
全身がアトピーになり、人生で初めて顔にも症状が出てしまった私。ブラック企業での仕事をこなしながら、かゆみと戦う日々を送っていたころの話です。
顔から足首まで全身アトピー
人生でここまで広い範囲にアトピーが出たのは初めてでした。
顔から足首まで広がったアトピーは、皮膚の深い部分で赤黒く炎症を起こし、表面は乾燥してひび割れていました。
外から見ていても、ひどくなるのはわかるので、会社の先輩もぎょっとしていました。それでも仕事を休むわけにもいかないと私は思っていました。
一人暮らしなので生活のこともあるし、会社の人手も足りない。
頑張らないといけないと思っていました。
ステロイドをやめてから3週間目。
相変わらず、家に帰るとかゆみで気が狂いそうになります。
寝る前もかゆくて、なかなか寝付けなくなりました。
浸出液がほとばしる体
引っ掻いた皮膚から、黄色い浸出液がにじみ出るようになりました。
特に、デコルテや胸まわりから、ひどく液体が滲み出てきました。
定期的に、発作的にかゆみに襲われます。
がーっと体の奥で虫が這うような、何かが動いて皮膚を突き破ってくるようなかゆみ。
じっとしていることができない。
そうすると、肌の表面から浸出液が出てきます。
掻かない、なんて無理です。
最初は胸からだけの浸出液でしたが、徐徐に腕やお腹からも出るようになりました。股関節からも、出始めました。
首からも浸出液が出るようになりました。
首から耳の下のリンパ節がパンパンに腫れて、触ると皮膚の奥にゴリゴリとしたしこりがあります。
股関節部分も同じようにむくみ、しこりができています。
太もももふくらはぎも、皮膚の表面がバリバリと固い皮膚でひび割れ、パンパンに張って、赤くなっていました。
仕事中にも、発作的なかゆみに襲われ、浸出液でシャツに染みができてしまうので、着替えを持っていくようになりました。
ジャケットの裏地は、血と浸出液で染みだらけになってしまいます。
そして、寒い。
体がとても冷えるのです。全身寒気に襲われます。
特に足はガンガンに冷えて日中感覚がなくなるほどでした。
睡眠がとれないほどに
日中もかゆみと浸出液に悩まされましたが、夜もひどくなってきました。
布団に入ると、体が痒くなります。
そのまま寝つけずに、時間だけが過ぎていきます。
体をどうしても掻きむしってしまいます。
掻くと血が出て、浸出液も出て、布団の上が皮膚の粉だらけになります。爪の中にも引っ掻いたかさぶたが詰まって黒くなります。
眠れないまま、夜中にパジャマを一度着替えて、布団の上の落屑をハンディ掃除機で吸い取ってから、また布団に入る。そのころには肌の傷が痛くてたまらないのですが、痛みを我慢しながら、明け方になるとようやく眠ることができました。
しばらくすると、もう朝。目ざまし時計で叩き起こされます。
すると、布団が浸出液でしっとりと湿っていて、広範囲に染みができているのです。
これを毎日干したり洗濯したりしなくてはいけません。
布団乾燥機を買って、仕事に行く前にタイマー入れて乾燥させていました。
シーツは毎晩汚れるので、大きいタオルケットに体をくるんでから布団に入るようにして、タオルケットを毎日洗濯するようにしました。
睡眠は平均どのくらいだったでしょう。3時間程度だったように思います。
眠っていないので、もちろん昼間はフラフラですし、生あくびが出ます。
判断力も落ちてきたようで、伝票や書類を読むのが億劫になり、書類の書き損じが増えました。ミスをしないように2回見直すなど手間をかけるようになりました。
どうしたらいいのかわからない毎日
ステロイドをやめてから、短期間で、こんなに全身ひどくなったのは、完全に想定外でした。
あまりに症状がつらく、かゆみで気が狂いそうになります。
寒いのでお風呂に入るのですが、お湯で体が温まると、さらにかゆみが増し、湯船で体をこすると、お湯の表面にはがれた皮膚が大量に浮きました。
このまま、汚い皮膚だけはがれてなくなって、明日になったらきれいな肌が出てきてくれないかな・・・と願うような妄想。でも、真っ赤に炎症おこした傷だらけの体をどうすることもできず・・・。熱いシャワーをかけてかゆみを我慢しようとしていました。
病院にいくべきか?
でも行けばステロイドを塗ることになるだろう。
今の症状はステロイドリバウンドだろうか?
だったら、食生活やお風呂にしっかり入ることで、いつかこのひどい症状が抜け切るんじゃないだろうか・・・。
ステロイドはもう使わないほうがいいのではないか??
どうなんだろう・・・どうなんだろう・・・。
このとき私は、ステロイドリバウンドのきちんとした対処方法も、体質改善の具体的な策もなく、本屋の立ち読みと仕事の取引先の人の簡単なアドバイスのみの知識だけで、この状況をどうにかしようとしていました。ついでに持ち前の負けん気で、根性で乗り切るぞとばかりに、医者に行くことは考えませんでした。
しかし、睡眠不足で頭は回らず、ブラック企業の忙しさに振り回されて、毎日の出社と大量にでる洗濯物の処理に追われるばかりで、まともに新しいことを考える余裕すらなくなってしまいました。かゆい・しんどい・ねむい・・・だけど眠れない・・・また仕事・・・と頭のなかでぐるぐる。
どんどん肌が崩れて、ゾンビのようになっていく中、フラフラと毎日を消費する時期が続いていきました。
会社の先輩にも、取引先も、心配そうな目で私を見ているようでしたが、どう声をかけて良いのかもわからなかったのでしょう。アトピーの話題に触れることもなくなりました。
そのまま月日が流れていきました。
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