリニックを受診し、専門家の関連書籍もいろいろ読みました。正直全ては理解できないけれど、自分のなかに明確な「栄養摂取のモノサシ」ができることで、迷いがなくなり、体調の検証や食事の見直しが効果的にできるんですね。
検査代、安くならないかなー。
臨床研究がもっと進んで、健康保険適用でやってくれたらいいのにね。