
全身が浸出液まみれのドロドロ状態。かゆみで明け方まで眠れず意識も朦朧としてきた私。それでも仕事を続けていましたが、精神的に限界も近づいてきていました。
かゆみと睡眠不足で精神状態も危険に
このころ、ブラック企業の出勤日数はピークで、月の休みは3日。毎日夜10時ごろまで仕事をしていました。
かゆみで寝つけず、明け方5時ぐらいにようやく眠れるので、平均睡眠時間は2時間程度だった気がします。
それでも一人暮らしのため生活費のため、仕事を休むわけにもいかない。
有給を取ると言い出せば、社長から罵声を浴びせられ、一日中会社の雰囲気が悪くなってしまう。
楽派できない環境の中、きっとしばらくすれば、このひどい症状も峠を越すだろう、と高をくくっていました。
しかし・・・。
このひどい浸出液まみれの状態は、4か月続きました。
4か月続いても、改善する気配は全くありませんでした。
むしろ、皮膚は掻き過ぎて、薄い表皮のしたはもろくブヨブヨになり、四六時中汗とも水分ともわからないものが皮膚から蒸発しており、衣類は常にしっとりt湿り気を帯びていました。
その間、仕事の量も増える一方。
自分では、食生活を改善してみたいとか、半身浴をしようとか、いろいろ頭をよぎるのですが、あまりに忙しく、何も手につけられません。
朝は食事を受け付けず、昼も夜も外食やお惣菜。
休日は、血と体液で汚れた洗濯物を洗ったら、一日中横になっていました。
ずっと立っているのだるい。
何もやる気がおこらない。
昔の記憶・・・漢方薬を再開することに
ある春の日、通勤電車の中で、ふと、
「ああ、もうだめだ」
と自分のなかで何か糸が切れたような感じがありました。
そのまま、出勤途中に、降りるべき駅を乗り過ごし、3駅先まで行ってしまいました。
あわてて逆方向の電車に乗り換え、会社へと急ぎました。
重い体を引きずって急ぎながら、頭の中に昔の記憶がよぎりました。
「ああ、もしかしたら、学生のころみたいに漢方薬を飲んだらよくなるかも。」
どうにかギリギリ出社時間滑り込み、仕事をこなし、昼休みに会社の近くで漢方薬を処方してくれるお医者さんを探し始めました。
漢方は、薬局で薬剤師さんが処方してくれるところもありましたが、保険適用で処方してくれて、アレルギー科が併設しているお医者さんが運良く見つかったので、そこに行ってみることにしました。
漢方再開!強力な処方箋&ステロイド
運よく休みの土曜日、予約をしてお医者さんのところへ。
お医者さんは、私の状態を見るなり、
「・・・ひどいですね、どうされました?」と言いながら、目を丸くしていました。
私:「ステロイドをちょこちょこ関節や首に付けていたのですが、アトピーは治ることないし、ステロイドの長期使用は良くないと聞いたので、止めたら4カ月この状態なんです。」
医者:「そうですか。よくこの状態で何もせずに堪えていましたね。相当辛いと思いますが」
私:「はぁ、そのうち峠を越えたらどうにかなるかと。」
医者:「すごい根性ですよ・・・。働いているんですよね」
私:「はい。働かなくてはいけないので」
お医者さんは、舌を見たり、脈をとったり、私に横になるように指示してお腹を触ったりして話を続けました。
医者:「治療方針を立てる必要があるんですが、とにかく全身の炎症がひどいので、火消しの意味合いでステロイドを一時的に使いたいと思います。」
私:「・・・、ステロイドって小さい頃から使い続けて、結局根本的に解決しなかったので、余り使いたくないのですが。」
医者:「そうですね。ですのであくまで一時的に使用します。漢方は煎じ薬を出しますので、ガラスか陶器で煮出して飲んでください。朝晩でいいので。この漢方で体の炎症を取って、老廃物を解毒して、あなたの望む根本的な解決に持っていきますから。ステロイドは嫌なら無理にとは言いませんがとにかく顔だけでも塗りませんか?仕事もあるし。顔のアトピーが引くとだいぶ違いますよ」
私:「はい・・・。」
ステロイドをまた使うと言う話に、少々がっかりしたものの、このお医者さんの、「一時的」という言葉と、「無理にとは言わない」「顔だけでも」という言葉でに心が動かされました。
あ、私、ひどい状態なんだ。意固地になってステロイド使わないより、言うこと聞いたほうがいい。
そんな気がして、治療方針に同意しました。
お医者さんは、紙パックに小分けにされた生薬を大量に用意してくれ、2週間後にまた来るようにと私に指示を出しました。
苦い・まずい・臭い・でもこれしかない
結局またステロイドを使うことになってしまいました。
しかし、今回は強力な漢方の煎じ薬で、「根本的な解決」になるとお医者さんが言ってくれている。
その言葉を今は信じるしかありません。
どうにかこのボロボロの体と頭を立て直すしかないのです。
煎じ薬は、ガラスの耐熱ポットで煮出すことにしました。
夜に朝晩の2回分をまとめて煮出します。
その日の夜飲んで、残りを翌朝電子レンジで温めて飲みます。
煮出している間、部屋中に漢方の独特のにおいが充満します。換気扇かけてもひどい。(ご近所さんごめんなさい・・・。)
味も苦いしまずい。甘草がはいっていて少し甘いのですが、そこに今まで経験したことのない、舌の付け根が縮みそうな苦さです。
ステロイドはマイザーが処方されました。
顔だけに塗ってもいいし、全身もこれでいいとのこと。
私は、真ん中を取って、とりあえず上半身に塗ることにしました。
ああ、これで楽になってくれたらいいな・・・。
期待を持ちながら、寝る前に、久しぶりのステロイドを体に塗りました。
もちろん、いきなりそれでかゆみが治まることはありません。
やっぱり明け方まで眠れませんでした。
しかし、久しぶりのステロイドは、想像以上の効き目を見せました。
肌の表面がすごい勢いで茶色くかさぶたになって、はがれおちていったのです。
かさぶた⇒はがれる のスピードが速すぎるせいなのか、皮膚が全体的に突っ張っています。
皮膚の奥のほうは暗い色をしているのですが、表面はバリバリと皮膚がはがれおち、炎症がなくなっていきました。
2週間がたつころには、これでなんとか立ち直れる・・・と光が見えてくる気がしてきました。
希望が見えてきたのもつかの間、次は会社での思わぬ試練が待ち受けていました・・・
続はこちら ⇒ アトピーじゃなくてあなたが汚い!