アトピーを理由に転職してみた

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飲食店勤務でアトピーが再発し、手湿疹とアトピーがつながって、腕の症状はひどくなるばかり。もうこの仕事は続けられないのでは?と思い、仕事を変えようとしていたころのお話です。

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ひどくなり続けるアトピー

喫茶店に勤める中で、アトピーが再発し、どんどんひどくなりました。

水仕事や業務用洗剤でかぶれた手は一番ひどく、指、手のひら、手首まで炎症とひび割れ、生傷とかさぶた、痛みとかゆみでボロボロになっていました。

ひどい日はお箸を持つのも痛い。ものをつかむにも手が痛いので、動きがぎこちなくなります。しっかり力入れてものを握れなくなります。

皿を持つだけで、痛みで顔をしかめる毎日。

 

そして、夜寝る頃にはとてつもなくかゆくなります。
夜はステロイドをつけて、手袋をして寝るのですが、寝ている最中に無意識に手袋をはずしてしまいます。
すべての指がボロボロでしたが、特に薬指はかゆく、指の側面には猛烈なかゆみとともに水泡ができます。それをたまらず掻き壊したら、浸出液と血が一緒ににじみ出ていました。

 

夜中に手のかゆみで目が覚めることもありました
我慢していても眠れないので、引っかいて、血が出るまで掻き壊して・・・。かゆみが傷の痛みに変わるころに、「ああ、またやっちゃったなぁ・・・」と後悔しながらも、ようやく寝入ることができる。

そんな日が続きました。

 

職場の人は、私の手や腕を見るとぎょっとします。
口には出しませんが、目線が私の手を捉えると、じっと見たり、逆に目をそらされたり。

アルバイトの若い学生には、「きらりさん、その傷どうしたんっすか?」と聞かれるのですが、まぁ、手荒れだよと答えるしかありません。そうするとびっくりされます。洗剤や水仕事でも全く手が荒れない人からしたら、どうしてここまでひどくなるのかわからないのでしょう。

 

お客さんにお金をもらって、お釣りを渡す時、私の手のアトピーに目が行く。
見て見ぬふりをしてくれているのかもしれない。

常連のお客さんだと、「あんた大変だねぇ、痛いでしょ」と言われたり。

そういわれると、私、相手に不快な思いをさせているんだなぁ・・・と消え入りたい気持ちになりました。

どんどん皮膚は悪化して、手から手首、腕の関節まで、アトピーの症状が連なっていき、ボロボロと粉を吹き、書類に皮膚の粉が落ちるのを払いながら、どんどん気持ちが暗くなっていきました。

 

アトピーを理由に転職を決意

これでは長く続かないんじゃないか?
飲食店の現場の仕事は私のアトピー体質には向いていないんじゃないか。

そう思い始めました。

 

お店の運営や接客以外の部署に異動できないか、会社の上司と話してみましたが、どうにもならない。

店舗勤務をあと何年も続けて、店舗統括のマネージャーになるしか道はなく、本社の総務や人事や事務には空きはなく、空いたとしても店舗から人を異動させることはめったにない。

何年も先になって、ポジションが空いて、ようやくという感じ。

そこまで、はたして自分はつづけられるかな・・・。

 

その当時、アトピーは絶対に治らないものと考えていたので、もう無理だと心が決まりました。

5年ほどで飲食店の会社を退職することにしました。

仕事をやめても実家に帰ることはできません。実家ではまだ学生やってる兄弟がいて、私の部屋もない。
経済援助を求めても親には余裕もないし、そんなものを頼む自分もプライドが許さない!!

一人暮らしのため、生活費も家賃も自分の収入で生きていくのは絶対でした。

 

とりあえず、貯金で食いつなぐことに決め、失業保険の申請をしに行き、仕事を探しに行きました。

 

アトピー治療しながら転職活動

そこからせっせと転職活動です。

ハローワークにも登録し、インターネットでぼちぼち仕事を探します。

仕事は接客業しかキャリアがないのと、新しいことに挑戦する程の度胸もなく、どうしても同じような仕事に目が行ってしまいます。
でも、飲食はダメ。また洗剤で手が荒れてしまうから。

それだけはないところにしよう。

ついでに、生活がもう少し体力的には軽く、規則正しくできるところにしよう、とも思いました。

飲食店って、朝早く、夜遅い仕事で一日中立ち仕事です。
続けても、年をとるごとに大変になるのではという思いもありました。
アトピーが痒いので、夜中に起きて、寝不足になるので、日中の体力消耗も大きかったんだと思います。

 

仕事をやめて、水仕事も洗剤も家では使わず、昼まで寝て、ウィンドウショッピングに行く (お金は使わない!)
そんな日々を1か月も続けると、手荒れの傷も手湿疹も腕のアトピーもちょっとずつ治っていきました。
治療法は相変わらずステロイド。処方箋は変わらないけれど、改善がみられたので、通っていた皮膚科の先生は「治ってきましたね、続けていきましょう」とご満悦でした。

 

さて、
転職活動で、何社か面接に行きました。

転職理由をきかれ、「アトピーで手あれがひどくなり、日常生活にも支障がでた」と回答していました。
「もう治りましたか?」と聞かれ、
「はい」と答える。
もちろん、まだ完治はしていない。

 

腕の関節、足、手だって肌質からアトピーと見てわかるぐらいあちこち赤い。

首にもアトピーが出ていたので、人から見たら、アトピーとわかる。

人から見たら、少し荒れているものの、傷はふさがっていたので、治ったと答えていました。

 

化粧品メーカーを受けましたが、落ちました。
ジュエリー販売も落ちました。
住宅販売も落ちました。
コールセンターも落ちました。
不動産販売の事務も無理でした。

 

飲食店勤務って、あまりキャリアとしては見てもらえないのかもしれない・・・。
事務職はまず仕事内容が前職とリンクしないのでNG。
販売は皮膚がきれいじゃないと受からない・・・?
しかし、不採用になった本当の理由はわからないので、推測するしかありません。

推測していると、どうしても、自分がアトピーだったから?というのが理由にあるのかもと考えてしまいます。

肌が汚い人間って、どこでも印象わるいのかなぁ、とか。そんな思いが頭の中を巡ります。

 

派遣社員で働くことも頭をよぎりましたが、私はどうしても生活の安定を考えて正社員で就職したいという考えを持っていて、正社員ばかり面接を受けていました。

 

アトピーを理由にしても採用してくれる会社、現る

そんな中、一か所、ハローワークから応募した会社が、採用を出してくれました。

そこは従業員が10名ぐらいの割と安いアクセサリーの卸売業者。

履歴書を持って初めて面接に行ったら、即採用したいような話になりました。

この時点で、前の会社の退職から3カ月経っており、そろそろ仕事に就きたいと焦っていたころでもありました。

その時に、アトピーあるんですが、問題ないですか?と聞きましたが、別に問題ないって回答。

 

それになぜか安心した私。ありがたいと思った私。

もう、拾ってもらえるならどこでもいいかな・・・、と半ば妥協と諦めの境地に入っていた私は、その会社に入ることに決めました。

 

しかしその選択は、おもわぬ結果を招くことになりました・・・。

 

続く ⇒入ったその会社、実は・・・

 

 

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このサイトについて

tきらり

きらり です。

小さい頃からずっとアトピー。大人になっても悪化の一途。

いわゆる全身ステロイドリバウンドも経験しましたが、働きながら完治させました。もう長らく、ステロイドは使っていません。


その実体験を元に、良かったこと、悪かったことを、知っておくとよいことを、みなさんにシェアしたいと思います。


ちなみに、ステロイド完全否定派ではありません。ステロイド治療も代替医療も両方の良いとこどりで、いかに私生活と治療を両立させるかがモットー。人生の中心は病気の治療じゃないよね。やりたいこと楽しむためのものだよね。

こうして公開することは想定していなかったので、全身ボロボロの時の写真は残っていないけど、ラストスパートの時はこんな感じ。


ダラダラとステロイド付けていた部分は頑固だったなぁ・・・
アトピー完治


今日も仕事から帰って、せっせとブログ更新してます。ときどき見に来てください。


【お願い】 運営者きらりは元患者の立場であり、アトピーを職業にする気持ちはありません。アトピーに関する執筆・講演等やお仕事コラボのご依頼は申し訳ありませんが全てお断りしています。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。