
アトピーの治療方針を立てるためには、まず血液検査で何にアレルギーがあるのかを特定する必要があります。皮膚科やアレルギー科で血液検査はしてもらってますか?その他にも原因特定の検査をしてもらう必要があります。この治療方針をきっちり立てているか、そしてそれを患者である自分がわかっているかどうかが最初のポイントです。いきなり民間療法やら整体やらエステやらに走らないこと。
まずは血液検査表でIgEを見てみる
私はとりあえずステロイドを塗るのをやめて、リバウンド症状は脱した感じがあったのですが、それでも全身にまだらにアトピーが出ている状態でした。ここから仕切り直しです。
まずは菊池先生の本などを参考に血液検査の結果を自分でも見直しました。
最初に必ず見るのは、IgEです。
この数値を見ることで、いわゆるアレルギーかどうかをチェックします。
必ず血液検査はしてもらってください。
血液検査でアレルゲンが特定できるのであれば、話が早いのです。それを避ければまず症状が一気に改善する可能性が高いから。
菊池先生によれば、
総IgE(RIST)が100を超えたら、アレルギーを何かしらに持っているアトピーの可能性が高いです。
そしたら、特異的IgE(RAST)を測定すること。これはダニやカビや食物などの個別のアレルゲンに対してのIgEの検査です。
IgEについてはこちらにも詳しく書きました。
→アトピーでIgEが高値の場合は?低い場合は?結局関係あるの?
医療機関にではる程度、ダニやハウスダスト、カビ、など、よくあるアレルゲンをセットにして検査してくれます。
大人の場合は環境因子系のアレルゲンが多い傾向が高いです。
もちろん、大人でも食物のアレルギーがある場合もあるのですが、皮膚科のお医者さんの中には、食物アレルギーは子供にしか出ないので検査しないという先生も多いです。
実際、子供の場合は腸の免疫機構が未熟であるため、食物に対してアレルギーが起こりやすいです。卵とか大豆とか乳製品とか、よく聞くアレルゲンは3歳前後の子供が圧倒的に多いです。
とはいえ、大人でも出ないわけではない。
ただ、大人の場合は腸内環境が酷い上に、特定の食物をかなり大量に食べたときのみに発症するという研究結果があるとのこと。
なので、明らかにこれを食べたら悪化するとか、アトピー発症した前の時期に大量に食べていたものがあるとか、心当たりがあれば、IgEの検査に入れてもらうといいと思います。
ちなみに、菊池先生の本から抜粋。IgEのアレルギーとして多いものから列挙すると、
・ヤケ表皮ダニ・ハウスダスト・コナ表皮ダニ・スギ花粉・ソバ・ネコ皮膚・カンジダ・ヒノキ・イヌ皮膚
・卵白・卵黄・牛乳・大豆・小麦・ブタクサ・カニ・エビ・ヨモギ・コメ・ハルガヤ
といったところだそうです。
果物でも発症することがあるので、症状が出た、悪化した前に食べていたものを調べると手掛かりになります。
花粉症の人の場合は、花粉と果物で交差反応(どちらでも出る)ことがあります。
その他の検査数値を見る
IgEの検査をする場合、一緒に検査結果に出てくることが多いと思うけれど、白血球数も見ていきます。
血液検査の概要はこちらにまとめました。
→ アトピーの血液検査読み方まとめ
総白血球数は、基準値 4000~8000 102/μLなのですが、皮膚に黄色ブドウ球菌が繁殖していると、数値が大きくなっていきます。
ステロイド離脱中に起こりやすい溶連菌感染があれば、ASO(ALSO)が基準値より高くなっています。
あと、CRPという炎症を測る数値は、アトピーの炎症を見るためにもつかわれるし、細菌による感染症、体内の別の炎症性疾患でも上がってきます。
こうした数値を見ると、皮膚の細菌感染の状態もわかります。
血液検査は、第一段階として、アレルギーがあるのかどうかを見極めれるのに必要になります。
IgEでアレルゲンが特定できた場合は、そのアレルゲンを避ける努力をして、対処療法的にステロイドを塗ったり、保湿剤で皮膚のバリア機能を高めたりします。
アレルゲンを避ける対策や、抗アレルギー剤を服用をしないで、ステロイドを塗り続けたとしても、結局はアレルゲンに触れることで炎症が悪化してしまうでしょう。そしたらまたステロイドを塗っては再燃の繰り返しに陥る可能性が大きいです。
逆にIgEで異常が見られなければ、いわゆるアレルギーではなく、ほかの原因のを疑うことになります。
おわりに・まとめ
まずはアレルギーが何にあるのか?もしくはないのか?を知ることが大切です。
私は子供のころは大豆とネコ皮膚にIgE反応がありました。
大人になってアトピーが酷くなってからは、IgEはすごく低い(一桁)なのに、アトピーの症状が出続けていました。
ということは、別の原因があるのでは?と考えられました。
次回はIgEが低い場合の原因についてです。