脱ステロイドのリバウンドについて症状から経過までまとめ

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脱ステロイド治療をおこなうと起こるリバウンドについて、私の経験も交えてまとめました。症状・経過・脱ステしてもリバウンドなしのケースについても触れます。ステロイドが効かないと感じたり、ステロイドを徐々に止めようとしていても、結果的にステロイドリバウンドが起こってしまうこともありますので知っておくほうがいいです。

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そもそもステロイドリバウンドとは?

ステロイドの外用剤を塗り始めた最初のうちは湿疹がよく治まっていたのが、長期連用によって、次第に効き目を感じなくなり、中止してみると当初のアトピー性皮膚炎よりもひどい皮膚症状に見舞われる現象です。

 

 

ステロイド依存について

ステロイドリバウンドを理解するには、まずステロイド依存と言う状態をわかっておく必要があると思います。

ステロイド依存は、より正確に言えば、「副腎皮質ステロイド外用剤依存」。皮膚へのステロイド外用剤(軟膏など)を長期にわたり連用した結果起こる状態です。

深谷元継医師らは、ステロイド外用剤依存を次のように定義づけています。

「ステロイド外用剤依存とは「ステロイド外用剤からの離脱後、治療前よりも重症で多彩な皮膚症状を呈してくるような状態をいう」

離脱前には、依存を起こした皮膚は通常、正常かステロイドでよくコントロールされていたよう に見えます。患者は何かが起きていると自覚することが多いです。例えば、ステロイド外用剤を使用し始めた頃よりも痒みが治まらないようになってきたり、湿疹が抑えられなくなってきたりします。治療抵抗性で痒みの強い痒疹様の皮疹が生じて残存する患者もいます。皮膚科医はしばしば痒疹はアトピー性皮膚炎でみられる慢性で治療抵抗性の皮疹だと説明しますが、実は依存のサインであることが多いです

「アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存」 より引用 (←クリックすると深谷医師のサイトに飛びます)

もしよかったら原文も見てみてくださいね。

 

今までステロイドを塗って症状が消えていたのに、なぜかステロイドが効かなくなってきます。
とはいえ、1日でもステロイドを塗らないと、症状が復活するので、止めるわけにもいかない状態です。
お医者さんはステロイドのランクを上げてきます。でも効かない。

でも、ステロイドを塗ったら余計にかゆくなる気がしてきます。気分の問題ではなく、実際にステロイドを塗ったところの痒さが依然に比べて増してきます。

今までのようにステロイドが効いてくれないけど、止めることもできないという状態です。

この「ステロイド依存」になっている場合には、ステロイドを止めざるを得ない。だって効かないんだもの。
そして止めると、ステロイドリバウンドという症状に見舞われることになります。

 

脱ステロイド リバウンドなしの場合もある

ちなみに、ステロイドを塗っても効かない状態に、

・ステロイド自体に接触性皮膚炎を起こしている場合
・ステロイド皮膚症
⇒ステロイド外用を長期連用して中止した際、ステロイドの外用を始める前よりも強い(あるいは多彩な)皮膚の増悪を来たしてくるような状態。ステロイドの副作用(酒さ・ざ瘡・皮膚萎縮)とは違うもの

というのもあります。

 

ステロイドの接触性皮膚炎は、ステロイドを止めてみたら逆に症状が改善するので割とわかりやすい。

ステロイド皮膚症は、ステロイドを止めると一時的に悪化はするけれど、リバウンド症状が出ないで回復に向かうことができる。

 

なので、ステロイドが効かなくなって中止したからと言って、すべての人にリバウンドが起こるわけではないんですね。

深谷医師は、リバウンドが起こる「ステロイド依存」とは別に「ステロイド抵抗性」についても言及されています。
ステロイド抵抗性は、純粋にステロイド外用剤の効きが悪い(悪くなる)現象のことを言います。

ステロイドの効き目が悪くなる原因の一つが、皮膚表面の、黄色ブドウ球菌が産生するスーパーアンチゲンが関係することが、現在では明らかにされています。
それ以外にもステロイド外用剤そのものも考えられるのですが、それを臨床で確定するのは難しいのだそうです。

そして、ステロイド抵抗性になった場合の対処法としては、

1)ステロイド外用剤の中止(休薬により回復するかもしれない)
2)黄色ブドウ球菌など、抵抗性を引き起こすことが明らかにされている要因への対策
3)ステロイド以外の薬剤への変更

を挙げて、1か2がまずは試みられるべきともおっしゃっています。
「塗ってもきかない」― ステロイド抵抗性  (←クリックすると深谷医師のサイトに飛びます)

 

脱ステロイド リバウンドの典型的症状

ここでも深谷医師の説明から引用させていただきます。(本当にこの先生の著書にはお世話になりました)

 

ステロイドを中止すると、治療抵抗性の湿疹が残っていた部位に紅斑が生じ、日々ゆっくりと拡大していきます。元々あった厚みを持った湿疹(上述のように痒 疹が混在している)は平坦化し、拡大する紅斑との境界は不明瞭となっていきます(図1b)。このリバウンドの皮疹はステロイド外用剤を塗ったことの無い部 位にも広がります。典型的なリバウンドの皮疹の広がり方は、顔から首、上肢、体幹、そして下肢へというものですが、ほかにも様々なパターンがあり ます。時には、リバウンドの皮疹は、ただ一本の指にあった湿疹から始まり、腕、体幹、顔、下肢そして全身へと広がることもあります。湿疹が存在した一本の指以外にはステロイドを塗ったことが無いにも関わらず、です。

 

以下、わかりやすくまとめ直してみます。

ステロイドリバウンドの見分け方とは?

・もともとの患部が平らになり、赤くなる
ちょっと盛り上がっていたいつものアトピー部分が、だんだん平らになり、赤みが増し、その範囲が広がっていきます。じわじわと毎日拡大していく感じです。

 

・ステロイドを塗っていなかった部分にもどんどん広がる
だいたいアトピーって関節部分に左右対称によく出ますよね。リバウンドの場合はそういうアトピー的な特徴はなく拡大します。
顔や上半身から広がり、下半身へ進むことが多いといいます。

 

・手首から先、手のひら、足の裏は出ない。
リバウンドの症状は、ステロイド塗っていないところにも容赦なく広がるのですが、手のひらと足の裏には出ないです。
あと、手首でくっきり線を引いたように止まり、末端の手のほうへは炎症が進まないです。
私は手首足首から先はツルツルできれいなお肌でした。

 

リバウンドの進み方

・リバウンドの皮疹は潮紅と紅斑(滲出液がでることも出ないこともある)
リバウンドでひろがるのは最初は赤みです。
赤いと言っても、なんとなく紫色がかったような感じもありますし、赤茶色い感じのものもあります。
浸出液は出ることも出ないこともあります。出る人は派手に出ます。皮膚がむくんだようになり、表皮が薄くなって、ちょっと触るくらいで破けてしまう頼りない皮膚になってしまいます。

 

・重症の場合、丘疹、膿疱、びらんなどを含む多彩な皮膚症状、高熱が出る場合がある。
ひどい人は、肌がぼこぼこになり、膿も出ます。熱が出る人もいるし、寒気がする人もいる。

 

・赤く滲出性のリバウンド期に引き続いて、皮膚が分厚い落屑を伴い、乾燥がひどくなる時期がきます。
この時も皮膚はかゆいです。しかもとても敏感になり、刺激に弱くなります。

 

・乾燥と落屑の状態が治る途中で、ものすごく汗をかいたり、寝汗が出たり、蕁麻疹が出たり、いろいろおきます。
これは皮膚が正常化するサインなのでつらいのですが、耐える必要があります。

 

・だんだん肌の過敏さや不調がおさまってきます。もともとのアトピーの状態に戻るか、アトピーがなくてステロイド依存による皮膚炎だけだった場合はきれいな肌に戻ります。

ステロイドリバウンドの症状がなくなったとしても、もともとのアトピーが残っていたら、そこから本来のアトピーの根本原因の対処に向けて治療しないと、つるつる肌にはならないので、基本のアトピー対策はリバウンド中から並行して行っておいたほうがいいですね。

 

脱ステロイド リバウンドの期間は?

ステロイドリバウンドの期間は、人により様々です。

リバウンド反応のピーク(真っ赤になって汁ダラダラの状態)も、数日で終わる人もいれば、2,3か月続く人もいます。
ピークを終えてからの乾燥肌状態になってからも、数ヶ月から時に数年かかると幅が大きいです。
リバウンドの見た目も進み方も、いろんなタイプがあります。こちらに写真が載っていますので、参考にされてください。

一言でステロイドリバウンドと言っても、一気にブワーっと症状が出た後1年くらいでおさまる人もいるけれど、全身症状がダラダラ長く続く人もいて、バリエーションがあるのがわかります。

 

ネット上でいろんな人の体験談見ているんだけれど、割と短期で離脱できる人と、長くかかる人がいる気がしたのですが、やっぱり症例を多く見ている医師のところでもそういうタイプがいろいろあったので、納得した記憶があります。

 

私の場合は、腕の関節から腕全体に広がるのと、首からデコルテ周り(Tシャツから見える範囲にくっきり!!)広がりつつ、顔にも進行。その後腕からと胸からの広がりが合体し、お腹、下半身とどんどん広がりました。浸出液も大量に出たんですが、乾燥も同時にひどくなり、きれいになるまでかなりの時間を要しました。
見た目は上記サイトのタイプ5の感じが一番近いです。

 

つらいんですよねー。汁が停まってから乾燥の時期がすっごい長かったんですけど、もう2度と普通の肌には戻れないんじゃないかと何回も絶望しましたわ。痒いし睡眠不足だしで体力も気力も奪われて悲惨でした。

 

リバウンド期間が何カ月とか、勝手に民間療法の人が目安を言っているけれど、そんな単純なものじゃないです。

先の見通しがつかないって、生活していくうえで厄介だから、何かしら目安が欲しいと患者側は思ってしまうんだけれど、フタを開けてみないとわからないってのが現実なんですね。

 

脱ステロイドしてもぶり返しがある?

ステロイドリバウンドで一旦症状が良くなったものの、また症状がぶり返して絶望的な気持ちになることもあります。ぶり返しが2回3回とおこることもあり得ます。
勘弁してくれと悲観的になるんですが、一度目のリバウンドの時よりは軽いことが多いです。くじけないこと。
リバウンドから回復してきた肌は、すごく敏感になっていて、ちょっとした外的刺激でも炎症を起こしやすくなっています。カビ・ダニ・細菌・化学物質・花粉・日光などなど、外的刺激がきっかけでぶり返すことが多いです。
悪化因子をしっかり特定して避けるとか、スキンケアを見直すなどで対処する必要があります。
ぶり返しで症状が悪化した時って、最初のリバウンドとは違って、原因が別にあってはっきりしていることが多いんです。

 

私も、浮遊菌とか、引越し先の壁紙の薬剤とか、花粉とか・・・。リバウンド前には大して気にしていなかったものにえらく反応して悪化して落ち込んでを繰り返しました。

 

この段階で、脱ステにしんどくなって、皮膚科に行ってステロイドを再開される方もたくさんいると思います。
ステロイドリバウンドの期間が長い方は、途中でまたステロイドを使うのに戻る人も多いですし、最近では標準治療の方法もTARCの活用や薬の強度などいろいろ見直しが行われているので、目新しく感じる人もいるようです。

 

しばらくステロイドを使わずにいて、久しぶりに使うと、以前のように効き目が出てくれることも多いです。
その時点でステロイドが効くなら、対処療法として一時的にステロイドを使うのはアリです。

脱ステに挫折したような気分になって最悪って感じる人もいるかもしれないです。
ですが、ステロイドを途中で使ったとしても、最終的に離脱できないわけでもないので、気落ちせずに柔軟にやっていくといいです。私も一度脱ステしてもう一度ステロイドやって、減らして止めましたからね。

一番良いのは、ステロイド離脱に詳しく、協力体制を作ってくれるお医者さんにかかることです。

 

ステロイドリバウンドなんて嘘?医師によって異なる見解について

ときどき皮膚科のホームページなどで、
・ステロイドリバウンドはない。治療前の状態にもどっただけ
・ステロイドは副作用はあるけれど皮膚に塗る分には安全
・皮膚から吸収されるステロイドは微量なので全身的な副作用はない

といった内容が書かれていることがありました。

 

また、アトピー性皮膚炎の標準治療について掲載が詳しい九州大学のホームページでも、

3.長期間使っていると慣れてきて強いランクの薬でも効かなくなる
どんなに長く使ってもステロイド外用薬が効かなくなることはありません。皮膚の炎症の強さに合ったステロイド外用薬を使わないと塗っても効かないと思うことがあるかもしれません。主治医に患部を見せ、適切な強さのステロイド外用薬を使うことや塗り方をチェックしてもらうことが必要です。

 

7.やめると「リバウンド」が起きてひどい状態になる
ステロイド外用薬を使って皮膚の炎症を抑えている途中でステロイド外用薬をやめてしまうために、炎症がぶり返して以前よりさらに悪化したように思うことを「リバウンド」だと思っている人がいます。皮膚の下の炎症までしっかりと治療してからやめると、すぐに悪化するということはありません。

と掲載があります。

http://www.kyudai-derm.org/atopy/patient/02.html

 

確かに、現在の日本の皮膚科の教科書的には「ステロイド依存」も「リバウンド」もないことになっています。
あくまで教科書的に。

 

それに対して、脱ステロイド療法の深谷医師は、「ステロイド依存」という状態を臨床で経験していることから、リバウンドはあると言うことを明言されてきました。海外の論文も研究され、臨床でも実際に多くの患者さんを診てこられた結果からです。
「本当は怖い『脱ステロイド』:アトピー性皮膚炎の治療」というサイトについて(3)

 

このように医師によって見解が異なります。

 

私は、自分の経験からステロイドリバウンドはあるという立場です。ステロイドが効かなくなることももちろん経験があります。
深谷医師の著書にはステロイドリバウンドの経過について、写真付きで詳細に記載がありますが、自分の経験と照らし合わせても当てはまります。

私は1歳からすでにステロイド軟膏を使うようになり、長期連用をしてきました。

 

本来、ステロイド軟膏の連用は2週間が限度と言われています。
悪化したらステロイドを使う生活でしたが、一回の連用は2週間どころではありませんでした。何カ月も、毎日ちゃんと塗るように皮膚科医に指導されました。

 

ステロイドが効かなくなってもステロイドを出し続ける医師に対して、患者側は不信感を抱かざるを得ません。長いこと通っても治らない場合患者は医者を変えます。
そんな状況なので、多くの皮膚科医はステロイドリバウンドから回復させるまでの過程を診察する機会がないのかもしれません。

 

おわりに

ステロイド軟膏の使い方が正しければ、このようにリバウンドなど起こらないのかもしれません。

ですが、すでにステロイド軟膏の長期連用で、私と同じようにステロイド依存に陥った人がたくさんいたのも事実です。
ステロイド依存になって、ステロイドリバウンドを起こして、離脱症状に苦しんで、長引いて、結局ステロイドを再開しておられる方もたくさんいます。
一旦薬を休むと、またステロイドの効き目が復活するので、炎症を抑えることに成功した方もいらっしゃるでしょう。その間に悪化因子の排除ができ、生活習慣を見直されていた方は、近年のステロイド再開ですんなり改善していく場合もあるでしょう。この場合、患者の苦しみのピーク(リバウンドのピーク)を皮膚科の医師が診ることはありません。

 

でもステロイド依存は存在します。それはステロイドの使い方に問題があるからです。
長期にわたりステロイドを延々処方される医師もいらっしゃったことは事実です。

ステロイド軟膏の使い方、処方については厳密に行ってほしいですし、患者側も正しい使い方を自ら学ぶべきだと感じます。

 

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tきらり

きらり です。

小さい頃からずっとアトピー。大人になっても悪化の一途。

いわゆる全身ステロイドリバウンドも経験しましたが、働きながら完治させました。もう長らく、ステロイドは使っていません。


その実体験を元に、良かったこと、悪かったことを、知っておくとよいことを、みなさんにシェアしたいと思います。


ちなみに、ステロイド完全否定派ではありません。ステロイド治療も代替医療も両方の良いとこどりで、いかに私生活と治療を両立させるかがモットー。人生の中心は病気の治療じゃないよね。やりたいこと楽しむためのものだよね。

こうして公開することは想定していなかったので、全身ボロボロの時の写真は残っていないけど、ラストスパートの時はこんな感じ。


ダラダラとステロイド付けていた部分は頑固だったなぁ・・・
アトピー完治


今日も仕事から帰って、せっせとブログ更新してます。ときどき見に来てください。


【お願い】 運営者きらりは元患者の立場であり、アトピーを職業にする気持ちはありません。アトピーに関する執筆・講演等やお仕事コラボのご依頼は申し訳ありませんが全てお断りしています。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。