アトピーなら油は必ず選べ!オメガ3・6・9の結果を出す食べ方

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アトピーの改善には食事の油の知識が不可欠です。意外と分かっていないオメガ3・オメガ6・オメガ9系の油の選び方や食べ方のバランス、ココナッツオイルなどの性質など、押さえておきたい点をまとめます。

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アトピーの原因になる油!選び方はどうしたらいい?

アトピー性皮膚炎の改善には、食事の油の質を改善する必要があります。

 

食生活の欧米化に伴い、肉を食べることが多くなったり、パンやお菓子など、植物油脂を使用した食べ物が多くなりました。実際、厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」でも、サラダ油やコーン油、マヨネーズ、べにばな油などの使用が激増しているという報告があります。

この食生活の変化により、アトピーの発症が多くなったという説はとても有力。
食事の油に気を付けたら、アトピーの炎症が楽になった、治ったという話は枚挙にいとまがありません。

 

その反面、極度な油抜きの食生活をした結果、かえってアトピーの治りを遅くしている人の話も耳にします。

脂質は、脂溶性のビタミンA・D・E・Kなどの吸収を助けたり、体内で各種ホルモンの材料ともなる栄養素です。細胞膜を維持しているのも脂肪ですし、皮膚の表面でバリア機能をになっている皮脂だって脂肪です。

 

過度な制限を行うと、ホルモンバランスを崩して炎症が治まらなかったり、肌の乾燥をひどくしたりします。

そうならないためにも、良質な脂質を適度に食事に取り入れるのは重要です。

 

アトピー改善に知っておきたい脂肪の種類・分類

脂肪には2種類の分類方法があります。

 

◆炭素の数で分ける方法(長鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・短鎖脂肪酸)

◆炭素の二重結合がいくつあるかで分ける方法(飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸)

があります。

 

もしかしたら、なんちゃら脂肪酸という呼び方はあちこちで聞いたことがあると思いますが、飽和・不飽和と、長鎖・中鎖というのはちょっと別の話です。

 

長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸の違い

炭素の数の違いによる分類で、炭素の数が多い=鎖長が長いと分解されにくく、短いと、分解されやすいといわれています。

 

・短鎖脂肪酸=炭素のつながりが6以下
・中鎖脂肪酸=炭素のつながりが8~10
・長鎖脂肪酸=炭素のつながりが12以上

 

という分類になります。ただ、炭素のつながりの数をどこまで長鎖としてどこから中鎖というかは諸説あります。

 

多くの植物油やラードや牛脂などの動物性脂肪は長鎖から成り立っています。
ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸の割合が多いと言われております。体内で蓄積しにくいといわれるためダイエッターに人気です。

 

短鎖脂肪酸は、腸内で乳酸菌が食物繊維を分解して生成しています。

 

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

基本的には、
◆炭素の二重結合がない=「飽和脂肪酸」=脂 =常温で固体
◆炭素の二重結合がある=「不飽和脂肪酸」=油 =常温で液体

ただ、脂肪酸の種類の割合にもよるので、100%当てはまらないこともあります。

 

飽和脂肪酸は主に、牛肉や豚肉、乳製品など動物性の脂肪に多く含まれています。植物性の脂肪では珍しく、ココナッツオイルが多く含んでいます。

飽和脂肪酸は体内で合成できる脂肪なので、必ずしも食事からとる必要はありません。
今話題のココナッツオイルについては、特に必須の脂肪酸ではありません。
アトピーに関しては特によくも悪くもありませんし、積極的に摂る理由もありません。
ただ、加熱しても酸化に強いという点が唯一評価できるところです。

 

アトピーなら油の種類、オメガ3・6・9の別を知るべし

不飽和脂肪酸は、体内で合成できないものがあるので、食事からとる必要があります。
不飽和脂肪酸は化学構造の違いから、「オメガ3」「オメガ6」「オメガ9」とさらに細かく分類され、それぞれ性質や体への影響が異なります。

不飽和脂肪酸のうちオメガ3とオメガ6は体内では作り出せません。食事などを通して外から補わなければならない「必須脂肪酸」と呼ばれ、摂らないといけない油です。
オメガ9は体内でも合成できる脂肪です。

 

ところが、必須脂肪酸のうちのオメガ6に関しては、大量摂取してしまうと、体の炎症をひどくすることが知られています。

オメガ6のリノール酸は、体内でアラキドン酸に変化します。
アラキドン酸はアレルギー反応やアトピー症状を促進させる原因物質のプロスタグランジンE2に変化します。
アラキドン酸が増えると、血液にも粘りが出て、血管が収縮し、皮膚の症状を悪化させます。

 

アトピーの悪化因子として対処療法的に油を摂らないようにという話がよく聞かれるのですが、最近の研究では、免疫系にも悪影響が出てくることが示唆されております。外部からの病原体に過剰反応するようになってしまい、アレルギーが引き起こされるようになるのだとか。
油の摂取が直接的にアレルギーの原因になってきているという見方も強くなっています。つまり、今ある炎症を悪化させているだけではなく、アレルギー体質を作ってしまうことにもなるって話ですね。

 

もう一つの必須脂肪酸、オメガ3は、DNAのメチル化調節を介して新生児の免疫系発現(アレルギー抑制)に影響してるのでは、という海外論文も出てきております。

最新の研究では、2015年10月に、京都大学 椛島健治 医学研究科教授および本田哲也 同特定准教授らの研究グループが、魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸由来の脂質が、皮膚のアレルギー反応を改善させることを世界で初めて証明されております。

(米国科学誌「The Journal of Experimental Medicine」誌に掲載)

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(引用元:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/151005_1.html)

昔から魚油は皮膚の炎症抑制作用があると言われていましたが、きちんと研究で証明されたんですね。
最近は、昔からの食や栄養の効能が科学的に裏付けされることが多くなってきて興味深いです。

 

★主な食用油の分類は以下の通りです。

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アトピーに関してはオメガ6の過剰摂取をやめ、不足しているオメガ3を摂取する必要があります。

「第6次改定日本人の栄養所要量について (厚生労働省)」によれば、理想の摂取比率は、
健康な人で

「オメガ3」: 「オメガ6」=1:4

とされています。

 

じゃあ、不健康な人は??アトピーの人は?というと、明確に言っている人はいないのだけれど、杏林予防医学研究所所長 山田豊文さんなどは、1:1ぐらいにしても良いと著書で言ってます。

 

正直そこまでやるの?っていう賛否両論はあるようですが、日本の食生活にはオメガ6が入り込んでいるので、そのくらいの気持ちで入れ替えしても、なかなかオメガ6を全部減らすことはできないという意味にとらえるといいかもしれません。

 

よく見ていただくと、大豆油はオメガ6で、炎症を悪化させるんですよね。

玄米菜食で、肉や魚や卵を一切食べず、タンパク質を大豆だけで摂っている人は、知らず知らずのうちオメガ6をたくさん取り入れていることがあります。豆腐や大豆肉、豆乳を好んで飲んでいて、イマイチ調子が良くない人は注意してみるといいかも。

 

オメガ9に関しては、アトピーの炎症をひどくすることはないと言われます。体内で作れる油なので、あえて摂取する必要もないです。

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ただ、加熱に強く酸化が穏やかなので、加熱調理に適していると言われます。

 

アトピーへのトランス脂肪酸の影響

不飽和脂肪酸はさらにトランス脂肪酸とシス脂肪酸に分類されます。
この違いは、分子構造の違いによるものです。

 

アトピーでも大きな問題になっているのが、トランス脂肪酸。

トランス脂肪酸には、人工のものと天然のものがあり、天然のトランス脂肪酸は牛肉の脂肪や乳脂肪に少量含まれています。

人工のトランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を多く含む植物油の融点を上げるために水素を人工的に添加することによって作られたものです。

具体的には、マーガリンやショートニング、ファーストフードのフライを揚げるときの油です。
また油を高温度で加熱することでもトランス脂肪酸が生成されてしまいます。
シス型の油脂を200℃を上回る温度で加熱すると、分子の激しい熱運動により一部が自然にないトランス型に変わってしまいます。180℃程度の天ぷら温度でも、多少はトランス化が起こり得ます。

 

だから厳密にはオメガ9のオリーブオイルやゴマ油で作った天ぷらやフライなんかもやめたほうがいいんですよね・・・。
特に重症アトピーの時期にはやめておきましょう。治ってから食べればいいです。

 

このトランス脂肪酸が細胞膜に入り込むと細胞膜自体が弱くなります。細胞は、細胞膜を通じて、有害物質の排泄や栄養素の取り込みを行っていますが、細胞膜が弱くなっていると細胞内外のやり取りが不完全になります。皮膚だと外部刺激に弱くなってしまう。

 

トランス脂肪酸の害については欧米諸外国と比べて、日本は対応が遅いです。日本では、トランス脂肪酸の総量を自主的に低減するよう事業者に求める動きはあります(農林水産省)が、現在トランス脂肪酸の表示義務や上限値の設定はないため、消費者が見極めて商品を買わなくてはなりません。

アトピー肌を強くするには食事の油の改善は不可欠です。

 

アトピーさんの食事におすすめの油と食べ方の注意!

一旦まとめますと、

・アトピー改善のためには、オメガ6を減らして、オメガ3脂肪酸を摂取する
・トランス脂肪酸を含む食品はすべてやめる

ということになります。
あと、できれば、

・トランス脂肪酸を生成してしまう、高温調理した揚げ物も控えたほうが無難

となります。

では、具体的にどんな油を食べればいいのかというお話です。

 

亜麻仁油 エゴマ油 しそ油

先ほども表で見たように、オメガ3系の脂肪酸を含むのは、
亜麻仁油(フラックスシードオイル)・しそ油・えごま油などαリノレン酸を含む油になります。

食用に販売されていますが、欠点は、酸化しやすく、加熱に弱いということです。
製品によって品質のばらつきも多いです。

必ず、「低温圧搾(コールドプレス)」と明記されたもので、新鮮なものを購入し、ドレッシングを作ったり、直接飲んだり、生でいただくようにします。そして短期間で消費してしまう必要があります。

 

月見草油・ボラージオイル(γリノレン酸)

月見草油、ボラージオイルと言われる油は、食用ではあまり出回っていません。
基本はサプリメントになります。
月見草油やボラージオイルに含まれる、γリノレン酸については、、基本的にはオメガ6のリノール酸から体内で合成される脂肪酸です。

 

しかし、アトピーの人の一部では、栄養素、代謝酵素の不足から、体内でγリノレン酸が作り出せない人がいます。

γリノレン酸は、体内で炎症抑制に働く脂肪酸であるため、不足によりアトピーの炎症が悪化している場合、サプリメントでの摂取により補うと改善することがあります。
ただ、すべての人がそうではないので、難しいところ。

γリノレン酸は、そのほかにも、PMS(月経前症候群)の改善効果もあります。

 

魚油 (DHA・EPA)

魚の油に含まれるDHAとEPAも、アトピーの炎症抑制に働く脂肪酸です。
魚を食べれば摂取することができます。また、αリノレン酸と違って、加熱調理にも強いのが特徴です。通常調理(加熱)だけで一気に酸化したり成分が変質することはありません。

焼き魚にした場合、魚の表面の魚油(DHA,EPA)は酸化しますが、内部の魚油は酸素と結合しないので酸化しません。
煮たり蒸したりすれば、表面の魚油も内部の魚油も問題なくいただけます。

焼いたり蒸したりして脂肪分を落としてしまうと、魚油をいただくことができなくなるので、刺身、煮付け、南蛮漬け、鍋料理、ホイル焼きなどにして、油やスープまで残さずいただくのがベストです。

ただし、長い時間、空気(酸素)にさらされることで徐々に酸化はしていきますので、新鮮なうちに、調理してすぐに食べるに越したことはありません。

 

実はDHAやEPAは、αリノレン酸から体内で合成することができる脂肪酸です。

しかし、変換するためには2つの酵素(δ-6-脱飽和酵素とδ-5-脱飽和酵素)が必要になります。

この酵素をつくる際に必要となる栄養素が、
★ δ-6-脱飽和酵素にはビタミンB6、マグネシウム、亜鉛
★ δ-5-脱飽和酵素にはビタミンC、ナイアシン(ビタミンB3)、亜鉛

が必要になります。

(オメガ6からγリノレン酸を作るときも同じく必要)

 

ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウム・亜鉛が体内に不足していると、この酵素が作られないため、最強の抗炎症作用の脂肪酸であるDHA・EPAが作れません。

日ごろからストレスにさらされている人だと、どの栄養素も通常より多く消耗するため、不足している傾向にあります。
となると、亜麻仁油やえごま油をせっせと食べていても、一番アトピーの炎症を抑えてくれる脂肪酸まで変換ができていない場合も多いのです。

 

だったら、積極的に魚を食べて魚油でDHA・EPAを摂取するのが近道ということになりますね。

栄養学的な魚油の推奨摂取量は、健康な成人なら1日あたり1-3g、
アトピー、アレルギーなどの炎症がある場合には4-6gと考えられています。

 

かなりアバウトな目安ですが、1~2gのDHA・EPAであれば
サンマだと半尾ほど、焼きイワシなら(小型)2尾ほどで摂取できます。背の青い魚には豊富なので、肉より魚を食べればよいことになります。

 

しかし、重症のアトピーでかゆみが酷い場合、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、イワシ青魚を食べるとかゆみが増す人がいます。
鮮度が落ちた魚には、かゆみ成分のヒスタミンが増えているためです。

魚に含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンを多く含んでいます。魚の鮮度が落ちてくると、ヒスチジンをヒスタミンに変える酵素を持っている細菌が増殖して増えていきます。

ヒスタミンは102℃で3時間加熱しても一部しか壊れないため、焼いたり煮たりしてもいったん増えたヒスタミンは減りませんのでご注意を。

だから、魚は新鮮なものを食べるようにしたいところ。

新鮮な魚を食べても、かゆみが増すようなら、無理に食べずに、DHAやEPAのサプリメントを摂るか、亜麻仁油やエゴマ油を取りながら、ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウム・亜鉛も不足しないようにするか、ですね。

 

おわりに・まとめ

・アトピー改善のためにはオメガ3を多く、オメガ6を減らす
・トランス脂肪酸はとにかく排除
・最強は魚油のDHA・EPA
・加熱用にはオメガ9系の油かココナッツオイルを(ただし揚げ物は避ける)

 

オメガ3の油で、亜麻仁油やエゴマ油をとっても大して効果が感じられない人や、魚を食べるとアトピーのかゆみが悪化してしまう人は、DHAやEPAのサプリをとってもいいかもしれないですね。それ以外の人は、おかずは魚を食べるようにすればOKです。

その場合でも、トランス脂肪酸は完全排除、日常摂取しているオメガ6を置き換えという趣旨を忘れずに!

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tきらり

きらり です。

小さい頃からずっとアトピー。大人になっても悪化の一途。

いわゆる全身ステロイドリバウンドも経験しましたが、働きながら完治させました。もう長らく、ステロイドは使っていません。


その実体験を元に、良かったこと、悪かったことを、知っておくとよいことを、みなさんにシェアしたいと思います。


ちなみに、ステロイド完全否定派ではありません。ステロイド治療も代替医療も両方の良いとこどりで、いかに私生活と治療を両立させるかがモットー。人生の中心は病気の治療じゃないよね。やりたいこと楽しむためのものだよね。

こうして公開することは想定していなかったので、全身ボロボロの時の写真は残っていないけど、ラストスパートの時はこんな感じ。


ダラダラとステロイド付けていた部分は頑固だったなぁ・・・
アトピー完治


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