
アトピーのかゆみを軽減できる対処法で私が実践してきたものをまとめました。
ピタッと止められるかゆみもあれば、そうでないかゆみもあります。
掻くなと言われても難しいのがアトピーのかゆみですが、掻くことで細胞からかゆみの原因となる物質がよけいに出てしまい、かゆみが強くなるという悪循環も引き起こします。少しでも軽くできるように工夫していきましょう。
もくじ
アトピーのかゆみを我慢する方法は?掻かないための対策
最初に、アトピーのかゆみには種類があります。
・皮膚の表面で起こっているかゆみ
・体の内部から沸き起こるかゆみ
アトピーはかいても悪いことはないのですが、肌に傷をつけないに越したことはないですね。
体の内部から沸き起こるかゆみは、皮膚に対処したところで、全く太刀打ちできないケースがほとんどですから、別途地道な対策が必要になります。
純粋な皮膚のかゆみは、引っ掻かなくても、ある程度刺激を与えることで対処できます。
まずは単純な「皮膚のかゆみ」の対処法を押さえておきましょう。
アトピーのかゆみのある部分を叩く
引っ掻くと傷になるので、叩くことでかゆみを軽くする方法です。
ある程度効果があります。
ただし、顔に行うときは要注意。目の周りは厳禁です。
目の周りのかゆみを叩いていたら網膜剥離を起こしてしまった事例が報告されているのでやめましょう!
手足や体なら許容範囲です。
ただ、そんなにかゆみ除去効果もないと思います。掻かないために叩くなら、別の方法が良いかも。
アトピーのかゆみのある部分をさする
爪を立てて掻くと傷になるので、手のひらや指の腹で患部をさすります。
あんまり強い力で表面のみをさすると、摩擦で皮膚が破けることがありますので、力加減は調整が必要です。
アトピーの部分って皮膚が薄くなっていますから注意しながらやります。軽くさするようにします。
手を密着させて、皮膚表面に摩擦を起こすのではなく、マッサージするように皮膚を動かす方法もいいですよ。
あ、布を使うのはやめてください。爪でつける傷よりも、摩擦で起こった擦り傷のほうが治りが悪い上、痛みも激しいです。後悔も大きい(汗)
アトピーのかゆみのある部分を温める裏技
皮膚のかゆみは、患部が温まって血行が良くなるとひどくなります。
なのになぜ温めるのかと言えば、温めた後に、反動で皮膚表面が冷えて血管が収縮してくれるから。そのときにかゆみが引くのです。
暖かいおしぼりを用意し、患部を温めます。じわーっと温めてからぱっとおしぼりを取ります。その時にかゆみが引きます。
もしくは、温めた濡れタオルを患部において、そのままタオルの温度が下がるに任せて放置。
乾燥性のアトピーの場合は保湿効果も相まってかゆみが引いていきますので、おすすめです。
夏だと寝る前にこれをやって冷えていくタオルと一緒に眠りに落ちる事ができたら快適です。布団に水漏れに注意が必要なので、タオルを固く絞って皮膚に当てて、その上からサランラップ。冬にやると風邪ひくのでやるなら夏にしたほうがよいかと思います。
温めるというと、みんな一度はやっている、熱いシャワーをアトピー部分にかける!!
いやー気持ちいいですよね(体験者本音・・・)お湯が熱いほうが特に気持ちいいですよね。癖になりそう、というかなっている人多数・・・。
シャワー中にはかゆみが止まるように感じるのですが、実質皮膚を軽くやけどさせているようなものですから、お肌には良くない!。
皮膚の表面の皮脂を奪って細胞を傷め、乾燥肌を招きます。引っ掻くのと同じように皮膚にダメージになってます。ほどほどにしましょう・・・。風呂上がりの保湿とペアでやってね・・・。ていうかやめてね・・・。
ドライヤーの熱風をあてる(!)というのもありますが止めましょう。乾燥とダメージで皮膚の治りが遅くなります。(気持ちは恐ろしくわかるのですが)
アトピーのかゆみのある部分を冷やす
患部を冷やして血管を収縮させ、皮膚のかゆみを軽減します。
特に皮膚が赤く炎症を伴っているアトピーには効果を一番感じるかと思います。
日常でも一番実践しやすいので多くのアトピー経験者や医療関係者がお勧めされてることでしょう。
ただこの方法にも欠点があって、冷やした後に血管が反動で拡張するので、その時にかゆみがぶり返すことです。
あとやり過ぎると患部の血行不良で傷の治りを阻害することでしょうか。それでも引っ掻き傷だらけにして皮膚を傷めてしまうよりははるかにマシなので、かゆみのストレス軽減策として実践されるといいですね。私も良くやっていました。
冷やすのもいくつか方法とコツがあるので、次で詳しくご紹介してみたいと思います。
アトピーのかゆみの対処法ですぐできるのは冷やすこと
アトピーのかゆみに対処する方法としては、冷やすのが現実的に一番手っ取り早くて即効性があります。そのうえ肌へのダメージが一番低いのです。
何でどのくらい冷やすかが大切なので、私がやってきて良かった方法をシェアします。
アトピーのかゆみのある箇所に保冷剤をあてる
スーパーやケーキ屋さんでもらえる、お持ち帰り用の保冷剤がちょうどいい大きさなので重宝します。
繰り返し使えますしタダでもらったやつが冷凍庫にはいっていたらそのまま使えばいいです。
持っていない人はアイスノンで小さめサイズを買うといいです。ソフトタイプなら患部にやわらかくフィットするので、手足の関節部分にも使いやすいです。8~10時間も保冷効果が続くので便利です。
保冷剤を木綿やシルクのハンカチでくるんで患部にあてます。
直接患部にあてると冷え過ぎて痛いですし、保冷剤を外した時に反動で血行が良くなってかゆみがぶり返すことがあります。
包む布の生地は、薄手のタオルでもいいですが、冷たさの伝わり具合をいろいろ試した結果、木綿かシルクが一番よかったです。皮膚に刺激も少ないです。タオルだと冷えなさすぎるし、ケバだっているので刺激になる感じがありました。
浸出液がひどい人は保冷剤にラップを巻いて、その上にハンカチを巻いて使うと保冷剤が汚れなくていいです。さらに患部にラップしておいてその上から冷やすといいですね。
アトピーのかゆい所を濡れタオルで覆う
保冷剤がない時や、患部が乾燥していてつらい時には、濡れタオルが重宝します。
水にぬらして固く絞ったハンドタオルを患部にあてて放置です。
冷たい温度が維持しやすいのと保湿効果も狙って、この場合はタオル地を使うのが一番いいと私は感じています。
夏は首に濡れタオルを巻いておくと暑さも引いて一石二鳥です。
タオルは清潔なものを使うことと、よごれたらこまめに洗ってくださいね。
アトピーのかゆい部分にスプレーをかけて冷やす
スプレーボトルに水を入れておき、かゆい部分にシュっと吹きかけます。
スッとかゆみが引く感じがしますね。これも手軽にできる方法です。
夏は特にお勧めで、汗ばんでかゆい部分にスプレーで水を吹きかけて拭き取ると、冷やしてかゆみ軽減効果と、肌を清潔にする効果と両方できます。
吹きかけるのは通常の水道水でもいいです。ただ、塩素が気になる人は精製水が一番。薬局で売ってます。アベンヌウォーターとか温泉水のスプレーもいいですね。肌に合うものがあれば使っていきましょう。
化粧水を使う場合は肌に合ったものをつかわないと却って刺激になり、かゆみを誘発していまいます。なにより頻繁に使うにはコストが高すぎると私は思います。
お勧めは、蒸留水やミネラルウォーターに、ハッカ油を混ぜたものをスプレーすること!
小さめの清潔なスプレーボトル(100mlくらい)に水を入れて、そこへハッカ油を2~3滴入れてよく振ります。
これを患部にスプレーします。スーッとしてかゆみが引いて気持ちいい!!
ハッカ油は水と分離しますので、スプレーする都度容器を振ってくださいね。
あと、目に入らないように注意してください。
安くて効果があって私の中では最高の方法です。
写真は、旅行のお土産でもらったものです。大き目のドラッグストアに行けば、日本薬局方でも販売されていますので、割と簡単に手に入ると思います。
アトピーは汗でかゆみがでるので対策は必須
冷やす対策と同時に、夏は特に、汗の処理も一緒に行いましょう。
汗ばんでかゆい時は、保冷剤で冷やすのではなく、スプレーで水をかけた後に拭き取るか、濡れタオルで優しく患部をぬぐうようにしましょう。
汗の成分が皮膚に刺激となってかゆみを誘発することが分かっています。
また汗によりカビや菌が増殖してかゆみの成分を出すという研究結果も出ており、汗を放置するとかゆみが増すのは確実です。
汗ばむ季節はこまめに!皮膚表面を拭いてあげてください。クーラーで乾燥する室内に入った時には、汗を拭いた後にかるく保湿をすると尚よしです。汗と同時に皮脂も取ってしまうので、軽く保湿することで乾燥を防げます。
アトピーのかゆみを軽減するコツ・体の中からわき上がるかゆみ対策
さて、アトピー患部を冷やしても温めても何やっても我慢できないかゆみがありますね。
体内の深いところからわき上がってくる、発作的に起こる、あの発狂しそうになるかゆみです。
痒みは自律神経系の影響を受けていて、交感神経から副交感神経に体が切り替わるときに激しいかゆみが起こります。寝る前とか、夕方とか、食後とか、会社や学校から帰ってきてリラックスした時とか・・・。お風呂に入っている最中とかもそうですね。
副交感神経優位のときには 全身がリラックスし、血流が良くなります。すると炎症反応が盛大に起こるようになります。副交感神経はアレルギー反応も強めます。
とくにストレスで日中緊張状態が抜けない人は、ホッとリラックスした時に、副交感神経優位に一気に傾くんですね。すると、がーっと発作的かゆみに襲われやすくなるんです。
アトピーのかゆみが出たら呼吸を整える
こうした自律神経系から来るかゆみを抑える方法として基本にしていただきたいのは、呼吸を整えることです。
まず、かゆみが出た時。かゆくてたまらない時って、我慢しようとして息を止めたり呼吸が浅くなったりしていませんか?
なので、腹式呼吸で深呼吸をします。限界まで息を吐ききって、そのあと深く息を吸い込みます。それを何度か繰り返します。
かゆくなる時間帯以外にも、仕事中や勉強中、ストレスがかかって緊張しているときにも呼吸が浅くなっていると思います。
緊張しているときにも意識して呼吸を深くする習慣をつけておきましょう。そうすることで、リラックスして副交感神経優位になったときのかゆみもだんだん軽減されます。
詳しくはこちらでも
⇒ アトピーは夕方や夜がかゆい!発作的かゆみを楽にする超簡単な対処法
⇒ アトピーが仕事のストレスで痒い!って人に贈る5つの改善策
過剰に緊張している状態から、一気に副交感神経優位に自律神経が振れる・・・。この「振れ幅」が大きいとリラックスした時のかゆみが強く出やすいんです。
だから過剰な緊張状態を呼吸で改善しておいて、リラックス状態の時の振れ幅を小さくするという作戦ですね。
呼吸法などの詳細はまた詳しく紹介しますが、とにかく呼吸を深く整えるように意識してみてください。
アトピーのかゆみが出る時間に運動をする
これは日中にしかできない対処法で、時間に余裕がある人限定になるかもしれませんが、かゆみに襲われたら運動するなど体を動かすことで一時的に凌げます。
一見血流が良くなってかゆみがひどくなるのでは?と思われますが、運動することでかゆみから意識が逸れる効果があります。
あと呼吸が深くなって自律神経が整う効果もあります。早足で歩くとか、軽いランニングとか、階段昇降とかなんでもいいのでやってみましょう。あまり激しすぎると大変ですから、軽い運動でいいです。
日常で呼吸を整えるのと併せて、一度試してみてください。
おわりに・まとめ
かゆみの対策をいろいろまとめてみました。
冷やしたりさすったりするだけで乗り切れる人もいれば、気が狂いそうなかゆみで爪を立てて掻きむしってしまう人もいて、人によってかゆさの度合いは違うと思います。
体の中からの解決方法を実践しながら、対処法も活用して、かゆみをのりきってください!!
もちろん、皮膚を掻かないに越したことはないんです。その仕組みは科学的に解明されております。
⇒ アトピーは掻くと広がる!イッチ・スクラッチサイクルの罠
でもね、掻いてしまうのは仕方がないので、掻くことに罪悪感を感じる必要は全くないとおもいます。
だって、しょうがないじゃないですか。
掻いて傷にして痛みを我慢するほうがマシという人もいることでしょう。
掻いて血液を出した瞬間にかゆみが引くと言う人もいます。(私がそうでした。そのカラクリと方法はまた別途紹介します)
毎日の「かゆみストレス」を少しでも取ってあげることは大切。
ストレスは皮膚の回復も遅らせますからね。
この悪循環を少しでも軽減することを目標に、やってみてください。