
アトピーは運動をして汗をかいている人のほうが改善が早いし、予後もよいといわれています。半面、汗をかくと悪化するとか、運動でアトピーが悪化した人もいるようなので、アトピー改善に直結するおすすめの運動について話してみたいと思います。
もくじ
アトピーは運動不足で確実に悪化する
アトピーは運動不足で悪化します。
運動さえしていればアトピーが治ったっていう話は聞かないけれど、運動不足だと治りが悪いという話はよく聞きます。
私も運動を意識して日常に取り入れることで、アトピーの改善効果があると感じています。
学生時代に運動をしていた人が、社会人になって運動不足&仕事のストレスで、アトピーが酷くなったというのはよく聞く話です。
私は学生時代から、全くスポーツをする習慣もなく、完全なるインドア派です。社会人になってからも運動をわざわざすることもなかったですね。
でも、最近は意識してやってます。
体を動かさないと、
・血流が悪くなる
・リンパの流れが悪くなる
・筋力低下により、自分で熱を生み出せず冷え性になる
・発汗機能が衰えて体温調整が下手になる
・基礎代謝が下がる
といったデメリットがあります。
筋力が落ちて血流やリンパの流れが悪化すれば、皮膚の回復も遅くなってしまいます。
また、体を疲れさせることによって、夜もスムーズに眠りやすくなります。かゆみ≦疲れにしておくと、寝やすいんです。
とはいえ、運動する気にもならないという人もいるかもしれませんね。
もともと運動する習慣がない人は特にそうだと思います。(←経験者)
あと、アトピーも重症になってくると、かゆみで精神を消耗しているので、何をするにもだるくて、運動なんて気が進まないこともあるかもしれません。
私も一時期ステロイド離脱を試みたときには、仕事から家に帰っても寝てばかりでした。休日も寝てばかり。一秒でも横になっていたいし、ボロボロの肌なので、外にも出たくない。
そういう時には、睡眠や休息を第一にするのも大切です。
しかし、筋力が衰えない程度には体を動かしておいたほうが、後々の回復のためにもプラスになります。
運動でアトピーが悪化する?その原因は?
アトピーには運動が大切!と思って運動しても、余計にアトピーをこじらせてしまう人もいます。運動も内容が大切なんですよね。
そのあたりを考えず、中には、「アトピーは運動できない」ものだと言って、運動を拒む人もいたりします。
運動でアトピーが悪化する要因はだいたい以下の3つです。
・汗でかゆみが増す
・運動がその人にとってストレス
・運動が激しすぎる
汗はアトピーの悪化因子ではない
汗をかくとアトピーが悪化すると感じることがありますね。
確かに、汗がアトピー患部についたままになると、かゆみが悪化します。
しかし、汗をかかずに、汗腺が退化してしまうと、温度差による体温調整ができにくくなります。
また、汗をかきはじめることは、体温が上がり始めるころ。
皮膚の温度が上がり始めると、かゆみが出てしまうのもあるでしょう。
これは、汗を速やかにかけるように、汗腺を鍛えると、かなり楽になることが分かっています。私も経験があります。
お風呂での半身浴や、岩盤浴に行って、汗をかく習慣をつけてから運動をすると、楽になります。
全身症状がつらくて、お風呂での汗も大変な時期は、汗をかかない程度の運動をこまめに行うという方法でも大丈夫です。
激しい運動がストレスになる!
運動がストレスになる、というのと、運動が激しすぎるというのも、アトピー悪化につながります。
アトピーには運動が大事!!ということで、ジョギング、水泳、エアロビ・・・などに精を出す方もいるかも。しかし、逆にアトピーが悪化してしまった頑張り屋さんもいるようです。
あまりにも激しい運動を行うと、体内に活性酸素が大量に発生します。
活性酸素は、皮膚の炎症を悪化させてしまいますので、逆にアトピーが酷くなっていることがあります。
有酸素運動だったら、酸素を供給しながら行う運動なので、活性酸素は発生しないはずだという考え方もありましたが、最近の運動研究では、有酸素運動でも、スピードを上げて体に負荷をかけすぎると、活性酸素が増えることが分かっています。
筋トレも同じです。
負荷が大きすぎる筋トレは、活性酸素を増やして、皮膚の炎症を悪化させることがあります。
過剰な負荷をかけて行う運動は、アトピー悪化につながってしまうことがあるんですね。
運動すればするほどアトピーが治るってわけではないので、皮膚の炎症が酷い時には、少しペースダウンした運動を心掛けたほうがいいんですね。
アトピー改善のための運動 おすすめは?
では、どんな運動がいいのか、という話です。
もし、アトピーになる前に、趣味や学生の部活やサークル活動でやっていた運動があるなら、それをもう一度やるのがいいと思います。
昔好きでやっていた運動、スポーツであれば、楽しんでできますし、ストレス発散にもなりやすいからです。
ただし、久々にやるなら、あまり激しく負荷をかけすぎないように、少しずつ心地よい程度にやっていくといいです。
他にも、興味があるスポーツがあるなら、どんどんやればいいと思います。アトピー改善にヨガにはまる女子も多いみたい。でもホットヨガとか激しい動きのヨガはストレスになるので、ゆったりしたものがいいと思います。
問題は、私のように、まったく運動する趣味・習慣がない人。
もし、アトピーの改善に行うとしたら、ウォーキングがちょうど良いと思います。
体と筋肉の機能低下を防げるレベルの運動で、なおかつ、息切れもしないし、汗もそんなにかかない。
股関節を動かすので鼠蹊部のリンパ節が刺激されて、リンパの流れが良くなり、血流もよくなるため、皮膚には良い影響があります。
歩くと足腰や腹筋といったコアの大きな筋肉がまんべんなく動くので、筋力の維持にもなります。
ウォーキング程度の息が乱れない運動は、活性酸素に対する抵抗力を高める効果があることから、炎症にも良いとか。
息切れを避けて、ぼーっと何も考えずに30分ぐらい、外をぶらぶら歩くのがおすすめです。
雨の日でウォーキングができないとか、黄砂や花粉で外に出るのを控えたいときは、家で筋トレをするといいです。
これも、何もマシンを使ってガンガントレーニングをする必要はなく、女性なら特に、自重でやる筋トレで十分です。例えばスクワットなどがおすすめ。
おしりと太ももの筋肉を鍛える運動はこんなのがあります。
足の冷えにはふくらはぎの運動
下半身の筋肉を鍛えると、足の冷えにも効果的です。
冷えの根本解決には、筋肉を動かして、血流を促進してあげるしかありません。厚着をしても靴下を何枚も履いても、お風呂に入っても、自分で熱を作り出すことはできないので、根本的な解決にはならないんですよね。
筋肉がつくと、冷え性が解消します。巷で流行りの冷え取りグッズを買いこまなくても、筋力がつき、体を動かせば冷えは治っていきます。そもそも冷えは筋肉の衰え、筋肉のポンプ機能の低下で血液のめぐりが悪いので、じっとして治るものではありません。靴下を何枚重ね履きしても無駄です。
また、筋肉を動かせば新しい血管がどんどん生まれます。筋肉がつくと、血流はさらに良くなります。
最近話題の、成長ホルモン。筋肉や骨、皮膚細胞の増殖にかかわる成長ホルモンも、筋肉を鍛えると増えることがわかっているので、アトピーにもぴったりです。
体の大きな筋肉(足、お尻、背中、お腹)をトレーニングすると、全身の代謝をよくする効果が期待できます。
なおかつきれいな姿勢を保つのにも効果的です。
姿勢を保つトレーニングはこちらでも紹介しています。姿勢悪くなると、内臓にも悪影響だし、上半身のアトピーが治りにくくなるので気を付けたほうがいいですよ。
ウォーキングや筋トレの頻度は、最低週に2~3回やれば効果が維持できます。
毎日やってもOKです。
毎日できなかったからといって落ち込む必要はありません(笑)
おわりに・まとめ
・アトピーは運動で改善促進
・汗がうまく出ない人は汗腺トレーニングと並行して運動を
・軽い運動でよい。激しい運動は活性酸素を増やしてアトピー悪化することも
アトピーでかゆみとの戦いでしんどい、だるい、という人も多いでしょう。私もそう感じる時期を経験しています。脱ステした人は体力を消耗しすぎて動けないかもしれないけれど、少しでも動けるなら、筋力維持のため、ゆったりとでいいので動くほうがいいと思いますよ。
私も週末の夜の散歩から始めました。本当は朝の運動がいいのだろうけれど、紫外線に当たるのも、アトピー肌を人目にさらすのも嫌だったから。夏は夜のほうが涼しいですしね。そこから、ちょっとずつ歩く日を増やしていきました。
ポツポツとでも筋トレやウォーキングをしていくと、だんだん体を動かすことが楽になっていきます。
そうしたら、負荷を大きくしたり、ストレス解消に思いっきり運動してもいいですよね!
私は肌ガツルツルになってからもジムでトレーニングしています。昔の自分からは考えられないけど、今は運動しているほうが調子がいいです。会社員だと特に、意識して運動しないとあっという間に運動不足になりますからね。