
アトピーはPM2.5で悪化します。(経験あり)対策を万全にすることで症状は軽くできます。特に服を着ていない部分の症状が悪化するので厄介なんですよね。危険性も高いですのでしっかり対策しておいたほうがいいと思います。
もくじ
アトピーはPM2.5で悪化する
PM2.5の日本語名は、「微小粒子状物質」。いわゆる大気汚染物質を粒子の大きさで分類して呼んでいるものです。
ただでさえ厄介なアトピー、PM2.5との関係も大きいです。
いろんな研究がありますが、研究云々以前に、PM2.5の注意が天気予報で出ているとき、外に出たら肌が痒くなったことはないでしょうか。または、肌を露出しているぶぶんだけ赤くなってしまったりとか・・・。
私は経験があります。
私の会社は大阪の中心地にあり、ビルの25階という高層階です。PM2.5の飛散があると、窓から見渡す大阪の空は灰色がかった白色の靄がかかり、遠くがぼんやりとしか見えなくなります。
そんな時は外に出ると、目や顔、頭皮、鼻、耳の穴の中などがチリチリとかゆくなります。
アトピーが治ってからでも刺激を感じるくらいです。
皮膚が薄い人、肌の油分や保湿因子が少なくバリア機能が低下している人ほど、PM2.5での刺激を感じやすいと言えます。
大気汚染のある地域ではアトピーが悪化すると言う話は、かなり昔から医師や研究者の間で言われてきたことです。
日本の工業化が進むのとアトピー患者の増加には関連があるという統計もあったり。
私もド田舎の大学キャンパスで過ごしていた大学生時代だけは奇跡的にアトピーが全身から消え去ったことがあり、(それだけが原因ではないかもしれないけれど)やっぱり関係は大きいのだろうなぁと個人的に感じます。
肌や粘膜への直接的な刺激でかゆくなることに加え、
PM2.5を吸い込むと、気道で抗原反応性を高め、喘息やアレルギー性鼻炎を悪化させる作用があります。
自律神経についても、影響を及ぼすことがあるという環境省の報告もあります。
PM2.5は黄砂にくっついて飛来してきたりもします。黄砂もアレルギーを悪化させるという実験報告があるほか、中国、台湾、韓国では黄砂が飛んでいる時に呼吸器疾患や心疾患、アレルギーが増加したとの論文報告が複数報告されていることも無視できません。
皮膚からも、体内からも、アトピーを悪化させる因子であることは間違いないですね。
PM2.5の危険性
PM2.5の発生源はボイラー、焼却炉などからの煙、コークス炉、鉱物堆積場からの粉塵、自動車、バイク、飛行機、船、などの排気ガスと言われています。一部火山等の自然からも発生しています。一部の研究では、ディーゼル車の排気に含まれる微粒子がPM2.5の大部分を占めているという説もあるそうです。
あとですね、実はPM2.5はタバコからも発生します。喫煙ルームはすごくpm2.5が充満しているんですよ。飲食店なんかで喫煙可能なところは避けたいですね。
粒子状物質は主に人の呼吸器系に沈着して健康被害を引き起こします。粒子の大きさによって分類されていて、PM10やPM2.5と数値が小さいほど粒子のサイズも小さいです。
PM2.5は2.5マイクロメートル(μm)の大きさってことです。
ちなみに1マイクロメートルは0.001ミリメートル。相当小さい。
スギ花粉(30μm)
黄砂 ( 3μm)
PM2.5 ( 2.5μm)
花粉より小さいです。
この小ささにより、人体内の肺胞の中に入り込み、炎症を起こす他、血液中にも入り込んでしまうんですね。
不整脈を引き起こしたり、血栓を作ってしまったり、肺がんの死亡率との関係も指摘されています。
高濃度のPM2.5に暴露され続けると、循環器系の病気、呼吸器系疾患(慢性s気管支炎や肺気腫)のリスクが高まるとされています。
アトピー以外でも、健康への影響はかなり大きいのです。
とにかく避けたい・・・、ですね。
黄砂に含まれるPM2.5とニッケルアレルギー
鳥取大学医学部の大西一成教授によれば、ゴビ砂漠の砂の色と、日本(鳥取)に飛んできた黄砂の色は違うのだそうです。
理由は、黄砂が飛来してくる間に、PM2.5を含んで来るからです。
そのPM2.5に含まれるニッケル成分が肌に接触して、金属アレルギーを引き起こしていることが多いのだそうですね。
肌が痒くなったり、真っ赤になってしまうような人は、ニッケルアレルギーの可能性が結構高い。金属アレルギーのパッチテストをすればニッケルアレルギーの有無がわかります。
そういう人は、食品の中のニッケルや、歯科金属(歯の詰め物)でもアレルギーを起こして、アトピーが治りにくくなっている可能性もあるかもしれませんね。
いずれにせよ、腸内環境を整えてアレルギー体質を整えつつ、PM2.5を避けるしかないです。
アトピーをpm2.5で悪化させない対策法
アトピーへの対策としては、とにかく
・吸い込まない
・肌に付着させない
の二つに尽きます。
そうはいっても、粒子が細かいので、防いでいるつもりでも防ぎきれてない場合があるので、しっかりポイントをおさせておきたいところです。
マスクを選ぶ
マスクに関しては、PM2.5のような微粒子もしっかりカットできる製品を選ぶ必要があります。
ドラッグストアやホームセンターで、「N95」と書かれた防塵マスクを選ぶといいです。
N95はアメリカの基準クリアした製品です。
DS2以上のマスクでもOKです。
DS2は日本の基準クリアした微粒子用マスクです。
微粒子もカットできるだけの性能があります。
ただし、フィルター自体は高性能であるがゆえに、息苦しさを感じやすいです。外出時にのみ使用すると思いますが、何時間もつけっぱなしは辛いものがありますので、そのあたりを計算に入れてつけましょう。
しかも、ちゃんとサイズが合ったマスクにしないと効果が出ません。何しろ相手は超微粒子です。顔とマスクの間に隙間があったらそこから簡単に侵入してきます。顔の大きさに合ったもので空気が漏れないようピッタリで着用する必要があります。
カップ型になっているものの方が、密着するので効果が高いです。シート型のものはどうしても顔とマスクの間に隙間があきがちです。
室内にPM2.5を入れない
PM2.5がひどい時は、窓や戸を締めて、隙間も防ぐ必要があります。
窓に目張りをしたりするのが理想的です。換気も極力控えます。
外出から帰ってきたら、玄関入る前にマスクを捨て、服を払い、髪の毛を払い室内に入れないようにします。衣類は叩くと付着したPM2.5が舞い上がってまた服についてしまったり、吸い込んでしまうので、あくまで下へ向かって払うように。
洗濯物も室内に干すようにします。
空気清浄機をつかう
PM2.5対応の空気清浄機を使います。
特に寝室。寝ているときは一つの部屋の中で空気をたくさん吸いますので。
HEPAフィルターという「pm2.5より微細な0.3マイクロメートルの粒子を99.97%捕獲出来る」超高性能フィルター搭載の空気清浄機などが適しています。
あとは、吸引力の高いこともポイントですね。
徹底して室内の掃除を
フローリング床は濡れた雑巾で水ぶきをするのが一番です。ウェットタイプのシートでもかまいません。
掃除機は床に積もったPM2.5を巻きあげる可能性が高いからです。
もしくは、掃除機はPM2.5を吸塵できる高性能フィルターのものを使います。掃除機にもHEPAフィルター搭載のものがあります。
他、手洗いうがい、きたくしたらメイクもすぐ落としましょう。
他にも外出時のテクニックは こちらの記事も参考になりますのでみてみてください。
⇒黄砂でアトピー悪化?
専用のバリア系スキンケア製品を使う
皮膚に薄い保護膜を作り、肌に直接pm2.5の粒子が触れないようにするスキンケア製品があります。外出前につけておくと症状悪化が防げます。かぶれやすい赤ちゃんにも母子手帳副読本でお勧めされ、金属アレルギーの人にも愛用者が多い皮膚保護剤です。私はpm2.5が中国から飛来する春先には顔に使っています。
ファムズベビーについて詳しく>>
おわりに・まとめ
・PM2.5は皮膚についてもアトピーを悪化させる
・呼吸器から体内に入ってもアレルギーをひどくする
・ニッケルが含まれるので、金属アレルギーの疑いもあり
・アトピー以外にも健康被害が大きいので基本避けたい
・避ける方法は、とにかく暴露を防ぐこと
・マスクはN95かDC2以上を選んで、ピッタリのサイズを
・皮膚付着でのアトピーには皮膚保護剤を使用
何しろ超微粒子なので、吸い込む空気から100%カットは難しいですが、出来るだけのことをすれば、やっただけ、影響はマシになります。皮膚はスキンケアで何とかなります。神経質にならない程度に実践していきましょう。