
小学生のころ、私のアトピーは、ひどくなったり落ち着いたりを繰り返しながら、ずっと出ていました。ステロイドを塗りながら、アトピーと付き合っていく感じでした。アレルギー検査をしたり、除去食やったりした話を中心に、当時の心境も綴ってみたいと思います。
10歳で治るはずと言われたアトピー
当時、幼小児期のアトピー性皮膚炎は、10才から12才で多くは治癒して再発しないものと説明されていました。
私の親も、そのつもりで、10歳ぐらいになったら自然と治るだろうと考えていたようです。
しかし、小学校に上がっても、まだアトピーは手足の関節部分に出ていました。背中はマシになったものの、このころは、首と脇の部分にアトピー症状が良く出ていました。
汗をかくとひどくなり、独特の臭いがするらしく、親からは「臭いから汗かいたらタオルで拭け!」と言われていました。
「臭い」って言われたのが気に食わなくて、「やだ!めんどくさい!」と言っていたこともありましたが、それでもしつこく言われたので、しまいには返事も面倒になって、不機嫌になることが多くなっていました。これが7歳ぐらいの記憶。
小学校時代も、お風呂上がり、夜寝る前にステロイドを塗っていました。常用していました。
ステロイドを塗れば、一時的にマシになるのですが、また手・足・首に症状が出ました。塗っては再発の繰り返しです。
そんな状況で私は10歳になりました。
10歳になったら、アトピーは自然消滅するはずと思われていましたが、
お医者さんの言葉とは裏腹に、私のアトピーは出続けていました。全身に広がることもなかったですが、治ることもなかったのです。
アレルギー検査と除去食
そこで親も心配をしたのでしょう。少し大きい病院へ行って、血液検査にてアレルギーの検査を行うことになりました。
いわゆるIgE抗体の検査です。
ダニやハウスダスト、カビ、動物上皮に加え、メジャーな食物(牛乳・卵・小麦・大豆・そば)などを検査しました。
その結果は・・・。
・猫の表皮に強く反応が出ました。
・食物では、大豆に弱い反応が出ました。
当時の検査結果表が残っていないのですが、その時母親から聞いたのは、
・とにかく猫にはさわるな
・大豆がよくないらしい
ということでした。
私はアトピーは日常のことなので、「ふーん、だから何?」という感じで、体をボリボリ掻きながら聞いていたのですが、母親はその当時私のアトピーを完治させたかったらしく、
突然
「大豆を食事から抜いてみよう!」
と言い出したのです。
大豆ですよ・・・。味噌も醤油もダメ。大豆油もダメ。豆腐や油揚げもダメ。
母親はがんばりだしました。
味噌汁も醤油も使わない料理を作り、おやつにはベニバナ油で揚げたフライドポテトを用意してくれました。
とりあえず、大豆由来のものを食生活から排除したのです。
ですが・・・
うちの母親は当時フルタイムで働いていました。
働きながら私に合わせた食事を用意するのは大変だったようで・・・。
一週間で
「やってられないわ!」と言って、食事制限はあえなく終了となったのでした。
大豆を除去したその一週間は、アトピーがスッと消えていきました。子供なので傷や炎症の治りも早かった。
でも、また通常の食生活に戻したら、アトピーはぶり返しました。
初めての食事制限は、こうして終了しちゃいました。(・・;)
汚いと言われた日々
食事を変えるのは止めになったのですが、アトピーを消してやりたいという母親の意気込みは継続しており、いろんな情報を聞いてきて、試すようになりました。
・お風呂では保湿系の全身シャンプーMINONをつかう
・風呂上がりは水をかぶれ(肌が強くなるという理由らしい)
・クロレラを飲むといいらしい。
・キャベツの絞り汁を肌に塗ればアトピーが改善する
などという、人から勧められたもの、民間療法的なものを聞きかじっては、私に試すようになりました。
風呂場でキャベツの汁を塗られた時は、何とも言えない気持ちでしたねー。
「これできれいになるんだって!」
と母親は言っていたのですが、これもまた一週間ほどで辞めてしまう。
理由は面倒なのに、目に見えた効果がないから。
子供の私は、「なんで母はそんなに頑張るのか?」と思ってました。
親のほうがアトピー治療のモチベーションが高かったです。
小学校の5~6年生になれば、女性らしく成長してくる時期でもあるので、余計にアトピー肌であることを気にしてくれていたのでしょう。
でも、親も面倒な方法は続けられなくて止めてしまうんですよね。
腕や首を引っ掻いていると、
「あーっつ!もう! 掻くな掻くな!汚くなる!!」
と顔をしかめられたものでした。
「治らないわねぇ。」
「今日はひどいわねぇ」
「今日はアトピーましねぇ」
と、毎日顔を見るたびに、アトピーの症状を言われました。
当時の私は、多少アトピーが出ていても、それほど気にしていなかったんです。
そりゃあかゆいです。掻きむしって血を出す毎日です。せっかくできたかさぶたを掻いて剥がしてしまいます。
でも私にとってそれは、当たり前のこととして受け入れていました。
何しろ1歳からアトピーなので、かゆいのが当たり前なのです。
でも、母親から顔を見るたび「肌が汚い・きれい」「治った・治らない」を言われるようになると、
自分が異常であると感じるようになってきました。
私は汚い存在なのか。
肌がきれいじゃないとダメなのか。
このころから 次第に自分のイメージが「汚い」に変化していったように思います。
完璧に肌がツルツルじゃないと、欠陥があるような気分になってきました。
同時に母親を疎ましく思うようになっていきました・・・。
まとめ
・10歳になってもアトピーは治らなかった (四肢関節・首・脇)ステロイド使用。
・アレルギー検査(IgE抗体)は猫と大豆が陽性
・食事療法は用意する親のほうが続かなかった。
・肌=自分が汚いというセルフイメージができてしまった
有りがたいことに、友達にアトピーをからかわれたり、いじめられたりすることはなかったです。
小学校を卒業するころにも、アトピーは続いていたのでした。